2019年03月31日
ないと困るもの・あると便利なもの
しばらく釣りに行けないでいるのでボーっと過ごしている。見るともなしに壁に吊るしてあるウェーダーを眺めていて思ったことがあった。
両方ともリトルプレゼンツのウェーダーだが左側はフロントに防水ジッパーがついたタイプ、右のは普通のチェストハイウェーダーだ。釣り場で会ったフライマンがフロントジップタイプのウェーダーを着ていて使い勝手を聞いたところ「とてもいい、便利!」だというので欲しくなって昨年購入した。昨シーズン使ってみてたしかに便利だとは思ったのだが普通のタイプとの価格差ほどの便利さなのかというと正直なところ「ウーム」とうなってしまう。
普通のチェストハイウェーダーが現在ナチュラムさんで税込み20,088円、これはこの製品のパフォーマンスからいって非常に良心的な価格だと思える。一方のフロントジッパータイプは現在入荷待ちとのことでナチュラムさんでは価格も表示されていないが、私が購入した時点では税込み36,741円だった。買う時もかなり迷ったのは覚えている。ものは試しで一度つかってみようと買ったのだった。
このフロントジッパーはもちろん男子が小用を足す際に使うものでたしかに便利ではある。そのため以外にもウエーダーの脱ぎ着もしやすいという利点もある。だがそのための機能がプラス17,000円ほどの価格差として納得できるかというとはっきりいってそれはちょっとね、と言いたくなる。
私の場合年間でだいたい50日前後の釣行日数になり、そのうち真夏の何日かはウエットウェーディングになるのでウェーダーを使う日数は40日ほど。2本のウェーダーを交互に使うようにしているので1本あたりで言えば年に20日ほど使っているはずだ。それで寿命は2年から2年半ほどだろうか。つまりほぼ毎年新しいウェーダーを買うことになるのでそうなるとたかがおし〇〇のために倍近い価格のものを買うわけにはいかないというのが本音だ。
とまあ、そんなことを思ったりしたのだ。ちなみにこのブログをご覧の諸兄が小用の際にどうされているかはわからないが、ウェーダーのサスペンダーに付いているロックというのはだいたいが互い違いになっていて小用の際にはこれをあごの下でロックしておくと終わった後にさっと元に戻せるということになっている。だが私のような昭和胴長体形の人間はウェーダーを必要なだけずり下げるとあご下でロックされたサスペンダーが後ろに引かれて首をしめられてしまう。出そうなおし〇〇も引っ込んでしまいそうだ。
引っ込むならまだましで、している最中にもう一段ウェーダーを引き下げたら首がしめられてあわてて今度はあごのロックを引き下げた。すると当然その反動としてウェーダーが引き上げられてそれはもう大変なことになったこともある(どう大変だったかは想像にお任せするが)。
そこで私の現在のやり方はサスペンダーをあご下ではなく首の後ろでロックするというものだ。首の後ろでロックしたらそのまま背中にずり落ちてしまいそうだが、実際にはバックパックやベスト、ジャケットなどに引っかかってロック部分は首の後ろに止まっていてくれる。これならベルトやチェストパックなど最低限のものを外すだけでことが足せるのだ。これに気付いたのはフロントジッパータイプのウェーダーを購入した後だったのが今から思うと残念でならない。
ロッド、リール、フライのようにそれがなければフライフィッシングが成立しないというわけではないが、ウェーダーは渓流のフライフィッシングにおいてはないと困るもの、ウェーダーのフロントジッパーはあれば便利だがこれはなくても困りはしないものだ。フライフィッシングをやるについては色々と特殊な道具も多くてそのほとんどは「ないと困るもの」だ。「あると便利なもの」はありそうでそんなにはない、ともいえるのだが、これは人によっても違うだろう。
ひまに任せて「あると便利なもの」をいくつか並べてみた。
これはフライフィッシングの現場で使うものではなくてウエーダーつながりでちょっと紹介してみたいもの。ワイシャツをクリーニングに出すとこれにかけられて帰ってくるワイシャツハンガーというようなものだ。これが実はウエーダーを吊るしておくのにとても便利なのだ。
他社のものはわからないがリトプレのウェーダーはグラベルガードのフロント部にシューレースに引っ掛けるためのフックがついているのでこのフックをワイシャツハンガーの左右のループに引っ掛けると、これってウェーダーハンガーとして作られているんじゃないかと思うくらい具合がいい。
ウェーダー内部はしっかり乾燥させておいたほうが持ちがよくなるようだし、たたんだり丸めて保管するよりも伸ばして吊るしておくほうが接着部の劣化を防ぐのではないかとも思う。そういえばうちにもあったな、という方はぜひ試してみてください。
こちらはメジャー、非接触型の水温計、ストマックポンプとシャーレ、みなさんすでにお持ちの品かとも思うがこれらは私も必ず釣りには持っていくがかといって必ず使うかというとそうでもない。メジャーはなくても困るわけではないがあれば便利だし、めったにない尺ものにお眼にかかれたときは「ないと困った」ことになるかもしれない。私が使っているのは無印良品のものだが、シンプルなデザインがいいのに加え、金属部品が少ないせいか錆びたりするトラブルもなく重宝している。水温計はアルコールが入った昔ながらのもののほうが信頼できるという人もいるだろうし、水温なんて手の感覚でわかるって人も多いだろうが、ボタン一発で水温が表示されるいまどきのものはたしかに便利だ。春先は特にちょっと見たくなるストマック。シャーレはストマックポンプとセットで売られているものは少し大きすぎてかさばるのでホームセンターで買った小物ケースのフタを使っている。
以前このブログで紹介したこともあるミシン針、リーダー・ティペットのトラブル時にはこれは「あると便利」というより「ないと困るもの」だ。ただし持ち歩くときにどこにしまっておくかが問題になる。前は持ち手の部分にひもをつけたりしてフライボックスに入れておいたりしたのだがいつの間にか紛失してしまうことが多かった。
今はティペットくずを巻き付けておくEVAのブロックに刺している。これだと抜け落ちるすることはないし、針先で思わぬけがをする心配もない。ティペットくずを巻き付けるEVAブロックは自分で作ったものでこれはなくても困るわけではないがミシン針を刺しておくためには「ないと困るもの」に昇格したともいえそうだ。
一緒に写っているのは予備のネットホルダーと野生動物除けのホイッスル。マグネットタイプのネットホルダーは何度かマグネットがすっぽ抜けて難儀したことがあり、今は予備をぶら下げている。ないと困るものはそれが壊れたり紛失したりしたときのことも考えておいたほうがいいのだ。
手の甲の部分だけをおおうタイプのグローブ。手の全体をおおうグローブは釣りには使えないと思うが、指先だけをカットしたものもロッドを握る感覚が違うものなってしまって使いにくい。そこへいくとこの甲だけをおおうタイプは手指の感覚をそこなうことがないので使いやすい。指も手のひらも露出したままでは保温性がないのではないかと思ったが意外とあたたかくて今では「あると便利」より「ないと困る」に近くなっている。
ラインカッター、フライドライヤー、フォーセップは「ないと困る」もののようだがいずれも他のもので代用が効くものだ。そういう意味では「あれば便利」なものともいえるかもしれない。どれもフライ専門店で買うとけっこうなお値段がするので他のもの、はさみやティッシュなどで代用している人もけっこういるのではないかとも思う。
フォーセップは餌釣りで使う針外しやルアーで使うプライヤーでも機能的には問題がないようにも思うが、外科医が使う医療器具を釣りの道具として使っていることについて興味を惹かれる。この道具が「命を救う」という理念を共有しているような気がしていかにもフライフィッシング的だなと思ってしまうのだ。キャッチアンドリリース、釣れた魚を大切にふたたび水に返すという、おそらくフライマンにとっては当たり前の規律を体現する道具としてフォーセップがあるのではないか。だとすればフォーセップというものはフライフィッシングにとっては釣りの最後をしめくくる、「ないと困る」ものであることになる。
これはおまけのようなものだが日釣り券などを入れるためのケース、100円ショップでネームカード入れなどとして売っているものだ。細い針金で止めておくような日釣り券というのはなんだかあまり見かけがかっこいいものではないがこういうケースにいれておくとちょっとはスマートにみえるのではないかと思っている。

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Posted by wind knot at 22:22│Comments(0)
│フライフィッシング