先週金曜日から3連休中日の日曜にかけてカチーフさんと裏磐梯に遠征してきた。(私はブログアップがすっかり遅れてしまったが、先にアップされているカチーフさんのブログ
「Easy does it!」と併せてご覧ください。)
カチーフさんとは昨年も秋田に遠征している。昨年farwaterさんも一緒だったがことしはfarwaterさんにどうしても外せないという仕事が入ってしまい、2人での遠征になった。
秋田はカチーフさんのホームフィールドでいろいろと案内をしていただいたがいかんせん遠い。秋田遠征を機に持病の腰痛が悪化してしまった、ということもあるので今年は福島までのプチ遠征にしてもらった。
裏磐梯といえばお宿風来坊に泊まっての釣り歩きで、私はもう10年以上のお付き合いになるがカチーフさんは初めての釣行だ。私も昨年は来られなかったので、朝3時半出発の往路の車中では、ふたりともやや興奮気味におしゃべりに夢中になった。あんまり夢中にしゃべりすぎて圏央道から東北道への分岐を見過ごしてしまったほどだ。
実は4時までに高速に乗って深夜割引を利用するために3時半出発にしていたのだが、圏央道をいったん降りて東北道に乗りなおしたため、割引はキャンセルされてしまった。乗り換えの時間的なロスはたいしたことはなかったが割引ロスは大きかった。どうもこのときからツキの女神さまにそっぽを向かれてしまったような気もする。
「あたしだってヒマじゃないんだからさぁ、まったくもう、あんたたちみたいなまぬけとはつきあってらんないのよ、じゃあね、またね~」
まあ、この時は割引ロスにがっかりしたぐらいで、女神さまのこんな嘆きは聞こえていなかったのだが・・・
その後は順調にすすんで予定よりも30分ほど早めに風来坊に到着、オーナーの鈴木さんにあいさつして川の状況などを聞いてから初日の目的地に向かった。
カチーフさん撮影
私にとっては3年ぶりの渓流。2㎞ほどの遡行区間で途中には退渓ポイントがないのでゲリラ的な雨がちょっと怖い。幸いに降っても小雨という予報を信じて入渓した。
3年前は単独で釣りをしてその時はそこそこに楽しい思いができたので今回も期待していた。3年前の釣行はどうだったんだっけ?とブログを振り返ってみたがこのころはコロナの最盛期でブログは休止していた。
写真の記録では8寸前後のイワナが14~5匹は釣れていたから当然期待は大きい。しかし3年前は6月中旬の話、禁漁も間近い9月中旬となればそんな甘い期待はするだけ無駄だったかもしれない。
案の定、やや減水気味の水況もあってかまったく反応がない。ど真ん中を流したい、というカチーフさんに、いや、ここは端っこのほうもていねいに流したほうがいいよとアドバイスするものの、その端っこからも反応は返ってこない。
カチーフさん撮影
こうしてみるとどこからでも出てきそうなものだが、まったく甘くなかった。
やっと私のフライに20㎝ほどのイワナがかかった。ポイントの写真を撮るのを忘れてしまったが、目の前数メートル、なんてことはない石の隙間からフライを追ってきた。見落としがちな竿抜けといえばいえるだろうか、ど真ん中好きなカチーフさんは、エ~、こんなところからぁ?とご不満な様子だった。
そしてあとにも先にも反応があったのはこの時の1度だけ、ワンチャンスを逃さずモノにしたといえば聞こえがすこしはよくなるだろうか。
カチーフさんもヒット、やはり端っこからだったようだ。
ライズを見つけたと、カチーフさんが慎重にねらってみるが、さすがにここからは出てこないよねぇ。
そんなこんなで、けっきょくカチーフさんもヒットした1匹以外は反応らしい反応もないというまま退渓ポイントに到着。重い足を引きずるようにして林道に続くけもの道をたどった。
帰り道で日帰り温泉によってひと風呂浴びてコンビニで缶ビールをゲット、風来坊にもどるなりお疲れさまの
完敗乾杯。これはもちろんとりあえずの乾杯で、本筋の乾杯は「お宿風来坊」自慢のエビス生、私はさらに福島の地酒へうつり、釣り談義とともに夜は更けていくのだった。
2日目は少し小規模な渓。あまり大型は望めないが魚影は濃いのではないかと予想した。2年前の釣行時の記憶ではなだらかな谷が続いていたように思うのだが、なかなかどうしてけっこうハードだった。
入渓点からしばらくはこんな感じ。初日の川は減水でどうもよくなかったが、2日目は未明にそこそこの雨が降ったようで水量はちょうどよさそうだった。
ときおり走ったりフライの下に現れる影を感じながら釣り上がる。ほとんど生命観すら感じなかった初日に比べるとずっといい傾向だ。
ここでビシッときたが速い!まるでヤマメのようとはよくいう言葉だが、いやいやヤマメだとしても相当に速いやつだ。そしてここにはイワナしかいない。
わりあい素直な瀬脇や肩で反応があった。しかし出ても乗らない。つついて終わり、直前でUターンと翻弄される。この落ち込みわきでどうだとフライを入れる。
オオ、やっとフッキングしたちびイワナ、ありがとう!
今度は肩で
またおチビさん、さっきのよりちょっと太いかな?
たどりついた淵には手前の駆け上がりに数匹のイワナがついていた。なかにはまあまあのサイズもいる。フライを見にくる、つつく、プイッとそっぽを向く。なんともじれったいが禁漁まぢかのイワナたち、もうフライも見飽きているのだろう、一筋縄ではいかないどころじゃない賢さだ。
ここでねばるから先に行って、とカチーフさんに先行してもらう。
やっと手にした1匹、ここまでの最大、うへェ~
カチーフさんも良型を見つけてサイトでねらう。しかし、あと1㎝もないところまできてプイッとやられる。同じ流れにもう1匹いるとねばりモードに入ったところで、今度は私が先に進む。
岩盤際のストレートな流れ、なんとかひとついいのがほしい、頼む、出てくれ!
願いが通じたか手ごたえのあるのがやっと来てくれた。22㎝ぐらいだがきれいなイワナだ。
良型よもう一度とがんばってはみたがけっきょく会えたのはこのチビさんだけだった。遡行の後半は斜度がきつくなって、まごまごしていると退渓ポイントまでたどりつけないと、ひたすら上り続けることになった。
さあ、退渓ポイントまであともう少しと最後のキャストをしているとカチーフさんがトランシーバで何か知らせてきた。(トランシーバはカチーフさんが用意してくれたもの)
「ガガガ〇××△!」
「エ、なんですか~?」
「×ル、×ル、サル!」
「なに?サル?」
どうやらサルの群れに出会ってしまったらしい。前方20メートルぐらいの距離で河原と樹上にみえる範囲で10頭ほどのサルがいた。見えてはいないやつもいるだろうからざっと20頭ほどの群れだろうか。
カチーフさんが気づいたときはもっと近く、10メートルばかりの距離でサルと目が合ってしまったという。
でもさあ、熊じゃないんだから人間に向かってくることはないよ、大丈夫だよ、とザックのポケットから100均ピストルを取り出した。
腕を上に伸ばしてパンパンっと2発、河原にいたサルが驚いて逃げていく。樹上にいる奴らは逃げずにユッサユッサと枝を揺らしている、威嚇しているのだろうか。
コノヤロ、あっち行け!とパンパンパンパンと連発するとどうやらみんないなくなったようだ。
「イヤー、ちょっとヤバかったよ~」というカチーフさんだったが、私は100均ピストルの威力を試すことができて内心うれしくてしょうがなかった。
以前、カモシカに遭遇したときに試して効果があることはわかっていたが、熊には効かないだろうという説も多く、もういちど野生動物あいてにパンパンとやってみたかったのだ。
これでカモシカに効いて、サルにも効くことがわかったから熊にだってある程度は効くだろうと思える。まあ、ないよりはましという程度かもしれないが、少なくとも熊鈴よりは効き目があるはずだ。
そのあと進んでいくとまた、2度ばかりサルの群れに出会った。同じ群れが移動しているのかちがう群れなのかはわからないが、そのたび大声を出したりパンパンとやって追い払った。大声だけでは逃げないやつもパンパンにはやはり弱いらしい。100均ピストルすごいじゃん、とまたうれしくなった。
最後のサル騒動もあったが、なんとか無事に川を抜けた。後半の沢登りがけっこうきつくてもう疲労困憊、車までの道がやたら遠く感じた。
3日目の朝、部屋から望む磐梯山は雲をかぶっていたが上空の雲が朝日に輝いて美しかった。
お泊り釣行のルーティン、モーニングカフェ。今回は旅の友がいるうえに、風来坊のテラス席を使えるのでなお楽しい。
さて今日はどうしようか、2日間けっこうしんどい釣りで疲れたから里川をさがしてのんびりやろうか、などと語り合う時間も釣り人にとってはかけがえのないものだ。
朝日が樹々を照らし出す一瞬の輝きを眺めながらコーヒータイムを過ごす。これもまた至福の時だ。
風来坊の鈴木さんと奥様に別れを告げてむかった初めての里川、はてさて魚はいるんだろうか?
答えはすぐに出た。かわいいヤマメたちがビュッビュッと果敢にフライにアタックしてくる。今回も多用している♯16のフォームアントでは大きすぎるのか一向にフッキングしない。
カチーフさんからフライは♯18だよと交信が入る。カチーフさんはすでに何匹かキャッチしていた。
そのうち♯16でもくわえられるのが出るんじゃないかと我慢していたがあまりにもかからないので私も♯18に変える。
やっとかかり始めた小さなやまめたち。
なんだか里川のオイカワ釣りみたいだが、これはこれで楽しい。
鮮やかな尾びれが美しいぷっくりヤマメ。
おや、イワナもいるんだ。
これはちょっといいイワナ。
パーマークのくっきりした幅広ヤマメ。
私が釣ったのはチビたちばかりだったが、カチーフさんは23㎝のヤマメをキャッチした。さすがは里川大好きというカチーフさん、お見事でした。
3日間の釣行もぶじに終了、釣果はいまひとつだったけれど楽しかった。カチーフさん、お疲れさまでした。
帰りに立ち寄ったそばの店はたたずまいからしてお高そうだったが、入ってみると良心的なお値段でほっとした。天ざるを注文したが、天ぷらもそばも絶品のうまさだった。(この天ざるは、ずっと運転してもらったからとカチーフさんにおごっていただいた。ごちそう様でした)
うまいねーとそばを手繰っているとザーッと雨が降ってきた。予報通りだが、降り出す前に川を上がっていてよかった。
高速道路に乗ってすぐに前も見えないようなゲリラ豪雨。ときおりザザーという音とともにタイヤが水の膜に乗るようないやな手ごたえが伝わってくる。すぐに抜けられればと期待したが、どうも雨雲とともに我々も南下しているようで、ずいぶん長いあいだ怖い思いをさせられた。
栃木県にはいったころやっと雨雲から脱出できた。明るくなってきた空を見ながら、さあ、まだ先は長いぞとハンドルをにぎりなおした。
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