2018年08月23日
久々の釣行

釣りもブログもずいぶんと間が空いてしまった。
例年お盆休みの時期は道路の混雑をきらって釣りには出かけないのだが、今年はお盆休みの前週に台風で出撃のチャンスを逸してしまった。前回の釣行は8月1日だったから20日以上も間が空いたことになる。
今回(8月22日)も台風が来ているのだが関東にはほとんど影響がなかった。どころか、一度は納まったかに思った猛暑が復活して暑い1日だった。さすがに渓の中は涼しかったがポイントまでのアプローチの山道は暑かった。
もう晩夏という季節で猛暑とはいえ、空の色には秋の透明感が混ざり始めているようだった。
夏の終わり、もっとも釣り難いという時期だ。いいサイズの魚たちはもうほとんどが抜かれてしまい、残った魚たちは釣人の魔手から自分の身を守るための経験値を高めている。たまにフライをつつきにくるのはいつでも好奇心旺盛な当歳魚ぐらいだ。
そんなことはわかっていてそれでも釣りにくる、釣れない言い訳はいわないぞと心に誓いつつ。
スタートして1時間近く、当たり前のところにはいないのだろうなと竿抜けになりそうな小さなスポットもていねいに探ってきてやっとヒット。
落ち込み脇の石裏に潜んでいたイワナは8寸ほどだったがなかなかにいい引きを楽しませてくれた。
小さな落ち込みの流れに乗ったフライを魚影が追った。追いつけなかった、というよりは途中でフライを見切ったイワナはおむすび型をした石にもどり張り付くように定位した(上の写真ではおむすび石と右の茶色い石の間にイワナが写っているのが分かるだろうか)。どうやらこの定位置からフライを追ったらしい。貴重な”見えている”イワナだ、なんとかものにしたいが一度はフライを見切っている。慎重に間合いをはかってフライをキャストした。おむすび石のギリギリに落ちたフライはいいところに入ったかと思ったが反応しない。よくよく眺めるとイワナは下流側を向いて定位していた、落ち込みの流れと反転流の干渉しあう場所だった。
もう一度、こんどは下流側、イワナの鼻先30cmにフライを落とす。ゆるい反転流に乗ったフライがイワナに近づいていく、イワナがフライを認めてじっと見つめるようなしぐさを見せた。次の瞬間、「ハ、ヤバ!!」というように身を翻しおむすび石の下にもぐりこんでしまった。
完敗ではあるが楽しいやり取りをさせてもらった。こういうのがあるからフライフィッシングはやめられない。
2匹目のイワナは元気で好奇心いっぱいの6寸イワナ、瀬尻でのヒットだった。
水温は15℃ほどだった。足元はもちろんウエットウェーディングの装備で水の冷たさが下界の猛暑を忘れさせてくれる。渓の底は肌寒ささえ覚えるほどで、昼の休憩は日当たりのいい場所に腰をおろした。いつものようにパスタをゆでてコーヒーをいれた。木漏れ日のスポットライトは夏の強烈な光量を保っていて水の透明感を際立たせた。
休憩のあと、また可愛いイワナがかかった。#12のフライがやたらと大きく見える。
今日はもう釣れてもこのサイズだな、と川から上がることを考えながらつい足は次の流れへと向かっていく。ここで終わりだ、と決めておきながら、ため息とともに回収したフライを手に取り、視線を上げると次の流れが目に入る。よし、もう一振りだけだ、なにがあってもこれでやめよう、ということをええんえんと繰り返すのだ。
大きな反転流、流速、水深ともに申し分ない。ここで出なけりゃどこで出るんだ、というおあつらえ向きのスポットだった。だが、出ない。あきらめられずに何度もフライを投げる。しつこくねばってねばって最後の最後というとき、水底から弾丸のような影が飛び出した。
そう、弾丸のようなサイズだ。けっしてミサイルのような、ではない。この場所からこのサイズでは大物はもういないのだなと改めて思った。
いくつめかの退渓ポイントを通り越した。この先は川通しに下るしかないので、いいかげんここで最後だと流れを見つめた。
大岩の根元に黒いイワナらしき影が見えた。二つの岩の境目、ちょっとしたくぼみに身を潜めている。岩盤際の流れは案外とゆっくりしているが手前の流れは強い、リーダーが引っ張られないようにスラックをいれてキャストする。ねらい通りイワナの目前に落ちたフライは流されずにゆっくりイワナに近づいていく。イワナは身動きもしなかったがフライが見えなくなった。ティペットが引かれて沈んだのかイワナが吸い込んだのか半信半疑でロッドを立てた。
ラストフィッシュとしてまずまず、8寸弱のイワナだった。
今シーズンも残すところ1月あまりだ。今月は2回しか釣りができなかったがまだもう1週のこっている。天気がよければ来週はちょっとまとまった釣り旅に出たいとも思っている。
今夕には台風20号が上陸して西日本はまた災害の危機に面している。なんとか最小限の被害で済んでくれることを祈るばかりだ。

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Posted by wind knot at 17:12│Comments(2)
│フライフィッシング
この記事へのコメント
戦略性をもって、イワナの気持ち(習性?)を考えつつ、
釣りをされている様子が良く伺えます。次のポイントを目の
前にすると、次の問題が提示されたような気分ですよね。
もし最後のイワナが釣れていなかったら、また次のポイントが
気になって、また考え込む事になっていたのでは?(笑)
(私は、ホームの水が引かずに辛い日々が続きます…汗)
釣りをされている様子が良く伺えます。次のポイントを目の
前にすると、次の問題が提示されたような気分ですよね。
もし最後のイワナが釣れていなかったら、また次のポイントが
気になって、また考え込む事になっていたのでは?(笑)
(私は、ホームの水が引かずに辛い日々が続きます…汗)
Posted by jbopper
at 2018年08月29日 12:08

jbopperさん、こんばんは。
戦略性とはまたなんともお恥ずかしい。
イワナの気持ちは考えますが、なかなか当たりとはいきません。
ただいまは南会津に来ているのですが、連日ゲリラ豪雨にみまわれてさんざんです。
戦略性とはまたなんともお恥ずかしい。
イワナの気持ちは考えますが、なかなか当たりとはいきません。
ただいまは南会津に来ているのですが、連日ゲリラ豪雨にみまわれてさんざんです。
Posted by wind knot
at 2018年08月30日 18:31
