2023年03月06日
解禁初釣行~2
上野村の2日目は川の駅特設釣り場を予約していたがその前に役場前にちょっとよってみた。朝の7時半過ぎだったが、すでにかなりの釣り人がロッドを振っていた。役場前の流れはざっと見たところライズも魚影もなく厳しそうな雰囲気だ。1日目より1時間早いせいか指先が凍りつきそうなくらい寒い。興和橋の上流はもう満員の盛況で入るところもなさそうなのでそのまま役場前でフライを流してみたがけっきょくヤマメからの返事は得られなかった。
役場前でだらだらとロッドを振っていたせいで川の駅下の釣り場におりたときはもう9時半をまわっていたが釣り人は散らばっていて入るところに苦労するようなことはなさそうだった。
流れを見ると随所の水深のあるところにハコスチが群れをつくっているがヤマメの姿は見えない。これはあとで気がついたのだが”ハコスチの群れ”と思っていたのは”ハコスチとヤマメの群れ”だったのだ。ハコスチも大きいのばかりではなくて30cm台の後半からいるので尺がらみのヤマメが混じっていると、もうハコスチやらヤマメやら見分けがつかない状態になってしまう。ヤマメのパーマークも中型クラスまでならはっきりと水中でもよく見えることが多いが成長するにしたがって薄くなっていくからよけいにわかりにくい。
”群れ”の魚たちは底にへばりついて動かないわけではなくてけっこう活発に動いてはいるがライズはないのでここもやはりカワゲラのニンフを流してみる。
ハコスチたちがフライに興味をしめしてくるが今回はハコスチをねらいに来ているわけではないのでフッキングさせないようにフライをピックアップする。”群れ”から離れたヤマメが脇の緩流帯に数匹で泳いでいるのもときおり見かけるがこの手のヤマメはあまりやる気がないようでフライを追わないようだった。
2~3のポイントを回っても状況は同じようなものなのでしょうがないハコスチでもいいかと思うようになる。
”でもいいか”なんていうとハコスチに怒られるだろうが、ファーストヒットはハコスチ。現金なもので釣れれば”しょうがない”なんてボヤキはどこかへいってやっぱりうれしい。渓流ネットに収まる40cmほどのハコスチだったが、漁協のいうところの”レッド系”のいい魚だった。
2匹目も同じ”群れ”の中でヒット、小ぶりのハコスチかと思ったら尺オーバーのヤマメだった。ここで初めて”群れ”の中にヤマメも混ざっていることに気がついた。なんだよ、そういうことだったの?でも、これじゃヤマメだけねらうなんてできないじゃん・・・
”群れ”の中で上位にいるのはやっぱりハコスチのようで、みているとハコスチにまとわりつくように泳ぐヤマメを蹴散らすように追い払おうとするような動きを見せる。ヤマメたちもその状況下ではゆっくり餌もとれないのかフライへの反応も圧倒的にハコスチが優位だった。こうなると管理釣り場でだんご状態に固まっているニジマスの”群れ”をねらっている感じでとても解禁当初のヤマメ釣りをしている気持ちになれない。
管理釣り場で・・・といったって、ここはまさに管理釣り場なんだからそりゃあ仕方ないでしょ、といえばそうなのだが、これまで抱いてきたこの川のイメージとはやはりかなりのズレが生じてしまう。そもそもハコスチは春になると川を下っていって散らばるので下流の餌釣りでもよくかかっていたらしいのだが、今年はぜんぜん下らずに川の駅に居座っているらしく、ヤマメも加わって釣り堀状態になってしまったらしい。なかなか人間の思惑通りにはならないということなのだ。
ほぼ全面的に氷の張ったプール。
氷の下の”群れ”がサークルを作るように泳いでいた。氷が解けるまでは完璧なバリヤーで守られて、のんびりしていられるのだろう。
♯2-3のロッドに7Xのティペットでハコスチをかけると前日のような合わせ切れこそなくてもいきなり走られて止められなかったり、岩に巻かれたりしてブレイクが多発、この日もフライのロストが続いた。元気だな、ハコスチ。
瀬の一番後ろ、駆け上がりからの流れ出しに大物が付いていることが多い。だがこの流れだしを通過する際に一気に流速がますのでフライをナチュラルに流すことが難しいのと相手が百戦錬磨なのでヒットさせるのは至難の業だ。あえてねらっていたわけではないのだがインジケーターが流れ出しにさしかかったところで定位していた大型がとつぜん頭を左右に激しく振った。一瞬おくれてインジケーターがハコスチの向こう側に勢いよく引き込まれる。
なんだ、スレか!?とびっくりしたがとにかくフライがどこかにフッキングしたようだった。幸い一気に走られることはなかったが、トルクのある重い泳ぎで短い突進をくり返される。スレがかりかと思ったがどうも口のちょうど丁番あたりにフライがフッキングしたようだ。渓流ネットにはとても収まりそうにないので時間をかけて体力を奪い浅場に誘導するしかない。
何度もヒヤヒヤさせられたがやっと観念してくれたのは見事なレッドバンドの53cmのハコスチだった。完璧なヒレピンとはいかないが尾びれも大きくとがっていて噂の美ハコといってもいいような魚だ。フライは丁番あたりへのスレがかりではなく、口の中、上あごの中ほどに刺さっていた。たぶんたまたま口を開けたタイミングでフライが口の中に飛び込んだのを驚いて頭を大きく振ったのだろう。7Xのティペットが歯で切られることもなくよくランディングまで持ち込めたものだった。
22-23シーズン、美ハコスチはわずか40匹しか入れていないということなので、釣り人のあこがれの的だ。この魚が本当に美ハコなのかどうか確信はないが自分としては美ハコと認定していいという気持ちになっている。ヤマメが釣れずにぼやいていたのも帳消しになる1匹だった。
今度は尺ヤマメか?と思った”銀系”のハコスチ、やっぱりまぎらわしい。かかるのはハコスチばかりなので早めに切り上げてヴィラに移動することにした。
どこもいっぱいの盛況のなか、河原をさまよって上流の一級ポイントの下が空いているのを見つけた。ここより上には3人並んでいる。よく見ると流心より対岸側に数匹のヤマメが見えた。ライズはしていないのでここもルースニングでねらう。
尺ではないがなんとかヤマメをキャッチできて2日目の釣り終了。
3日目の朝、土曜日ということもあって早めに宿を出て、またヴィラ裏にやってきたがすでにポイントは釣り人で埋まっている。あれまー、とがっかりしたが一級ライズポイントの下に一人分のすき間があった。入ってみると手前の岸際がずっと凍っていてたとえ釣れてもランディングしずらい場所だった。氷の縁にフライを引っ掛ければよくてバラシ、間が悪いと切られてしまうだろう。それで空いてたのか、と見回すと氷にもすき間がある。うまく寄せてくれば取れないこともないだろうし、氷も少しずつは溶けてきそうだ。
隣のライズポイントでは朝の7時だというのに盛んにライズしているのをルアーマンがねらっている。フライフィッシャーとしてはなんとももったいない、といいたいのだが、ライズしている=ヤマメがいるわけだからルアーマンだってここで釣りたいのは当たり前だ。でももったいない。
私の前の流れでもおこぼれ的なライズはあるのでまずはカワゲラフローティングニンフを投げるが今年はやっぱりこのフライの人気がない。ここで考えていた戦略、見えないフライでスレたライズをねらうことを実践してみることにした。
ごく短い黒のポストをつけたカワゲラフローティングニンフは机上の戦略ではかろうじてでも見えてくれるのではないかと期待したがまったく見えなかった。揉みつぶしたストライクディテクターはそれでもなんとか視認できたがあたりはこない。ヤマメがオレンジのポストをいやがるのなら、黒のポストを少量にすれば警戒しなくなるだろうという思惑は、机上の空論だったかとロッドを立てはじめたとき奥からヤマメがスーッと追ってきた。
釣れはしたけどまったく納得できずに戦略失敗を認めることになった。ちなみにこのスーッと動かして誘いをかけるのはこのあと何度かやってみたのだが釣れたのはたまたまだったようだ。
フライを初日によかった水面に乗るタイプに替える。
ちょうど隣のルアーマンが釣り場を離れ、ライズをダイレクトにねらえるポイントに移ったこともあってポツポツとヒットを得ることができた。
尺も出て、ひととおり釣るとあたりも遠のいたのでポイントを離れることにしたがこうなるとなかなか入るところがない。
さすがに土曜日とあって流れの穏やかなプールには釣り人が並んでいる。
初日と同様にヴィラの駐車場下までやってきた、この日もここはノーマークだ。ここは放流魚よりも居つきのヤマメがいるようなので瀬の上に近いポイントをルースニングでねらってみる。
ねらいは当たってヒレピンが何匹かかかってくれた。尺オーバーの大物はもちろんうれしいが、小さくてもヒレピン、もまた負けずにうれしかった。
今シーズンの上野村、50cmとかいう化け物を筆頭に尺クラスを大量に放流し、その代わりに放流量は減らしているとのことだ。大型魚はやはり頭もいいのでスレるのも早い。特にまだ魚が固まっているこの時期、ヤマメたちはすでにスレスレになっているようだ。この分だとあっという間にいつもの釣れないC&Rになりそうな気もする。それはそれでまたおもしろいとは思うのだが・・・
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Posted by wind knot at 15:26│Comments(2)
│フライフィッシング
この記事へのコメント
こんばんは♪
満喫されましたね‼️ハコスチもヤマメもいい型、ナイスです‼️
満喫されましたね‼️ハコスチもヤマメもいい型、ナイスです‼️
Posted by farwater at 2023年03月06日 19:32
farwaterさん、こんばんは。
今年も3日間楽しませてもらいました。
渓流釣りとは趣が異なりますが大物の引きはやっぱりおもしろいです。
暖かくなったらキャンプに行きましょう!
今年も3日間楽しませてもらいました。
渓流釣りとは趣が異なりますが大物の引きはやっぱりおもしろいです。
暖かくなったらキャンプに行きましょう!
Posted by wind knot at 2023年03月06日 20:47