2022年12月05日
上野村で試したフライ
先日の上野村ハコスチ釣行では新作フライがいい結果を出してくれた。まあ新作フライとわざわざいうほどのものでもないのだが、私にとってはありそうで持っていなかったフライだったので結果が出せたことはうれしいことだった。
当日のフライパッチに残っていたフライ、この他に右上のタイプが2本とその左隣のピューパを1本、切られている。切られてしまった3本のフライはランディングには至らなかったがヒットしたフライということになる。ランディングに持ち込めた5匹はどうだったかというと、ちょっと記憶があいまいなところもあるが、すべて右上のタイプのフライで釣れた。実になんていうこともないフライではあるがこれが今回はじめて巻いていったフライ。
左側の2列はほとんど見向きもされない、というよりあからさまに避けられたフライ。右から2列目は反応はあってもなかなかフッキングにまで持ち込めなかった。管釣り仕様のアトラクターフライよりナチュラルな渓流タイプのフライのほうが受け入れられやすかったがはっきりしたシルエットに対しては警戒心が解けきれなかったという印象だ。
これは最後の1匹を釣ったフライでサイズは♯16(river peak F120B)。
上野村で冬季のハコスチ釣りが始まったのは2015年からで、このころは釣り人もまだそんなに多くはなくてオープン直後でもゆっくり釣りができた。今はそれこそたいへんな混雑でオープンからしばらくたって釣り人が少し減ったころでないと出かける気になれない。
ハコスチ釣りがはじまったころは放流のニジマスだからと、だいたい管釣り仕様の蛍光カラーのバグフライを使っていた。今でもオープンからしばらくはエッグとかマラブーなどの管釣り用アトラクターフライを使っている人が多いのではないかと思う。ところが11月に入って釣り場が落ち着くころにはさんざんいじめられた魚たちは蛍光カラーのフライを見ると明らかに避けるようになる。また、蛍光カラーにかぎらず全般に大きなフライは嫌われる傾向が強くなってくる。
そうすると今まで#14で釣っていたのを♯16とか#18にサイズダウンしなければ釣れなくなってくる。場合によっては♯20ぐらいまで落として様子をうかがうなんてこともある。こうなると3月の渓流解禁当初のヤマメ釣りと変わらない釣り方だ。♯18とか#20のユスリカピューパやカワゲラニンフを流すとなるとティペットは7X、8Xを使うことになるが、ヤマメ相手ならいざしらず40㎝を越えるハコスチが相手となるとヒットはしてもランディングまで持っていくのはかなり厳しくなる。できることならフライサイズは♯16、ティペットは6Xぐらいでなんとかしたいのだ。
我が家の近所の朝霞ガーデンにもオフシーズンには時々出かけるが私の定番はエボレスフライ。サイズは♯16でカラーは各色だが白とかクリームのあたりがよかった。ところがその白もクリームも廃版になってしまってエボレスに代わるマテリアルを色々と試してみた。アクリル毛糸 のファイバーを少し刈り込んだものとか、ウールの毛糸をほぐしてツイストハックリングしたパターンなどがエボレス並とはいかないまでもそこそこの反応が得られていた。ハコスチも蛍光カラーは嫌うとしても白っぽいフワッとしたファジーなフライなら反応してくれるのではないかと朝霞フライを使ってみたところこれまで何度かヒットさせることができた。
とはいえ、安定した釣果を得るには程遠かったのでさらに新たなマテリアルとして試してみたのがアフターシャフトフェザーだ。アフターシャフトというのはパートリッジなどのボディフェザーの裏側に生えている小さなフェザーだが、フライマテリアルとして紹介されているのはあまり見たことがない。アフターシャフトという名前も今回、色々調べてみて鳥の羽の構造を図解した海外のサイトでやっと見つけた。そこから aftershaft fly で検索してみるとけっこう出てくる。ニンフのギルに使われていることが多いようだった。
これはかなり前から巻いているニンフでギルというかレッグというかソラックスにアフターシャフトを2回転ほどさせたパターン。アフターシャフトなんていう名前も知らないし、ギルとして巻いている認識もなかった。海外サイトで紹介されているパターンではソラックスではなくてアブドメンにギルとして取り付けているもののほうが多かった。
パートリッジのフェザー、ふつうは先端ちかくのファイバーをソフトハックルとして巻くことが多いのだと思う。
アフターシャフトというのは囲った部分に生えている小さな羽、日本語では後羽(あとばね、ごう)と呼ぶらしい。これが大きくなって生え変わるのかと思ったが、そうではなくて保温性を高めるために生えているものらしい。
スレッドで下巻きをしたフックにアフターシャフトフェザーをそのまま巻いただけのニンフ。フックはVARIVAS のWB2120-♯20。
話はちょっとそれるのだが↑の写真はVARIVAS で上から2枚目の写真のティペットのついたフライはriver peak のフックに巻いている。VARIVAS は細軸のドライフライ用フックでriver peak のは太軸のニンフ用フックだ。
できれば6Xのティペットに結んでもあまり違和感のでない#16~18ぐらいのフライを使いたいわけだが、メーカーと型番によってフックの大きさはかなり違う。写真のようにF120Bの♯16と2120WBの♯20は番手が2段階ちがうがほぼ同じ大きさだ。私がイメージしているハコスチ用の♯16はriver peak のほうで、2120WBを使う場合は♯20に巻くことにしている。2120WBはごく軽量なのでフライパターンにもよるがこのフライのように抵抗の大きいフライの場合はワイヤーを若干巻き込んで沈下を速めるようにしている。なぜわざわざ2120WBを使うかというとフックポイントのシャープさが魅力だからだが、今のところ違いを実感できるほどの実績は積み重ねていない。
1枚目の写真で右下のフライは20210WB-♯20に巻いてあるがフックが開いてしまっている。1X~2XFine という細軸の弱点ではあるが、太軸のF120B-♯16のほうは折れてしまったこともあるので、いずれにしても45㎝を越えてくるハコスチのパワーはフックの性能を上回る場合があるということだ。
とりあえず先日の釣行で、フライのサイズ感と質感がある程度はハコスチに受け入れられたのと、6Xティペットとの相性もいいことが分かったのは収穫だった。♯20のフライに6Xのティペットだと太すぎるんじゃないかという先入観が先に立つが、上記のように実サイズとの比較でとらえるべきで表記にこだわりすぎないほうがいいことも改めて実感した。
このフライのアピールポイントは、全体のモワッとしたファジー感、合成素材にはない自然由来の質感・色調、柔らかい羽毛のゆらぎというところだろうか。シルエット=あいまい>かっちり、カラー=淡い>濃い、サイズ=#16以下、が私なりのフライ選択のキーワードだが、ハコスチに聞いたらナニソレまったくわかってないじゃん、とかいわれそうだ。年内にできたらもう一度ためしにいきたいが、今度は洟もひっかけてもらえないかもしれない。
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当日のフライパッチに残っていたフライ、この他に右上のタイプが2本とその左隣のピューパを1本、切られている。切られてしまった3本のフライはランディングには至らなかったがヒットしたフライということになる。ランディングに持ち込めた5匹はどうだったかというと、ちょっと記憶があいまいなところもあるが、すべて右上のタイプのフライで釣れた。実になんていうこともないフライではあるがこれが今回はじめて巻いていったフライ。
左側の2列はほとんど見向きもされない、というよりあからさまに避けられたフライ。右から2列目は反応はあってもなかなかフッキングにまで持ち込めなかった。管釣り仕様のアトラクターフライよりナチュラルな渓流タイプのフライのほうが受け入れられやすかったがはっきりしたシルエットに対しては警戒心が解けきれなかったという印象だ。
これは最後の1匹を釣ったフライでサイズは♯16(river peak F120B)。
上野村で冬季のハコスチ釣りが始まったのは2015年からで、このころは釣り人もまだそんなに多くはなくてオープン直後でもゆっくり釣りができた。今はそれこそたいへんな混雑でオープンからしばらくたって釣り人が少し減ったころでないと出かける気になれない。
ハコスチ釣りがはじまったころは放流のニジマスだからと、だいたい管釣り仕様の蛍光カラーのバグフライを使っていた。今でもオープンからしばらくはエッグとかマラブーなどの管釣り用アトラクターフライを使っている人が多いのではないかと思う。ところが11月に入って釣り場が落ち着くころにはさんざんいじめられた魚たちは蛍光カラーのフライを見ると明らかに避けるようになる。また、蛍光カラーにかぎらず全般に大きなフライは嫌われる傾向が強くなってくる。
そうすると今まで#14で釣っていたのを♯16とか#18にサイズダウンしなければ釣れなくなってくる。場合によっては♯20ぐらいまで落として様子をうかがうなんてこともある。こうなると3月の渓流解禁当初のヤマメ釣りと変わらない釣り方だ。♯18とか#20のユスリカピューパやカワゲラニンフを流すとなるとティペットは7X、8Xを使うことになるが、ヤマメ相手ならいざしらず40㎝を越えるハコスチが相手となるとヒットはしてもランディングまで持っていくのはかなり厳しくなる。できることならフライサイズは♯16、ティペットは6Xぐらいでなんとかしたいのだ。
我が家の近所の朝霞ガーデンにもオフシーズンには時々出かけるが私の定番はエボレスフライ。サイズは♯16でカラーは各色だが白とかクリームのあたりがよかった。ところがその白もクリームも廃版になってしまってエボレスに代わるマテリアルを色々と試してみた。アクリル毛糸 のファイバーを少し刈り込んだものとか、ウールの毛糸をほぐしてツイストハックリングしたパターンなどがエボレス並とはいかないまでもそこそこの反応が得られていた。ハコスチも蛍光カラーは嫌うとしても白っぽいフワッとしたファジーなフライなら反応してくれるのではないかと朝霞フライを使ってみたところこれまで何度かヒットさせることができた。
とはいえ、安定した釣果を得るには程遠かったのでさらに新たなマテリアルとして試してみたのがアフターシャフトフェザーだ。アフターシャフトというのはパートリッジなどのボディフェザーの裏側に生えている小さなフェザーだが、フライマテリアルとして紹介されているのはあまり見たことがない。アフターシャフトという名前も今回、色々調べてみて鳥の羽の構造を図解した海外のサイトでやっと見つけた。そこから aftershaft fly で検索してみるとけっこう出てくる。ニンフのギルに使われていることが多いようだった。
これはかなり前から巻いているニンフでギルというかレッグというかソラックスにアフターシャフトを2回転ほどさせたパターン。アフターシャフトなんていう名前も知らないし、ギルとして巻いている認識もなかった。海外サイトで紹介されているパターンではソラックスではなくてアブドメンにギルとして取り付けているもののほうが多かった。
パートリッジのフェザー、ふつうは先端ちかくのファイバーをソフトハックルとして巻くことが多いのだと思う。
アフターシャフトというのは囲った部分に生えている小さな羽、日本語では後羽(あとばね、ごう)と呼ぶらしい。これが大きくなって生え変わるのかと思ったが、そうではなくて保温性を高めるために生えているものらしい。
スレッドで下巻きをしたフックにアフターシャフトフェザーをそのまま巻いただけのニンフ。フックはVARIVAS のWB2120-♯20。
話はちょっとそれるのだが↑の写真はVARIVAS で上から2枚目の写真のティペットのついたフライはriver peak のフックに巻いている。VARIVAS は細軸のドライフライ用フックでriver peak のは太軸のニンフ用フックだ。
できれば6Xのティペットに結んでもあまり違和感のでない#16~18ぐらいのフライを使いたいわけだが、メーカーと型番によってフックの大きさはかなり違う。写真のようにF120Bの♯16と2120WBの♯20は番手が2段階ちがうがほぼ同じ大きさだ。私がイメージしているハコスチ用の♯16はriver peak のほうで、2120WBを使う場合は♯20に巻くことにしている。2120WBはごく軽量なのでフライパターンにもよるがこのフライのように抵抗の大きいフライの場合はワイヤーを若干巻き込んで沈下を速めるようにしている。なぜわざわざ2120WBを使うかというとフックポイントのシャープさが魅力だからだが、今のところ違いを実感できるほどの実績は積み重ねていない。
1枚目の写真で右下のフライは20210WB-♯20に巻いてあるがフックが開いてしまっている。1X~2XFine という細軸の弱点ではあるが、太軸のF120B-♯16のほうは折れてしまったこともあるので、いずれにしても45㎝を越えてくるハコスチのパワーはフックの性能を上回る場合があるということだ。
とりあえず先日の釣行で、フライのサイズ感と質感がある程度はハコスチに受け入れられたのと、6Xティペットとの相性もいいことが分かったのは収穫だった。♯20のフライに6Xのティペットだと太すぎるんじゃないかという先入観が先に立つが、上記のように実サイズとの比較でとらえるべきで表記にこだわりすぎないほうがいいことも改めて実感した。
このフライのアピールポイントは、全体のモワッとしたファジー感、合成素材にはない自然由来の質感・色調、柔らかい羽毛のゆらぎというところだろうか。シルエット=あいまい>かっちり、カラー=淡い>濃い、サイズ=#16以下、が私なりのフライ選択のキーワードだが、ハコスチに聞いたらナニソレまったくわかってないじゃん、とかいわれそうだ。年内にできたらもう一度ためしにいきたいが、今度は洟もひっかけてもらえないかもしれない。
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Posted by wind knot at 19:24│Comments(0)
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