2024年07月08日
増水の本谷で尺ヤマメ連発!

今回の2日目(7月4日)は上野村神流川の本谷毛ばり釣り専用区。5月のC&Rフォーラムで入ったのを除くと今シーズン初めての入渓だ。
川の駅が開く前に十石ラーメン下のC&Rでロッドを振ってみた。
役場前のライブカメラでもなかなか濁りが抜けないのはみていたが、川の駅もとうぜん水は多くて強めのササ濁りだった。
ちらほらと見える魚影は沈み気味だが、ライズするヤマメもいる。やる気のありそうな魚にしぼってフライを投じるが口はつかってもらえない。
何度かちょっかいを出しに来るヤマメはいたがいずれもつつくだけでフッキングには程遠い感じだった。
しばらくすると漁協のNさんから声をかけられた。
つつくだけで食わない、と立ち話をする。ダムが濁った水を放水しているのでこれが止まらないと濁りは収まらないとのこと。鮎も濁っているうちはダメだからどうしようもない状況らしい。
これから本谷の3番に入る、というと3番は大丈夫だけど4番は途中に増水であぶないところもあるから気をつけてといわれた。
けっきょく朝のC&Rはノーヒットで川の駅にもどった。
この日の本谷の入渓は私ひとりの貸し切りだった。受付でも7番と4番に危険な部分がある、とマークされたMAPをもらった。
Nさんは本谷はまったく釣れないわけじゃなくて日によるようだとのことだが、日によるのか腕によるのか・・・ということだろう。一応お客を前にしては腕によるとも言えないので日によるというのは至極もっともなのだが、その裏に”腕”の一文字を勘ぐってしまうのは歳のせいか。
日によるとなるとどうしようもないこともあるが、腕によるというなら、やってやろうじゃないかといいたいが、朝のC&Rのことを思うといささか心もとない。
「日による」
なるほどいい言葉だ、と納得してしまう。
6月の始めに設置された「爆釣の鐘」、ピカピカだった輝きはひと月たっていい風合いになっていた。
管理棟下の流れをのぞいてみると水は多そうだがウェーディングできないような増水ではないし、濁りもそれほどではなかった。
貸し切り状態なのでどこから入ってもいいようなものだが、とりあえずは予約している3番区をめざして川をみながら林道を歩く。
途中の4番にはなるほどここは無理そうな激流部もあった。
いつもなら3番の2段えん堤のしたから入るところだがここも左右の巻きは流れが荒れて無理をしてみる気にはなれなかった。
そして頼みの綱のえん堤上、ここは渇水だとまったくダメで、平水でも難しい。増水気味のほうがいいと読んでいたのだが、まさしくちょうどよさそうな水勢だった。
さっそく下りて見渡すと長い瀬の上のほうはさすがに水が速いが開きからはいくつもの筋に分かれて水の厚みも色も申し分ない。優に尺を超えるヤマメの姿もあちこちに見えている。
対岸の流速の境い目ですぐにファーストヒット。
いきなりの尺ヤマメはなんとも気持ちがいい。♯16のアントをがっぷりくわえ込んでいた。
手前の岸際、流心脇の緩流部をロングキャストでねらう。
ちょっと小ぶり、といっても25~26㎝のきれいなヤマメ。ここのネイティブかもしれない。
次はまた対岸の流れのヨレにスラックをいれてナチュラルに流す。
これも30+㎝のきれいなヤマメだ。スタートから1時間弱で2匹目の尺、けっして入れ食いということはないが、流れを読んできっちりとフライをトレースできれば食ってくれる。
ほぼ同じポイントでもう1匹。今度はいかつい顔つきで放流魚とはいえ野性味たっぷりだ。
メインの太い流れの右側にできているいくつかの筋にヤマメがストックされている。このあたりを集中してていねいにねらった。
4匹目は30㎝にはちょっと足らない泣き尺だった。そろそろ警戒されてきたようだ。
少し下流の対岸ギリギリ、手前の底の色が変わるあたりに良型がついていたはずだが今はいない。木陰の中をゆっくり流す。
木陰にヤマメの姿が白っぽく浮かび上がった。フライもヤマメもスローモーションのようにゆっくりと動きフライをくわえる動作がはっきり見えた。
このえん堤上で4匹の尺ヤマメをキャッチ、先へ進んでみたが川幅が狭くなるとともに水が厚くなり、流速も増して流しづらくなる。
C&Rフォーラムのときに良型イワナを釣った岩盤際の流れも水が高くイワナの顔をみることはできなかった。
時間も12時をまわるところで川から上がり、管理棟にもどった。パスタをゆでてデザートにはファミマのミルフィーユロールケーキとコーヒーでちょっとリッチなランチタイムを楽しんだ。
つい、うとうととして気がつくともう1時、あと2時間ばかりとすぐ下の流れに下りる。
ここも1本の太い流れがドーンではなくていい感じに筋がばらけている。まずは手前からとフライを置くと
かわいいのが飛び出した。ヒレピンのネイティブ(厳密にこの渓の在来魚という意味ではなくてここで生まれ育った天然魚)、いつもは何匹か釣れるこのサイズもこの日は大型に追いやられて出てこない。
対岸の流速の境い目、ちょうど木洩れ日のスポットライトに魚影が浮かんだ。
前日からずっとこのパターンで通している♯16のフォームアント。今回のために新たに巻いたパターンだが大当たりだった。
かなり水面の荒れた反転流に定位しているヤマメを発見。魚は巻きの一番うえで下流を向いている。手前の流れが強く、反転する流れにフライを乗せるのに苦労したがなんとか食わせた。
なんとか30㎝、厳密には尺かどうかというところだが、まあまあ尺ということにしておこう。
流れ出しのちょい上、ここも流速の境い目でヒット。しかしあっという間に肩まで突っ走られてそのまま落ち込みへ。白泡の中の流木に引っかけられてブレイク、尺はあったと思うがこの位置で下に走られてはどうしようもなかった。
さっきよりもゆるい反転流に良型を発見、これで最後にしようとフライを投じるが巻きの力が弱く口元までよっていかない。鼻先でターンしてしまうフライを何度か追わせてしまったが、その都度、定位置にもどるのでしつこく攻め続ける。
かなり奥めに入ったフライが反時計回りにゆっくり魚に近づいていく、いいところまでいくがティペットが伸びきってフライがスピードを増し、鼻先を通過しようとするその瞬間、ヤマメが大きく口を開いた。
ファイトの最中、その太さとピンクがかった魚体に一瞬ハコスチか?と思うくらいだったがそんなはずはない。ガッツポーズで迎え入れたのは今回の最大魚で33㎝を超える見事なヤマメだった。
ランディングできたのはちょうど10匹、数はそれほどではなかったが尺越えが7匹、泣き尺が1匹で、気持ちとしてはレギュラーサイズ20匹分以上の濃厚な釣りが楽しめた。
”増水のときこそねらいめの水面”を選んで釣りができたことが大きかったが、なかなかこういうチャンスにめぐりあえるものでもない。釣りはいつも一期一会、今回の釣果も二度とめぐり合えないチャンスの賜物。
そうか、やっぱり「日による」ってことなんだよな、とつくづく思った。
おまけ


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Posted by wind knot at 10:23│Comments(0)
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