2024年05月25日
上野村釣行~中ノ沢毛ばり釣り場
5月22日~23日1泊で上野村に行ってきた。1日目は中ノ沢を予約していたが、いつものようにまずはヴィラ裏で運試し。
7時にヴィラ裏について支度をする。下流にルアーマン、上流にフライマンの二人がすでに釣りをしていたので下流のライズポイントの上の瀬に入った。
瀬を手前から奥へと流していくが瀬の中では反応がない。やっぱりこっちかと対岸のたまりにフライを入れるとさっそく反応があった。とはいえ間に強い流れをはさんでのキャストだから奥の反転流にフライを乗せるのはむずかしい。流れの強弱のさかいめをねらったフライにやっと出た。
20㎝ほどだがスタートそうそうの1匹なので素直にほっとする。最初は♯14で始めたフライは♯18に替えていた。#14を素直にくわえてくれる魚はここにはなかなかいない。
同じくらいのヤマメを2匹追加してそろそろ川の駅にむかう時間が近づいてきた。
ここも対岸のヨレをねらう。ぎりぎりまで立ちこんでスラックたっぷりのキャスト、ガバッと大きな飛沫があがった。
手前の強い流れに乗ってロッドを引きしぼってくれたのは尺には届かなかったが28㎝の良型。よしっとネットの水を切って川の駅に向かうことにした。
ヴィラ裏と中ノ沢、ヴィラがよかったからといって中ノ沢もいいとは限らないが、やっぱりここで釣っておくとテンションが上がる。今日はいけるんじゃないの~♪という気持ちになるのだ。
川の駅の受付には5~6人の釣り人がいたが、みんな本谷にいくようで中ノ沢は私ひとり、貸し切り釣り場だ。さらにテンションが上がる。
今季はじめての中ノ沢、まずは予約していた最上流のA区に下りる。このトンネルえん堤前は釣れる確率が高いのだが今回はお留守のようだ。いやな予感がちらりと頭をかすめるが、まあこんなこともあるさと見切りをつける。
ヴィラでは7Xのティペットに♯18のフライというセッティングだったが中ノ沢では6Xのティペットに♯14のフライに変えている。山岳渓流のイワナ釣りなら5Xに♯12のフライといきたいところかもしれないがここのイワナもやっぱりそう甘くはない。
いきなり良型が顔をみせてくれたが残念ながらフッキングはしなかった。何回か打ち返してみたが2度目はなかった。反応があるというのはとにかくいいことだ、次はしっかりとるぞと足を進める。
ほどなく出会った落ち込みわきのたまり、水面下を魚影がさっと動いたと同時にフライが消えた。
今度はしっかりフッキング、22~23㎝というところだが体のわりに尾びれの大きな美しいイワナ。全体に茶色味がつよく、白点と朱点のバランスがいい。ひれの前縁部の白線もくっきりして理想的な魚だった。
15分後、ここも落ち込みわきのほんの小さなスポット。しばらく水面を漂ったフライがフッと吸い込まれた。
さっきのイワナとは違っていかにも岩の下に隠れてましたという灰色の体色、この個体差の変化がイワナの魅力だ。
このあとはライントラブルの処理などを含めて釣れない時間がしばらく続いた。
左岸側のごく浅いたまり、フライの着水と同時に飛沫があがった。
今度は灰色系だが浅場にいたので明るい灰褐色、ぷっくりとしてヤマメのような体型だ。
ここも比較的浅い流れの黒っぽい底石についていただろう大イワナがニュっと垂直に頭を突き出した。思わず早や合わせ、飛び出すというほどではなかったが、こういう時は落ちてから合わせるのが鉄則、しかしどうしても腕が勝手に動いてしまう。尺以上はありそうだっただけに悔しかったが完敗だった。
ふと立ち止まった水が流れていないようなたまり、ときどきイワナがボーっと浮いていたりするのでとりあえずは眺めてみるようにしている。
なんとこれも尺以上はありそうな大イワナがこっちを向いてボーっとしている。うひゃあ、なんだ病気でもして動けないのか?とも思ったが体に白カビなどはついていないしよく太っているように見える。
よしっと勝負を挑むがフライの着水と同時に逃げられておしまいかもしれない。一発勝負だと投げたフライがほぼ頭の上に落ちた。ああ、真上すぎたか、と思ったがイワナはまったく動こうともしない。数秒の後、ふっと我にかえったようにすっと奥に移動するが、岩にかくれるでもなく下流側を向いてまたボーっとし始めた。
ウワッ、どうなってるんだこんなことってありか?と、こちらの方が戸惑ってしまうが、とにかくもう一度だ、と息を止めるようにキャスト、今度は鼻先50㎝にふわりと着水した。
一瞬のち、ボーっとしていた目がフライに焦点があったかのようにイワナがゆっくりと近づいて、そのままなんのためらいもなくフライをぱくり!
オッシャーやった!奥の岩にもぐりこまれるとやっかいなので暴れる前にさっとネットを差し出した。
32㎝のいいイワナだった。尺上イワナがまるでどうぞ釣ってくださいと言わんばかりに浮いていて、それを仕留めることができたなんていうのはちょっと奇跡のような気もする。これはもうドライフライフィッシングならではの興奮の一幕だった。
ここは左の大岩の前のたまりにいるかと思ったが反応はない。その上の落ち込みわきにフライを落とすとギラっと光るものがあった。こっちにいたのかと再度スラックをいれてフライをゆっくり流す。くわっと開けた口が見えた。でかい!
大岩の影にもぐりこもうとするのをロッドをためていなす。さらに下流に走るのを先回りしてネットイン。
さっきより一回り大きい35㎝の見事なイワナだった。ここまで成長するのに何年かかるのだろう、体を覆う筋肉の動きさえ見えるような逞しい魚体を目に焼きつけてそっとリリースする。
追記:後で気づいたのだがこのイワナ昨年4月末に釣ったのと同じ魚だった。場所もまったく同じ。大きな淵でも巻きでもない小さなスポットにずっと居ついているとは自然の懐深さというべきか。
連続しての尺オーバーにもうお腹もいっぱいの気持ちだが、エリアの最終ポイントまであと少しを釣り上がる。
さすがに大物は出てこなかったが、かわいいのを3匹ばかり釣って遅い昼休憩をとるためにいったん車に戻った。
休憩のあとは管理棟までもどってE区の途中から再入渓。すでに時刻は3時に近く、あと1時間ばかり釣りを楽しむ。
落ち込みわきを上流側からダウンクロスでねらう。何度か打ち返しながら反転流にフライを乗せると落ち込み側から魚影がフライを追った。
黒っぽい体に細かい白点がくっきりと浮かぶイワナ。
左岸側の浅場、ここも一発ヒット。
細いが明るい体色。斑点も地色に溶け込むように淡く見える。
強い流れをはさんだ石裏を攻める。タイトループの先端から着水させてフライを留めおく時間を稼ぐ。かすかな波紋とともにフライが吸い込まれるように消えた。
最後は28㎝の良型で締めくくることができた。数はちょうど10匹で爆釣というわけではないが尺オーバーが2匹出て十分な釣りだった。
宿は今回も「木森れ陽」。しおじの湯に浸かった後、宿の駐車場でまずは1杯と缶ビールをグイーっとやっていると車がやってきた。
車から降りてきた方が「今日は二組だけだそうなんで」とあいさつにこられた。聞くとこのかたもフライマンだというのでいっしょに飲みませんか、とお誘いし夜が更けるまでフライ談議がつづいたのだった。
にほんブログ村
Posted by wind knot at 15:50│Comments(0)
│フライフィッシング