2025年04月17日
まだ早かった?イワナの渓
昨年から通い始めたイワナの渓。昨年はGW明けに初めて行ってじゅうぶん釣りになったのでそろそろいいんじゃないかと出かけてみた。
昨年よりはひと月ちかく早めの4月14日、今年は少しばかり季節がおくれ気味なこともあるがどんなもんだろうか?
この日は前日ふり続いた雨が明け方まで残って途中で覗いてみた川はやや増水して濁りも入っていた。昨年の経験で上流部は雨に強いのはわかっていたが、やはり現場に着くまではちょっと不安だった。

町を抜けて民家もまばらになりはじめたころ、このあたりの桜はいまが見ごろだった。雨上がりの桜は晴れた日の華やかさとはまた違うしっとりとした美しさだった。

釣り場に着いてみると少し増水はしているが水は濁りもまったくなく澄んでいた。まずは一安心だ。時間は9時になったところ、気温12℃、水温は8.2℃で状況としては申し分ない。
“申し分ない“とは思ったものの、だからといって魚たちの活性が必ずよいとは限らないのが渓流釣りの悩ましさでもあり、おもしろさでもある。

だが今回はどうも“悩ましい”日に当たってしまったようでイワナの反応はおろか生命感がまったく感じられなかった。


いつもなら釣れはしなくても反応のあったポイントにWindknotのロゴをスタンプして掲載するのだがそれもできない。

状況は悪くはないがやっぱりまだ早いのか、と思うしかなかった。

スタートして2時間ちかくがたっていた。何度目かの巻き。
いかにも居そうだ、という気持ちの高まりもすでに萎えてキャストもついおざなりになりがちだ。
いかんいかん、たかが2時間、何事もおこらないなんて珍しいことじゃない、いないわけじゃないんだ、いつ出て来てもへまはしないように集中しないと。
左からの落ち込みの流れがが右の石にあたって反転し、ふたたび落ち込みにむかって巻いていく。フライがその流れに乗った。
落ちてくる強い流れに巻きが吸い込まれていくそのはざまから黒い影がフライに向かって走った。いた!よし、合わせも決まった。

やっと出てくれた1匹、渓に生きる小さな宝石。あまりの生命感のなさにボウズも覚悟していた。それでもいるんだ、石の下にかくれていたのが飛び出してきたあの一瞬を目に焼き付けておこう。


それからまた2時間、渓は沈黙を保った。1匹とボウズでは天国と地獄となんどもくりかえした言葉がよみがえった。たった1匹のかわいいイワナだが、この1匹のおかげでまた来ようという気持ちを胸に谷を去ることができる。さあ、今日はもうあがろう、と斜面にとりつく。

車にもどりウエーダーもはいたまま山を越えて上野村に向かうことにした。
上野村に着いたのはもう3時も近かった。ちょっとだけ遊んでみるかと入渓しやすい支流に向かう。
道路から川をのぞいていると漁協スタッフに声をかけられた。いま来たばかりでこれからやろうかなと思ってと答える。
スタッフ氏によると数日前にヤマメとイワナを放流したばかりで、自分はルアーだけどイワナがよくかかってます、とのことだった。
じゃあ、イワナの活性が高いことを期待してちょっとがんばってきますと川に下りる。

ロッドを振り始めてすぐ、釣り人が歩く側に分岐した小さな落ち込みに念のため、とフライを落とすと左の岩陰から魚影がフワッと浮いてきた。

オッシャー、ホントにイワナが出た。胸ビレの小さい放流魚だが、やっと6‘6“のロッドを曲げてくれる魚に出会えた。
こいつはいいかも、とふたたびロッドを振るが、それからは出てくれるのはかわいいヤマメばかりだった。



まあ、今日も何人かの釣り人に攻められた後だろうからな、そうポンポンとはいかない。
これからの夕まづめがいいのかもしれないが、陽がおちるまで釣りをするのは性に合わない(というかフライが見えない)ので退渓することにした。
今回も木森れ陽に泊まって明日はイワナの釣れそうな支流に入るつもりだ。(次回に続く)

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昨年よりはひと月ちかく早めの4月14日、今年は少しばかり季節がおくれ気味なこともあるがどんなもんだろうか?
この日は前日ふり続いた雨が明け方まで残って途中で覗いてみた川はやや増水して濁りも入っていた。昨年の経験で上流部は雨に強いのはわかっていたが、やはり現場に着くまではちょっと不安だった。

町を抜けて民家もまばらになりはじめたころ、このあたりの桜はいまが見ごろだった。雨上がりの桜は晴れた日の華やかさとはまた違うしっとりとした美しさだった。
釣り場に着いてみると少し増水はしているが水は濁りもまったくなく澄んでいた。まずは一安心だ。時間は9時になったところ、気温12℃、水温は8.2℃で状況としては申し分ない。
“申し分ない“とは思ったものの、だからといって魚たちの活性が必ずよいとは限らないのが渓流釣りの悩ましさでもあり、おもしろさでもある。
だが今回はどうも“悩ましい”日に当たってしまったようでイワナの反応はおろか生命感がまったく感じられなかった。
いつもなら釣れはしなくても反応のあったポイントにWindknotのロゴをスタンプして掲載するのだがそれもできない。
状況は悪くはないがやっぱりまだ早いのか、と思うしかなかった。
スタートして2時間ちかくがたっていた。何度目かの巻き。
いかにも居そうだ、という気持ちの高まりもすでに萎えてキャストもついおざなりになりがちだ。
いかんいかん、たかが2時間、何事もおこらないなんて珍しいことじゃない、いないわけじゃないんだ、いつ出て来てもへまはしないように集中しないと。
左からの落ち込みの流れがが右の石にあたって反転し、ふたたび落ち込みにむかって巻いていく。フライがその流れに乗った。
落ちてくる強い流れに巻きが吸い込まれていくそのはざまから黒い影がフライに向かって走った。いた!よし、合わせも決まった。
やっと出てくれた1匹、渓に生きる小さな宝石。あまりの生命感のなさにボウズも覚悟していた。それでもいるんだ、石の下にかくれていたのが飛び出してきたあの一瞬を目に焼き付けておこう。
それからまた2時間、渓は沈黙を保った。1匹とボウズでは天国と地獄となんどもくりかえした言葉がよみがえった。たった1匹のかわいいイワナだが、この1匹のおかげでまた来ようという気持ちを胸に谷を去ることができる。さあ、今日はもうあがろう、と斜面にとりつく。
車にもどりウエーダーもはいたまま山を越えて上野村に向かうことにした。
上野村に着いたのはもう3時も近かった。ちょっとだけ遊んでみるかと入渓しやすい支流に向かう。
道路から川をのぞいていると漁協スタッフに声をかけられた。いま来たばかりでこれからやろうかなと思ってと答える。
スタッフ氏によると数日前にヤマメとイワナを放流したばかりで、自分はルアーだけどイワナがよくかかってます、とのことだった。
じゃあ、イワナの活性が高いことを期待してちょっとがんばってきますと川に下りる。
ロッドを振り始めてすぐ、釣り人が歩く側に分岐した小さな落ち込みに念のため、とフライを落とすと左の岩陰から魚影がフワッと浮いてきた。
オッシャー、ホントにイワナが出た。胸ビレの小さい放流魚だが、やっと6‘6“のロッドを曲げてくれる魚に出会えた。
こいつはいいかも、とふたたびロッドを振るが、それからは出てくれるのはかわいいヤマメばかりだった。
まあ、今日も何人かの釣り人に攻められた後だろうからな、そうポンポンとはいかない。
これからの夕まづめがいいのかもしれないが、陽がおちるまで釣りをするのは性に合わない(というかフライが見えない)ので退渓することにした。
今回も木森れ陽に泊まって明日はイワナの釣れそうな支流に入るつもりだ。(次回に続く)

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Posted by wind knot at 15:47│Comments(0)