2018年11月14日
タイイング用の接着剤

フライのタイイングでヘッドのフィニッシュにいわゆるヘッドセメントをちょっと滴下しておく。必ずやる、という人もいるだろうけれど私の場合はあまりやらない。ヘッド部のフィニッシュはウィップフィニッシャーを使うことが多いからで、ウィップフィニッシュを2~3回もやっておけばヘッドセメントを塗らなくてもスレッドがほどけてくることはまずない。ただ、パラシュートフライを巻く場合はハーフヒッチでフィニッシュすることになるのでこの場合だけはヘッドセメントが必要になる。パラシュートタイプのフライも無理すればウィップフィニッシュもできないこともないがハックルをむりやり後方になでつけておいてスレッドを回転させるので終わった後の型崩れがちょっと気になる。無理せずにハーフヒッチで始末したほうがきれいに出来上がるように思っている。
フライを始めたころは「ヘッドセメント」として販売されていたものを買って使っていた。その頃は律義に必ずヘッドにはセメントを塗っていた。タイイングの教本には最後にヘッドセメントを塗る、と書かれていてそういうものだと思っていた。まだウィップフィニッシュなんて始末の仕方は知らずにハーフヒッチでフィニッシュすることしかできなかった。だんだん慣れてきてフライの仕上げもウィップフィニッシャーを使うようになってくるとヘッドセメントは塗らなくてもいいという雑誌などの紹介記事を見て塗らずに済ませるようになった。
そんなわけでヘッドセメント=タイイング用の接着剤についてはあまり出番がないのだがフライフィッシングをやっているとタイイング以外にもなにかと接着剤のお世話になることが多い。ちょっとしたタックルやツールの補修、マテリアルの補強などいろいろある。かといってそんなにしょっちゅう使うわけでもない。そうすると接着剤というのは使わなくても開封してしまったものは時間とともに硬化してしまうので使用量はすこしでもすぐに使い物にならなくなってしまうのだ。昔のヘッドセメントというのは接着剤といってもニスのようなもので乾いても白っぽくはならないが強度はそんなになかったように思う。瞬接じゃないから硬化するまで時間がかかるがその分なが持ちした。シンナーのような薄め液なんてものもあって液がとろっとしてきても薄めればもとにもどる。今ではフライ専用のヘッドセメントよりも汎用的な瞬間接着剤をヘッドセメントとして使っている人のほうが多いんじゃないかとも思うが”瞬接”というのは使わなくても硬化しやすく「少しずつ長い期間に使う」のにはどうも向いていないような気がする。”瞬接”の薄め液なんてものがあればいいのだが、容器の形状からしても薄め液というのはありえそうにない。

この Super NEW GLUE という接着剤はその点、開封後の持ちがいいような気がして気に入っている。数年前に志木のマルイにあったユザワヤで見つけて何回か購入していたのだがユザワヤが撤退してからは手に入らなかった。ネットでも調べたのだが、販売しているところが見つからなかった。海外のサイトでは購入可能だったが、これをわざわざ海外から取り寄せるのもなんだかなー、と思って手が出なかった。それがこの前、ひさびさにネットで探してみたら見つかったので、すぐに購入した。ビーズ手芸の専門ショップで販売されている。ビーズ手芸用というのもごく小量ずつ何度にも分けて使うだろうから開封後の硬化速度が遅いというのは必要な条件なのだろう。価格は700円ほどとけっこうなお値段がするが、開封後の持ちがいいことに加えて硬化後に白化しないこと、耐水性もあるのでフライに使うには適していると思っている。
タイイングに使うときはプラ板(色々なもののパッケージなどから切り出す)に小量を滴下しておいてボドキンなどを使って塗布する。プラ板にのせた接着剤は1時間くらいは固まらずにいてくれる。

にほんブログ村