酷暑に惨敗

wind knot

2024年08月12日 09:43






お盆前に行っておこうと出かけてはみたが、酷暑と減水で散々な目にあった。

8月5日、イワナの渓。晴れているが午後から小雨の予報。小雨とはいえ、いつどこでゲリラ雷雨になるかはわからないので異変を感じたら早めの撤収を心がける。

私が気をつける異変は、雷の音、空が急に暗くなる、谷全体をサーっと鳴らせるように冷たい風が吹くといったところ。特に冷たい風はほぼ間違いなく雨の前触れと感じている。





前回は40分ほど歩いて上流に入ったが芳しくはなかった。今回は500mほど道路を下って下流からの入渓を試みた。道路から川までは50mほどだがけっこう斜度があってすべらないよう慎重に下りる。





途中、2回ばかりズルっとやりながらもなんとか渓にたどりついた。下界に比べればずっと涼しいといってもすでに汗まみれだ。帽子もメガネも脱ぎ捨てて冷たい水で顔を洗う。しかしその水も期待ほどには冷たくなかった。

上流にえん堤がみえた。地図には表示されていないえん堤の下におりてきたようだ。上から見たときはわからなかったが、下りてみると水はかなり少ない。水温は19℃ちょっと、これはちょっと厳しそうだ。





ロッドを振り始めてしばらく、落ち込みをねらおうとしたがよく見ると岩陰に良型が潜んでいるのに気がついた。フライは♯14のフォームビートル、1投目でフライを追うようなしぐさを見せたがくわない。2投目、3投目と無視される。

警戒しているのかと、フライを一回り小ぶりなアントに結びかえているうちに姿が消えてしまった。しばらく待ってフライを打ってみたが戻ってはこなかった。ああ、なんだよ初っ端からいい型だったのに~、と未練を引きずりながら先に進む。





えん堤の下にきた。水が少なく水たまりのような浅場に流したフライをピックアップしたところで出た。18㎝ほどだったが食い損ねだったのか、岩の下にもぐってしまった。浅いからな、この水じゃだめか~

左岸から巻いてえん堤の上に出て河原におりようとするとシカが飛び出してきた。体長1mほどのきれいな日本鹿、距離は10mほどだったが、これが熊だったら心臓が縮みあがっていただろう。





今度は白泡の下から18㎝くらいのがフライを追いかけたが、追いきれなかった。もちろん2度目はない。





小さな滝をまいたところで早めの休憩にする。500㎜のペットボトルを2本持っていたが、1本目はすでに空になっていた。あと1本でもたないと困るので、携帯浄水器で川の水をろ過してペットボトルに補充しておく。





休憩後、大きな岩の向こうにフライを落とすと岩の陰から良型がフワーッと寄ってきたがフライをつつくでもなくUターン。水温はたぶんもう20℃を超えているだろうからイワナも食欲がないのか。こういうとき、テンカラやルアーなど誘いの釣りだと反応がちがうのだろうか?





そしてしばらくは反応もない区間が続き、暑さも相まってキャストも荒れ気味になったのか、気が付くとなにかおかしい。ウンっ?とみるとなんてこった、ロッドティップがない!!

先から3~4㎝のところでポッキリいっちまってた。しかも折れたティップがない、そんなバカな、とリーダーをたどってみても先端にはフライがついたままでティップは影もかたちもなかった。

ふつうはティップが折れてリーダーの先端までいってもフライに引っかかるだろうと思うのだが、どうもフライをすり抜けて飛んでいったらしい。

まだグリップもきれいなユーフレックスインファンテ664-4、この川にはちょうどいいロッドだったのでショックだった。やっちまったものはしょうがないのでバックパックに入れておいた予備ロッドに替えて釣りを再開。





落ち込みわきの反転流に♯14のアントを浮かべ、グルグルグルグルかれこれ2分くらいたったか、いいかげん半沈みになったフライをピックアップ。すでに沈んでいたティペットに引かれてフライも水中に消えたのを抜き上げると、グンっと手ごたえ、あっと思ったがコンタクトはほんの一瞬だった。


2時ごろになって散発的な雷の音が気になりはじめた。空はまだ明るくゴロゴロという音も遠いがスマホで退渓場所を確認しながら遡行を続ける。





間遠だった雷鳴の間隔がだんだんせまくなってきた。そろそろ上がり時かなと思いつつ流したフライをピックアップしたときにまたきた。そして最後までフッキングはしてくれなかった。

減水と高水温、厳しい釣りだったのは間違いないが、こうして振り返ると6回ばかりたしかな手掛かりはあったのだ。抜かれてしまってまったくかすりもしないというのとはちがってそれなりに楽しむことはできた。

筋読みもドリフトも間違いじゃなかったが、夏バテ気味のイワナにもう一段やる気を出させるまでにはいたらなかった。






今回もこのあと上野村に移動して2日目はどこか沢を釣ろうと思ったのだが、暑さに消耗したか予想した以上に腰にきていた。午後からはしっかりした雨予報だったこともあって川の駅のC&R区でまったりすることにした。





川は鮎の人でいっぱいかな、と思ったが鮎釣り師が3人ほどにフライマンが一人?とガラガラだった。





やや雲が多いがピーカンよりはいい。しかし水温は22℃を超えていてこりゃああかんわ、とやる気もしぼむ。

まあ、人も少ないから障害物もない(魚も邪魔をしない)川で思い切りロッドを振れていいじゃないかと思うことにする。フライを大きいの小さいのと取っかえひっかえしてみるが、ここでも見にはくるけど食うまでいかないという反応が続いた。





だらだらと昼過ぎまでロッドを振ってやっとかかってくれた貴重なヒレピン。2日間で唯一の釣果だ。





そうこうするうちに西の空はすっかり厚い雲に覆われて、サーっと冷たい風も吹いてきた。さあ、潔く完敗を認めようと車に戻った。


帰り道、志賀坂峠を越え山から下りてきたところですごいゲリラ豪雨に見舞われた。ワイパーを強にしても追いつかないような雨で視界がきかず恐ろしかったが、幸い15分ほどで雨雲を抜けられた。

峠道の途中でこの雨だったら視界の悪さはもちろんだが、いつ発生してもおかしくない土砂崩れが怖い。天気の急変、ゲリラ豪雨、もとはといえば魚もばてるこの酷暑のせいだ、いい加減に収まってくれないだろうか。



釣れもしなかった釣りの話を気楽に書き連ねてしまったが、台風5号の進路にあたる地域の方々、また南海トラフ地震の想定域にお住いの方々はさぞご心労だろう。大きな災害にならないことをお祈りします。





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