2022年05月21日
ゲリラ豪雨に無念の撤退

FWさんとは昨年末に飲んだ時から一度キャンプに行こうという話がでていた。昨今のキャンプブームでFWさんの(釣りとは別の)お仲間もキャンプを始めたりして、触発されたらしく、以前からキャンプ&フィッシングを楽しむ私にお誘いがかかったわけだ。とはいえ私も釣りとキャンプをするようになったのはたぶん15年ほど前だし、今でも年にそう何度もキャンプをするわけではない。今どきの色々とこだわったキャンプスタイルとは程遠いしょぼいキャンプだがそれでもいいとのことなので、ならば上野村にいってみようということになった。
ゴールデンウィークが明けた週末を予定していたのだが早々に雨の予報が出て1週間の延期。今週も予報は微妙なところだったがなんとかなるだろうと昨日と今日の1泊の計画で決行となった。
早朝、FWさんの自宅まで迎えにいって上野村を目指す。この時点で確認した天気予報では夕方に一時的に小雨がぱらつき明日は昼からの雨マークになっていた。まあ今日1日つりをしてキャンプと焚火を楽しむことはできそうだった。明日は降り始める前に撤収して早めに帰ろうということで、あとは釣りとFWさんが最近はじめたアマチュア無線の話で盛り上がった。
釣り場は中ノ沢毛ばり釣り場を予約してあった。先行者との競争を考えなくていい予約制の釣り場はやはり便利だ。予約の区間はB~E、ふたりで交互に釣り上がって昼ごろにC区にいればそのまま進んでA区の終点まで3時ごろには着くだろうとの見込みだった。釣れて釣れて進めない状況だとA区までは行けないかもしれないが、そんなことにはならないだろうというのが二人の一致した意見だった。
中ノ沢に入る前にキャンプ地のヴィラ裏に立ち寄った。ここで釣り支度をして一振りしてから川の駅に受付をしに行こうというわけだ。中ノ沢用の6X のティペットでは出ないかなと思ったが対岸のヨレで運よく1匹をキャッチ。
中ノ沢に到着、本谷は何度か行ったが、中ノ沢は初めてというFWさんに先行してもらってスタートする。果敢にもウェットウェーディングで渓に挑むFWさん。だがこの後、「つめたくて立ちこんでられない!」を連発。
ちょうど1か月前にここのF、G区を釣ったが増水気味で瀬からは反応がなく釣れたのは巻き返しばかりだった。今回はやや減水気味で瀬の流れは適水勢に見えたが反応は薄かった。最初のヒットは落ち込みを越えて振り返った反転流のポイントからで20㎝ほどのイワナだった。
ここで出なけりゃどこで出るんだ、というポイントも見にはくるけど口を使うところまでいってくれない。どうにもじれったい時間が過ぎる。FWさんもぜんぜん釣れそうな気がしないとぼやく。
FWさんが先行した後、流していない分流の奥の巻き、もう少し水が多かったら渡渉は無理でねらえないポイント。
岩陰からスーッと浮かんできた魚影がフライを吸い込んだ。落ち込みの強い流れをクリアできるかヒヤヒヤものだったがなんとか抜き上げるようにしてネットイン。尾びれの大きな28㎝のイワナだった。
30分後D区の終点、二代淵に着いた。私が先にロッドを振らせてもらうことになったが、本命の滝周辺をねらう前に手前の岩陰で定位するイワナを見つけた。緩やかな反転流に乗って頭は岸側を向いている。ごく浅場で昼寝でもしているようにボーっと動かないでいるが、こいつはフライが落ちたとたんにたぶん逃げるだろうなと思いつつキャスト。1投目はイワナの後方に着水したが逃げることもなく浮いたままだった。大丈夫かこいつと半信半疑ながら着水点を修正して第2投、こんどはイワナの鼻先50cmに落ちた。フライはイワナの鼻先に向かってゆっくりと流れ始める。
鼻先10㎝まで近づいたフライをフワッと浮上して飲み込んでくれた。ここまでナーバスな魚とのやり取りが続いていただけになんともあっけないほどのヒットだった。
本命の滝周りをFWさんがねらうが反応なし、念のため私もフライを浮かべてはみたが当然の空振り。
さらに進んで落ち込み脇の反転流をFWさんがしつこく攻める、ここは絶対にいるはずというポイントだったが音沙汰なし。ハーっとため息をつきつつ1段上がって今の反転流を上から眺めるとなんと真っ黒な魚影が浮いている。「見えてる見えてる、浮いてきてるよ!」とFWさんに声をかけた。
ライズまで始めた黒い魚影をFWさんが上からねらう。1投目で大きな飛沫が上がった。よっしゃ、やった!と思った瞬間、FWさんが天を仰いだ。
世の中にこれ以上の痛恨はないというFWさんだった。
見返りイワナの痛恨を引きずるFWさんになんとか釣ってもらおうとするがなかなかうまくはいかないままB区の終点、トンネルえん堤に。
トンネルえん堤より1段下の小えん堤でまずまずのイワナをキャッチ。
トンネルえん堤は昔に比べるとずいぶんと浅くなった流れだが、トンネルからの流れだしに沿って数匹の魚が浮いている。さらにトンネルの左側、えん堤壁に張り付くようにライズしている魚も見える。FWさん渾身のキャストが続くが、どうやらヤマメらしいその魚影たちはFWさんのフライをまったく無視している。
交代して私もフライを流してみたがやはり無視される。これはフライが大きすぎるんだとFWさんにフライを♯18にしてティペットも細くしたほうがいいとアドバイス。FWさんはそんな小さなフライは持っていないというのでとりあえず私の♯18を渡してティペットは6Xのままキャストしてもらうが反応してくれない。今度は私がティペットも8Xに落として♯18のフライをプレゼントした。
数投目で瀬の脇から寄ってきたヤマメがフライをくわえた。よし、作戦成功だと寄せにかかったが予想以上にヤマメの引きが強い。8Xじゃ無理できないとテンションをゆるめた瞬間、頭を振られたのかフックアウト、今度は私が天を仰いだ。
気を取り直してトンネルの中にまで飛ばしたフライがトンネルを出てきたところで壁に張り付いていたヤマメがフライに飛びついたが見事にすっぽ抜け。
その後はフライに関心を示すヤマメはいなくなった。フライサイズをさらに下げればなんとかなるかとも思ったが、もうフライを結び替える気力は残っていなかった。
えん堤を巻いて最後のA区はよさそうなポイントを拾いながら遡上していったが私が小ぶりのヤマメを釣っただけでついにFWさんは”ボ”のまま終了、ぼやくことしきりだった。
まあ、こうなったら早くテントを設営してビールを飲もうと車にもどり釣り支度を解くころ雨がポツポツと落ちてきた。予報より早いんじゃないの?と不安になる。川の駅へと車を走らせるうちに雨はどんどん大粒になりやがて土砂降りに。
川の駅に着いて駐車許可証を返そうにも外に出た瞬間ずぶぬれになりそうな雨にしばらくは車の中で雨宿りを決め込んだ。スマホで天気予報を見るとこの雨は7時ごろにはいったん上がるようだったが、明日はまるまる1日中の雨予報となっていた。これで二人とも戦意喪失、どうする?帰る?かえりましょう、ということになって無念の撤退を決意するしかなかった。
車を出す前に双方とも奥方に予定変更の連絡をした。私は電話で帰ることを伝えると「ごはんの支度してないからね、たいしたもんつくれないよ」の返事。FWさんに伝えると「ぜんぜんいいほうですよ、うちなんか作ってくれないと思うよ」
FWさんに返ってきたLINEは「帰ってくるならご飯はてきとうに買ってきてね」ふたりとも大爆笑で帰路についた。

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Posted by wind knot at 22:19│Comments(2)
│フライフィッシング
この記事へのコメント
おはようございます。
一昨日は大変お世話になりました。色々とありがとうございました。
釣り『ボ』、楽しみにしていたキャンプなしのダメダメな1日でしたが、久々のwindknotさんとの釣行はとても楽しく会話が弾みました!キャンプでの酔っぱらいknotさんが見られなかったのが残念ですが(笑、ぜひ釣り&キャンプのリベンジをお願いいたします。
一昨日は大変お世話になりました。色々とありがとうございました。
釣り『ボ』、楽しみにしていたキャンプなしのダメダメな1日でしたが、久々のwindknotさんとの釣行はとても楽しく会話が弾みました!キャンプでの酔っぱらいknotさんが見られなかったのが残念ですが(笑、ぜひ釣り&キャンプのリベンジをお願いいたします。
Posted by farwater at 2022年05月22日 08:46
farwaterさん、一昨日はありがとうございました。
返す返すもあの痛恨の見返りイワナは残念でした。
梅雨入り前のいい季節なはずなのに今年は天気が安定してくれませんね。
来月中にもぜひリベンジに行きましょう。今度こそいい天気に恵まれますように!
返す返すもあの痛恨の見返りイワナは残念でした。
梅雨入り前のいい季節なはずなのに今年は天気が安定してくれませんね。
来月中にもぜひリベンジに行きましょう。今度こそいい天気に恵まれますように!
Posted by wind knot
at 2022年05月22日 09:08
