2019年03月17日
強風に泣かされた

13日(水)、14日(木)と先週に続いて上野村に行ってきた。天気はまずまずの予報だったが、風が強まりそうなのが気になった。そして予報通り、というよりも予報以上の強風に泣かされた釣行になった。
1日目はヴィラ裏のC&R区間に入った。風がそれほどでもなければライズに出会えるのではないかと期待していた。朝9時前に川に着いた。すでに3人の釣り人がロッドを振っていた。いつものライズポイントを眺めるがライズはない。浮いている魚影も見えない。この時間ではまだ早いかと思ったが、風が出てくればライズに会える可能性はほとんどなくなる。
まずは#18のメイフライを結びブラインドで瀬尻や流心の向こう側などを探ってみたがまったく反応はなかった。しばらくしてライズポイントに戻ってみると瀬尻の緩い流れにポツリと波紋が広がった。まとまった流下があって捕食のスイッチが入ったわけではない。フライを浮かべると何度かヤマメがフライを見にくるが口を使うまではいかない。そのうちにだんだん風が強くなってきた。はじめは見えなかった魚影が少しずつ浮き上がってきたかと思ったが、水面にちりめんのような波が立つとヤマメたちはまた沈んでしまうようだった。
となりでロッドを振っていたひとも「まるきり釣れそうな気がしない」とあきらめ顔だった。
また上流のプールに移動した。よさそうなポイントでは3人のフライマンがロッドを振っていた。
その下の瀬尻、対岸のほとんど肩に近いあたりにフライを浮かべるとヤマメの鼻づらが水面を割った。口に入らなかったか、すっぽ抜けてしまったが初めての明確な反応だった。やる気のある魚がいるとなればこちらのやる気も増してくる。もう一度より慎重にロッドを振った。めざすポイントまでの間にはいくつもの筋があってそれを越えてドラッグフリーでフライを流す。手前の流れにラインを引っ張られるのでそう簡単にはいかなかった。何度目かのトライでフライがきれいに流れをトレースした。
釣り始めてからすでに2時間半ちかくたってやっとの1匹だった。
同じ場所の少し上の流れでもう1匹追加できた。
2匹とも8寸ほどのヤマメだった。そしていよいよ風が強くなってきた。ライズへの期待は空しくしぼんでしまったのでここで川を離れることにした。福寿庵であたたかいそばでもと思ったがあいにく定休日だったのでその上のレストランヒロで食事をとった。ここは年券を見せるとドリンクをサービスしてくれる。上野村漁協の年券サービス、なかなかどうして年間をとおして使うとけっこうなお得感になる。
さて、午後はどうしたものかと食事をしながら考えて、この強風のなかでC&Rでねばってもほとんど釣果は期待できないだろうから支流でも探索してみることにした。
もぐりこんでみた支流は風の影響はさすがにC&R区ほどではないとはいえ気温は低いしどうも釣れそうな気配はなかった。水量はちょうどよさそうだったがC&Rで7℃あった水温もここは5℃しかなかった、やはり難しいか。それでも森の中の流れはそこに立っているだけで心が自然に安らぐ、もう釣果のことはどうでもいい気がしてくる。
入ってすぐのところで一度ヤマメらしき魚影を見かけてから魚の気配はなかった。もう戻ろうかと思ったころ目の前の石と石の間で魚が飛び上がった。いたんだ、しかもいいサイズだった。だが何度フライを流してもふたたびあの魚が姿を見せることはなかった。風に舞い上げられた落ち葉の流下が半端でなくなってきた。もういいだろうと川沿いの登山道を下ることにした。この日は早めにヴィラせせらぎにチェックイン。
翌朝、空は晴れていて放射冷却のせいだろう気温は0℃を下回るようだった。風も昨日ほどではないがまだ吹いている。2日目は川の駅の特設釣り場を予約してあった。今回は「ア」区に入る。
「ア」区に入ってすぐの岸際の人工的なプール、昨年はここでけっこうな数のヤマメを釣ったが今回はヤマメの群れはいなかった。ポツポツとライズもしているのだがフライには反応しなかった。
水温は5℃、風もあるしこれまで冬季釣り場のときでもこの区間ではあまりいい思いをしたことがなかったのでシビアな釣りになりそうだった。
最初の魚は今回もニジマスだった。平坦な瀬の瀬尻に近いところでフライをくわえた。
1匹目が釣れてから1時間以上、魚からの音さたのない時間が過ぎて少し焦り始めたころ石の間に流れが絞られるところでヤマメがゆっくりとフライを迎えにきた。食ったかに見えたが口には入っていなかった。なにしろ久しぶりのあたりで気がせいた、痛恨の早合わせだ。触ってはいなかったようにも思えたがもう2度目はないのはわかっていた。それでもあきらめきれずにフライを流していると流れ切ったあたりでガバっと来た。
2匹目のニジマスだった。捨てる神あればなんとやらだが、とにかく釣れてくれてありがとうだった。
そのあとかわいいひれピンがかかった。この日さいしょのヤマメだ。
大岩の間の水深のある場所に魚がたまっていた。魚たちは沈んでいてとてもドライフライには反応しそうになかったのでニンフを沈めることにした。ニジマスが多いがヤマメの姿もちらほらと見えている。ここは誰もが沈めて粘る場所なのだろう、フライをとっかえひっかえしてみるが魚たちは巧妙にフライをよける。最後にダメもとで蛍光ピンクのフライを流してみたところマーカーがぐんと引き込まれた。
流したフライがフライなのでてっきりニジマスだと思ったら尺にちょっと欠けるヤマメだった。この後ヤマメが釣れるかどうかわからないのでていねいに写真を撮ることにした。
1時からのフリー時間は「ウ」区に戻ることにした。ライズがあればねらってみたかった。
「ウ」の広いプールでもめぼしいライズは見当たらなかった。ひとつ下の落ち込みをねらっているフライマンがいた。目を凝らしているとあちこちで時間をおいて単発ライズがあるようだった。ライズしたポイントにフライを流しても反応はない。元気のいいのが動き回っているのか、定位している魚が気まぐれにライズするのかわからなかった。ごくたまに浮いてくる魚もフッキングにはいたらなかった。
ライズを探しながら一服していると少し上の対岸よりの流れでライズが繰り返されるようになった。なにかがまとまって流下しているのかもしれなかった。
しんちょうにウエーディングして間合いを詰める。ライズは瀬の上中下、かなりな区間で起きていた。ハッチしている虫は見えないがユスリカかあるいはシャックか流れてきているのは間違いなさそうだった。フライはひとつサイズを落として#20に結び替えた。
1投目、出たが乗らない。やる気はある、ポイントをずらして別の魚にアプローチする。出た、ドルフィンライズでフライを飲み込んだ。
それほど大きくはないがヒレもきれいなナイスボディ、年越しのヤマメのようだった。ライズを見つけてドリフトもねらい通りに決まっていかにもヤマメらしいアタック、最高の瞬間だった。
この流れで5匹のヤマメを釣った。
上流で風が吹いたのか落ち葉の流下がひどくなると同時にライズが途絶えた。しばらくして落ち葉は流れてこなくなったがライズは回復しなかった。捕食物の流下も止んでしまったようだった。釣るのに夢中でストマックも見なかったが何を食っているのか見ておけばよかったと後悔した。
1日目は強風に泣いてあわやボウズかというところだったがなんとか2匹のヤマメに救われた。2日目も特設釣り場にしてはシビアな釣りだったが最後に元気なヤマメたちに遊んでもらうことができて「楽しい釣り」の余韻を残すことができた。

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Posted by wind knot at 13:24│Comments(0)
│フライフィッシング