城峯山

wind knot

2017年02月22日 11:00






一昨日(2月20日)は全国的に強風が吹き荒れる大荒れの天気だった。
前日のニュースでも明日は大変だから気をつけるようにといっていたのだが、ネットで天気予報をみるとなぜか埼玉県はそうでもない。
秩父はお昼前後は晴れて最高気温も12℃ほど、風速は1~2メートル程度となっていた。

それならばと秩父FFに行こうかとも思ったが、久しぶりに山登りもしたい。ヤマレコで最近の山行記録を検索して城峯山(ジョウミネサン)という山に行ってみることにした。





城峯山は標高1012m、歩程11km弱、標高差は650mほど、山登りは昨年の12月末の丸山以来だから1ヵ月半ぶりだ。

朝はハルの散歩に行ってからの出発なので、現地に着いたときはすでに9時を過ぎていた。もう少し早く出られるといいのだが、これからのシーズン釣りにいくたびに散歩はカミサンに替ってもらわなくてはならない、今から甘えているわけにはいかないのが辛いところだ。





予報では朝のうちは曇りで昼ごろだけ晴れ間が出るというようなことだったが、朝からいい天気だった。寒さもそれほどではなくてどこが大荒れなんだと拍子抜けするくらいだった。
車を置いて県道を歩き始める。





観光用なのだろう水車小屋があったりしてのどかな雰囲気だ。この先に天然水の水場があって飲んでみたが後味が甘く感じるおいしい水だった。
いつも思うのだがこうして登山口までの道をたどっているときがけっこう楽しい。





上りの道は山頂下にある城峯神社への表参道とのことで大きな鳥居が現れた。表参道といっても原宿のそれではないからここから距離にして4キロ半500メートルほどの標高差を歩くことになる。





登山口までは舗装路が続く。





登山口への道標、手描きの味のある標識だ。





こんなわかりやすい地図も設置されていた。





そして山里の民家、といっても廃屋のようだったが、この家の脇を抜けると登山道が始まる。
ここまでで体も温まっていたので、ソフトシェルのジャケットを脱ぐことにした。





杉林の中の急な山道を歩く、薄手+厚手の長袖Tシャツだがすぐに汗が噴出してくる。久しぶりの山歩きに息も上がりっぱなしだ。





途中までは沢沿いの道で水の流れる音を聞きながら歩ける。沢が消えて山腹を九十九折に登っていく、表参道という言葉とはかけ離れたような道だがなんとなく神聖な空気感が感じられるような気がした。城峯神社というのはこの山で平将門が討たれたあとに祀られたという伝説が残る神社だ。





3400メートルの標石、どこからの距離なのだろう。





標高が700mを越えてくぼ地には雪が残っていた。山道にも薄っすらと雪が見える。この数日で降ったもののようだ。
さらに30分200mほどを登るとキャンプ場に着いた。





ここにも雪が残っていた。





場内にある参道の鳥居





真っ赤な口をカッと開けた狛犬、迫力のある顔をしていた。





ここまでただ一人の人とも出会うことはなかった。キャンプ場にも人の姿は見えない。見晴らしのいい場所に設置されたテーブルとイスを借りてランチタイムにする。
パスタとコーヒー、クッキーを食べてたっぷりの休憩時間を過ごした。





休憩を終えて歩き始めるとすぐに城峯神社が現れる。





こちらの狛犬はさきほどのものよりだいぶ古そうだ。さきほどの狛犬は獅子の姿だったが、こちらは犬か狼のようだ。将門が討たれて神社が建立される以前はお犬様が祀られていた場所だとも聞く。その名残なのだろうか。





神社はひっそりとした小さな建物だが立派な彫刻が施されている。

社の裏手から城峯山の登山道が続き途中に将門の隠れ岩に行く道がある。





「登ってもいいけど上級者むけだからね、責任はとらんよ」というようなことが書かれている。





たしかに恐ろしげにそびえる岩壁だ。しかも鎖は途中までしか設置されていないらしい。もちろん登ったりはしないで登山道にもどる。





しかし、登山道から隠れ岩に続く道もあってそこを進むと岩の上に出られる。だが、木立がじゃまをして景色は見づらくあえて登るところでもなかった。
最後の急登を30mほど登る。





頂上に到着、すっくと立ち上がる電波塔の中段には展望台があってここから360度の大パノラマが堪能できるらしい。





一等三角点もあった。





一等三角点というのは山の上にあるものだと思っていたが、埼玉県内には11箇所の一等三角点がありそのうち山岳地帯にあるのはこの三角点を含めて5箇所だそうだ。あとの6箇所はどこにあるのだろう?



いよいよ展望台に登る。
展望台の手すりには山のパノラマ写真が設置されていて遠望する山の名前を示してくれる。写真を参考にしながら山を眺めてみる。






北側には武尊山、赤城山、日光連山が続くが立ち木がじゃまをするのと雲がかかってその姿は霞んでいる。
左手に神流湖が見えた。





シーズン中は何度も訪れる上野村への通り道、この高さから望めたのは感激だった。







続いて木に隠れて見づらいが筑波山の姿も








東は笠山、堂平山がよく見えた。こちらの空はよく澄んでいる。







丸山、大持山と昨年のぼった山も見える。自分が登った山を眺めるのは楽しい。







南から西へ移っていく。私はほとんど訪れたことのない方面、雲取山の向こうには澄んでいれば富士山も見えるのだろうか。







八ヶ岳は霞んでしまっているが、なじみ深いところでは赤久縄山の姿。







北にもどってふたたび神流湖が、榛名山もかすかに見えるようだ。





電波塔の展望台というのは風情にかける気がしないでもないが、ここにも人はいなくて360度のパノラマを独り占めできた。初冬の空が澄んだ日ならもっと遠くの山まで見えるのだろう。
ずっと眺めていたかったが、雲行きが怪しくなってきた。

展望台から下りて下山にかかる。





すぐに急な下り坂に出る。傾斜はそれほどでもないように見えるが砂利のすべりやすい道でロープが設置されている。
ロープにつかまりながら慎重に下る。この先にも何箇所かこのようにロープが設置された急坂が出てくる。





帰り道は南の尾根をつたう。空には雲が広がってポツポツと雨が落ちてきた。





振り返るとさきほどまでいた山の上の空は雲に覆われていた。





雨は本格的になる様子はないが、山の天気は急変することも多い、先を急ぐがすべりやすい急坂にペースは上がらない。
だんだんと左のつま先、右の腿と腰に痛みを感じるようになった。





ゴールまでもう1キロを過ぎたかというあたりで道を間違えた。
左に下る山道があったはずだが見落として尾根をそのまますすんでしまったようだ。行き止まりになって仕方なく少しもどる。しかし登山道への分岐は見当たらずまたもとの道を進む。

行き止まりの先のかすかなふみ跡をたどって尾根を下ると左に登山道があらわれた。尾根のすぐ下を平行して登山道がとおっていた。
10分か20分か時間はロスしたが登山道にもどれてほっとした。

この先は傾斜もゆるくなって気持にも余裕が出てきた。ほとんど眺望のない急な下りの連続だったがわずかに杉林の途切れから見えた竹林のやわらかな色彩は里にもどってきたことを感じさせてくれて気持が和んだ。





ここから20分ほど下って駐車場にもどってきた。





アスファルトの路面は雨で濡れていた。それなりに雨は降っていたようだ。山中で本格的な雨にならなくてよかった。





反対側の空は明るい。

水車小屋のさきまで行って朝と同じ天然水を飲んだ。ほのかな甘さを感じる谷の水が体にしみこんでくるようだった。


コース図などはこちらのヤマレコから






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