2024年06月27日
ヤマメもイワナも激渋

アップがだいぶ遅れてしまったがちょうど1週間前の釣行、お気に入りのヤマメの溪へ。
梅雨入り前の不安定な天気、釣行前日の朝まで関東でもまとまった雨が降ったが、北部はさほどではなく予定地の水系は数センチの増水というところだった。
今回は1日目はヤマメねらい、近くのキャンプ場でバンガローに泊まって2日目はイワナの渓に入る予定だ。予報ではこの2日間だけが晴れマーク。
1日目の朝、林道は大きな水たまりだらけで運転には難儀したが、先行する車もなくかなり奥まで入ってみた。
川に下りてみると水はほぼ平水で、増水した痕跡も感じられなかった。増えた水がおさまってきたところ、という状況を期待したのだがそううまい具合にはいかない。水温は14℃+でウェットウェーディングの足元はひんやりして気持ちがいい。
フライは♯14から始めたかったのだが、まだ朝も早いので♯16を結ぶことにした。
釣り始めてほどなく木洩れ日が作り出す網目もようの開きで17~8㎝のヤマメがライズしたがフッキングはしなかった。そうそうの出会いなので悪い気はしなかった。うん、この調子でドンドン行こう。
しかし、ドンドン行ってみてもチビが突っつきにくるだけで針がかりしてくれるようなサイズがいっこうに出てこない。
川面を照らす木洩れ日は見ているだけで心が癒されるものだが、どうにもフライが見にくい。♯16でも食いきれないチビしか追ってこないのではフライを小さめにした意味もないなとサイズを♯14にあげる。
1時間以上がたってやっとまともな飛沫があがった。
18㎝ほどだが貴重な1匹、とりあえずボウズは回避できた。
昼休憩をすぎてポイントを移動してみたりしたが、相変わらず反応してくるのはチビばかりだった。
がんばってくわえたよ!という健気なチビ助。無理しなくていいからお兄ちゃんを連れて来てくれ。
日差しは強烈なのだが、幸い気温はそれほど高くなかった。これで暑かったらとっくにロッドを放り出しているところだ。
もうダメだ、早めにキャンプ場に向かおうかというころ、やっときてくれた。
小さいけれどきれいなヤマメだ。ありがとう、お前に会えただけで今日はもうじゅうぶんだ。
お世話になったキャンプ場は他に客もなく、100%貸し切り。管理人も帰ってしまうので周囲に人の気配すらない静かな夜を満喫できた。

朝飯を食ってコーヒーを飲んでいると向かいの森に朝日がさしてきた。快晴の空とオレンジがかった朝日が森の緑を照らし出す、なんとも美しい眺めだ。晴れた日のキャンプの朝ほど気持ちのいいものはないなと至福の時を楽しんだ。

2日目は2年ぶりに訪れたイワナの渓。林道を30分ばかり上ってえん堤上から入渓した。

下りてそうそう、いやなものを見つけてしまった。えん堤上のフラットな河原は砂地も多いので、念のために注意して見るようにしているのだが期待通り?の足跡だ。
今年も人里に出没するクマの話題にはことかかないが、ここは間違いなく彼らのテリトリー、出没する侵入者はこちらなのだ。
この日も入渓して間もなくフラットな瀬の開きでファーストヒット、かわいいイワナだがとりあえずはほっとする。だが、前日のように“最初だけ”ということもあるから油断はできない。
小さな落ち込みわきに浮かべたフライを石の陰からスーッと見にきた。まるで臭いでもかぐかのような素振りを見せただけでまた石の下に帰っていった。クマの足跡をみただけで気になるような人の足跡はみていないのだが、警戒はしているのか。
今度は落ち込みから次の落ち込みへ流れ出していく短いランの脇のたまりにいたのがフライを食った。一度は針がかりしたのだが下に落ちたところでフックアウト。20㎝ぐらいだったか、これはとりたかった。
次は流心脇の緩流部で出た、手のひらサイズだが鳥についばまれたような傷がある。こんな山の中で、カワガラスなどの鳥だろうか。イワナたちにとってここは決して楽園ではないのだ。
夏のような日差しがつくる木洩れ日は影とのコントラストが強烈でフライが見えにくい。スポットライトが当たった部分でイワナが動いたような気がしたが気のせいだったか
ここもごく小さな落ち込みからの複雑な流れ。石の前にいたイワナがフライを早業でくわえた。
ああ、やっとの2匹目だとイワナを落ち着かせようとしているとするりと指の間をすりぬけていった。20㎝弱だったけれどまあ元気がよかった、写真には残せなかったけれどしかたがない。
ランチ休憩でコーヒーを飲んでいるとロッドに白黒模様のチョウが泊まった。よく見かけるチョウなのでgoogleで調べてみるとミスジチョウという種類のようだ。
ロッドやリールにメイフライが泊ってくれたりするとフライフィッシャーにとっては格好の被写体になるが、チョウチョというのももちろん絵になる。
ちょっと小高くなった右岸の土手から流れを見下ろすと気になるスポットが並んでいる。右と左、どっちにいるだろうか、下流側からねらってみた。
プカプカと浮いているフライをめがけて石の陰から良型がスーッと寄ってきた。フライをつついたかと見えたところで思わずピックアップ、イワナは驚いたように石の陰にもどっていった。ああ、力が入りすぎた、もう一呼吸がまんすればしっかりくわえていたかもしれない、いつもこうだ~
がっくりと肩をおとしながら左のスポットを見つめる。右側にいたってことは左にはいない可能性が高いがひょっとするとってこともある。
ひょっとしてくれた。右側でミスったやつよりはだいぶ小ぶりになってしまったが、しっかり食ってくれた。捨てる神あれば拾う神だ、ありがとう。
さあ、この先で上がれそうなところがあればそこから退渓だなという時間、いかにもなポイントに出会った。ここはいそうだ。
落ち込みの水流に乗ってスーッと動いていくフライを泡の下から飛び出してきたイワナが追った。ヨシっ食った、アアー抜けた~
チクショー!思わず悪態をついてしまったが今のは8寸はあった。最後までついてない。期待に反してやや渇水気味な状況にイワナの警戒心が解かれることはなかった。
ヤマメもイワナも激渋の2日間だったが、2日目はそこそこの良型とのコンタクトもあった。貸し切りだったキャンプ場の静かさと次のリベンジへの期待も合わせれば楽しい釣行だった。

にほんブログ村
Posted by wind knot at 07:51│Comments(0)
│フライフィッシング