カミさんが退院、娘も職場に復帰した。長かった1週間が終わってほっと一息といったところだ。カミさんの足の腫れはだいぶおさまってはいるが、まだ無理はさせられない。だが「料理も掃除も俺がやるよ」といっても「いいわよ」とすぐにいつもの強情ぶりを発揮する。
さすがにここでじゃあよろしく、というわけにはいかないので掃除と皿洗いは俺の仕事にするからとなんとか納得させた。この機会に俺だって分担した仕事はするんだ、ということにしておけばなんにもしないでゴロゴロしてといわれないですむ。
カミさんの入院と娘のコロナ、大変だったがどうにか日常生活がもどってくる、私もこれを機にちょっとだけ心を入れ替えることにして、終わってみればまあよかったじゃないか、とひとりで納得している。
酷暑は相変わらずだがそう言っている間に7月が終わってしまった。けっきょく釣りには月初めに2日間いけただけだった。
昔とちがってそもそもストレスがたまるような生活をしていないので釣りに行けないからといってジリジリするということもないのだが、そろそろ川を歩きたい。
まごまごしているとお盆になってしまうので、暑さと午後のゲリラ豪雨の心配はあるが週明けには釣りに出かけようと思い、久しぶりに少しだけフライを巻いてみた。
フォームテレストリアル。
特定の虫を模したものではないが、しいて言えばビートルとかアブ、ハチの類だろうか。人間はどうしても言葉による分類・認識をしないと落ち着かないが、魚たちが陸生昆虫だの水生昆虫だのと認識することがあるわけもない。彼らは食べられるかどうかしか見ていないし、食べるために生きている。
このフライを何と呼ぶかはどうでもいい、夏の間に川を流れているエサの最大公約数を形にしたもの。カーブドフックに巻くことでフォームのアブドメンをフリーにして浮力と視認性の確保をねらったフライで♯18と♯16を巻いたがエクステンドスタイルなので見た目にはワンサイズ大きく見える。
フォームテレストリアルの代表といえばアントだろう。7月初めの釣行では、イワナもヤマメもフォームアントによく反応してくれた。
フォームアントというと一般的にはこのようなアブドメンがフックシャンクに密着しているパターンがよく巻かれているようだが、実はこのタイプ、あまり好みでない。ボディの後端をシャンクに固定するため、ボディが水面下に入ってしまい浮力に不満がある。
今シーズン使っているのはこちらのフォームアント。アブドメンがフリーになっているこのパターンは水面下に入るのはフックだけでボディは水面に乗るように浮く。そのため一般的なフォームアントよりも浮力、視認性ともに勝るように感じている。このやり方でバリエーションも巻いてみる。
これは一応バッタのつもりだが構造的にはアントと同じだ。グリーンの虫というとブナ虫やカミキリムシなどもいるが、どう見るかはタイヤーの勝手なイメージでしかない。
渓流ではマッチザハッチ的な特定種の演出もしないわけではないが、やはり大事なのは投射性や浮き方、人間にとって見やすいなどの機能性だろう。ただ、サイズと全体のシルエットにはわりと気を遣う。このフライは小型のビートルっぽいが、小型のビートルを巻こうと思って巻いた、というとちょっと違う。
バッタなどの大きなフライはガバッと出ればおもしろいが、嫌われることも多いので小型でアントとは異なるシルエットのフライ、を巻いてみたらミニビートルになってしまったという感じだ。
マテリアルは、アントパターンはTiemcoのフライフォームを使っているが、その他のフライは昔ハンズで買ったEVAのブロックを切り出して巻いている。
どのパターンもハックルは巻かず、インジケーターもしくはウィングにADW。レッグはカーフテールを左右ななめ後方に張り出すように取り付けることで、浮力アップと水面姿勢の安定をねらっている。
カラーは油性マジックを塗っているがベタっと塗らずに3~4色を点描風にちょんちょんと塗ってやるとそれらしく見えるような気がしている。
実際にはアントだけでことたりてしまうようにも思うが、それではつまらないのでバリエーションもちょっと、というところだ。
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