2024年04月01日
増水と濁りに苦戦

3月28日~29日の2日間、今シーズン2度目の釣行に上野村へ。
漁協のFBでは26日に雨で増水、濁りが入ったが川がリセットされたとあった。ライブカメラを見るとたしかに濁ってはいるが釣りにならないほどでもないようなので予定どおりに出発した。
ちょっとゆっくり目に出たのでヴィラ裏に着いたのは8時ちょうど。今シーズンは釣り人が少ないという情報だったがみんな思うところは同じなのかこの日はそこそこに釣り人が入っていた。
川の状況は情報どおり増水して濁りは入っているが釣りは十分できそうだった。
川がリセットされて魚の活性が上がっているのならこのくらいの濁りはむしろアドバンテージかもと思いながら支度をする。見た限り虫もライズも見えないのでルースニングで釣り始めたが、まったくあたりがでない。うーん、だめだねーと水温を計ってみると5℃ちょっとというところ。ここまでの道中、車の温度表示は3℃~4℃くらいで凍結注意のサインが何度も出ていた。それにしても5℃は低すぎだ。
濁りのせいでダメなら支流に入りなおすことも考えてはいたが低水温で、ということだとその選択もなさそうだ。魚影も見えず底べったりで動かないなら、流れの脇の緩流部はどうかと瀬を流してみたがやはり手ごたえはなかった。
そうこうしているうちに上流のポイントが空いたのでさっそく移動する。
本命ポイントは対岸の岩盤際だが水量が多く、手前の流れが強すぎて奥の流れにのせることがむずかしい。だいたい岩盤際の流れ自体が速すぎて流せたとしても食ってきそうにはなかった。
となると手前の深場か、足元の浅瀬にフライを入れすぐに逆メンディングをかけてインジケーター先行で流し込むように中央付近のゆるい流れをねらうことにする。
エアロドライウィングを束ねたお手製インジケーターは底波をとらえるとピッと立ち上がる。手前の反転流にラインが引かれてしまうとフライが先行してインジケーターが潜り込んでしまう。インジケーターがピッと立った状態でドリフトを続けることが肝になる。
いい感じで流れていたインジケーターがふと止まるような、もやッと沈むような動きをした。反転流の干渉との見極めが難しいが合わせるとグンと手ごたえがあった。
釣り始めて1時間、なんとかやっとのファーストヒットだった。このポイントに移ってからは意外と早くけりがついた。
さっそくストマックを採ってみるとなにやら白菜のきれっぱしのようなものと白っぽいイモムシ、同じような黒っぽいイモムシが目につく。あとはオナシカワゲラのニンフとガガンボのラーバが数体。大きな白イモムシもガガンボのラーバだと思うが小さくて細いウスバガガンボとはもちろん違う種類。
食われたフライはカワゲラニンフだが出てきた本物とはサイズも色も違うのでフライがあっていたというには微妙なところだ。前回の釣行時に出てきたカワゲラはクロカワゲラだったが今回はオナシカワゲラに代わっているようだった。

この円盤状のもの、ひらべったいカプセルの中にエビのような虫が収まっているようにも見える。たぶん初めて目にするのだが調べてみるとヒラタドロムシという水生甲虫の幼虫のようだ。名前も初めて聞くがおもに山地の渓流に生息するとあるので舞違いはなさそうだ。このヒラタドロムシといい大型のガガンボラーバといいふつうは見かけないものが食われているのは底石に張り付いていたのが増水で流されたのだろう。
2匹目は少し浅いところ、インジケーターがスーッと沈み込む明確なあたりだったと思う。
なかなかのサイズだなと思ったら31㎝あった。今シーズン初の尺だ。
今度もバラエティに富んだストマックだ、大小さまざまのガガンボラーバにオオヤマカワゲラ、オナシカワゲラのニンフ、ヒラタのニンフになにかの卵らしきものまで出てきた。
増水で川底が撹拌されて動かなくても食い放題なのかもしれない。1匹目のストマックをみてフライを大き目(といっても♯14くらいだが)のビーズヘッドニンフに替えておいて正解だったようだ。
3匹目は渓流ネットに収めるのにちょっとてこずった32㎝、尺が連発するとは思わなかった。
次は泣き尺だったが鼻のとがったきれいなヤマメだった。しかし、よかったのはここまででその後はぱったりとあたりが途絶えてしまった。
腹もへったのでいったん車に戻り、午後は下流のポイントに入りなおした。
水の動きがないプールはまったくだめだったが瀬に変わるあたりをしつこく攻めてやっときた。
インジケーター下を長めにしていたのでいっしゅん根がかりかと思ったが、ロッドを通じてグイグイとくる手ごたえを楽しませてくれた。
それほど大きくはないがよく太ったヤマメだ。薄皮1枚のフッキング。
この1匹を最後にヴィラ裏を離れて支流に向かった。午後になって水温も上がってきたから、沢ならドライフライでもいけるのではないかという期待があった。
沢に下りてみると水はやや高めかなと思えたが濁りもなく釣り始めてすぐ水底からフライを追う小さな魚影が見えた。
手のひらに乗る小さなヤマメだが、♯14のドライフライに果敢にアタックしてきた。このあともかわいいのが何度もフライをくわえようとしてきたがどれもフッキングはしなかった。
この日は夜から雨になり翌日は午前中いっぱい降り続く予報だった。なるべく早く上がってくれることを祈ったが、けっきょく昼近くなってようやく小ぶりに。
まずは宿のすぐ下の流れを試してみた。いつも数匹のヤマメに遊んでもらえるところだったがノーフィッシュ。昨日いった沢に向かったがかなりの増水で濁りも入っていて断念。
他の沢をめぐる気力もなくヴィラ裏に移動。人っ子一人いない川原についてフライを結びなおしていると雨が強くなって土砂降り状態に。幸い10分ほどで最後の雨雲が去ったようで今度はあっという間に青空が広がってきた。
流れのほうはやはり昨日より10~15㎝は増水していて濁りも強く、昨日は見えていた底石も見えなくなっていた。昨日と同じように大き目のフライを結び逆メンディングでフライを送り込んでいくが音沙汰なし。他にいい方策も思いつかないのでしつこくキャストを続けているとあたりが3回あった。
最後のあたりでは身をよじる良型の姿がはっきり確認できたが残念ながらフッキングはしなかった。2日目はタフコンディションの中とはいえ、まんまとボウズを食らってしまった。
今年は3月になってからやたらと寒くて雪が降ったり風が強かったりと天候が落ち着かず、出撃のチャンスを逃してきた。今回ももういいだろうと思ったが、どうも落ち着かない天候の最後に巡り合ってしまったようだ。これからも周期的に雨が降る予報だが気温は安定するようだ。落ち着いた釣り日和が続いてくれることを願うばかりだ。

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Posted by wind knot at 09:16│Comments(0)
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