カワゲラじゃなかった

wind knot

2019年04月13日 13:02






 10日は関東でも季節はずれの積雪があるほど寒かった。11日にかけて釣りに行くつもりでいたのだが、さすがにこの天気では、とあきらめざるを得なかった。それでも11日は天気も回復するようだったので行く気は満々だった。どこへ行くかとずいぶん迷った。真冬並みの寒波の翌日とあってはネイティブな渓魚たちはおそらく出てきてくれないだろう。天気は回復しても風が強い、という予報もあって予定していた地域は6~7Mの強風となっていた。

 上野村は風も3~4Mと比較的おだやかそうなので、先週行ったばかりだがここしかないかと心は全面的に神流川にかたむいてきた。上野村にいくとなればこれはやっぱりカワゲラだろうと巻いたのが前回の記事のフライ。ライズさえあればこれでもらったも同然とにやつきながらブログ用に写真を撮ったりしていた。





 先週はまだつぼみだった上野村の桜はほぼ満開になっていた。真っ青な空と白い雲、山は前日の雪でうっすらと化粧をされふもとの桜を景色全体で引き立てていた。





 下界では青葉まじりとなった桜をこうしてまた楽しめる。この季節の渓流釣りならではのぜいたくだ。





 ヴィラ裏のC&R、上流にルアーマンの姿があったがフライロッドを振る釣り人はいなかった。風はまだおだやかだったがもうしばらくすれば強く吹きそうだった。まあ、あせっても仕方ないとコーヒーをいれて川を眺めた。





 ポツポツとライズはしているようだった。これで風がふけばライズはなくなるだろうから、今日は瀬をねらったほうがいいのかなとも考えた。そろそろ元気のいい魚が瀬に入り始めてもいいころだろう。いやいや、昨日の雨雪で水温が下がっていればやはりプール中心に攻めたほうがいいんじゃないか。あれこれと作戦を練りながらのコーヒータイムが楽しい。

そして実釣スタート、フライはもちろん巻いたばかりのストーンフライ、満を持してキャストするが反応がない。レレレ・・・こんなはずじゃ。ライズすくないからな、ハッチしてないのかな、でも見に来るぐらいのことはあってもよさそうなもんだけど。ツツっと誘いをなんどかいれてみる。追いかけてくるヤマメはいるが途中でやめる。

 ツツーっと引いてきたフライがもう沈んでしまってピックアップ寸前、脇からヤマメがダッシュしてフライをくわえた。






 ストーンフライでの釣果とはいってもリアクションバイトの1匹、フライがマッチしているわけじゃないだろうとストマックを取らせてもらう。





 出てきたのはシャックばかり、それもすべて小型のメイフライのシャックだった。カゲロウもユスリカもまったくなし。1週間でハッチが変わったのだ。ストマックに入っていたシャックは崩れてもいなくてしっかり虫の形をしているものが多い。上流でメイフライがハッチしているのは間違いないんだろう、カワゲラじゃなかったんだ。

 そうとなればフライもチェンジしなければらない。上流でハッチしているとすれば羽化しきれないイマージャーが流れてきてもおかしくはないし、しっかりしたシャックが多いからイマージャーフライに反応するヤマメもいるに違いないと思った。小型のメイフライでシャックともごまかせるようなフライ、少し前に「ミッジドライの微調整」として紹介したフライがちょうどよさそうに思えた。





 フライを変えて数投してみるとやはりストーンフライよりは反応がいい。なかなか食うところまではいってくれないがフライを気にするヤマメが多くなった。あとは流し方とレーンの問題か。プールへの流れ込みのバブルレーンが開くところでライズが繰り返される。ねらいはそのゆっくりとした流れだが、ちょうどそのころから川下から吹き付ける風が強くなってきた。フライがどうしても上流側に飛ばされてしまう。ティペットが逆U字どころか正U字になってしまう。なんとかスラックをいれたティペットの形をつくりたい。

 何度も流していると風のすき間のようなポケットタイムがあって、キャストのタイミングが合えばフライがうまく流れをトレースしてくれる。そうゆうときにはヤマメたちもすなおにフライをくわえてくれた。








 パーマークがドーナツ状にわっかに見えるヤマメ、ときどきこういうヤマメがかかる。





 体側がオレンジに染まったヤマメ、寄せてくるときにすごくきれいに見える。








 かわいいひれピン。このサイズのヤマメのパーマークはとにかくきれいだ。

 7~8匹のヤマメを釣ったところで車にもどってランチ休憩を取った。数人のフライマンがロッドを振っているのをおにぎりをほおばりつつ眺めていて、なんとなく違和感を感じた。みんなウエーダーをはいていないのだ。ニーブーツのひとが一人、あとの二人はスニーカーというお手軽スタイルだった。

 河原も広くて魚影も濃い川だからなにもウエーダーなんてはかなくても、もちろん釣りにはなるのだが大物がかたまっている対岸ぎりぎりの緩流帯をねらうには、少しでも距離をつめてナチュラルドリフトさせないとまず魚は出てこない。お手軽スタイルもいいが、やはり装備はちゃんとして、いいポイントをねらっていかないともったいないだろうにと思った。
 

 午後になって下流の瀬をねらってみた。

 けっこう早い流れにも魚が入っているようだった。流れのある場所ではフライのサイズをあげて視認性を確保する。♯18のドライフライに元気よく飛び出すヤマメがいると、いよいよ盛期に入ってきているのだなと感じる。季節外れの寒波に惑わされてしまうが、4月も中旬、関東のヤマメ釣りには一番いい時期だ。





 手前に強い流れがあって、その向こうに茶色く見える沈み石が連なって、いかにも複雑な流れを作っている。さらにブロック際は反転流になっているこの一帯にどうも魚が溜まっているようだった。












 相変わらず風の吹く中でこの複雑な流れをクリアしてナチュラルドリフトできればおもしろいようにヤマメが飛び出してきた。岸からはそう距離があるわけではないからおかっぱりでもフライはポイントに十分届く、だがいくつもの入り組んだ流れを越えてナチュラルにフライを流すとなると岸からのキャストではうまくいかない。できるだけ距離を詰めて正確なキャストを心がける。ウエーダーなしでは攻め切れないポイントだ。

 ここだけで10匹近いヤマメを釣るとさすがにすれてきて反応がなくなった。ここから下は広大なプールになってポンドタイプの管理釣り場にいるような気がした。魚がどこに付いているのかわからないので底石が見えたり、流れに変化のありそうなポイントをねらった。そろそろ退渓の時間も近い、最後にここで1匹釣ってとキャストを重ねた。





 大場所?だけあって大型も付いているのか9寸のヤマメが着水と同時に水面を割った。





 戻る途中さきほどの瀬でもう一振りしたらニジマスのかわいいのがかかった。上流の川の駅特設釣り場ではニジマスの稚魚がときどき釣れたがこのあたりで釣ったのは初めてだった。






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