上野村のハコスチ

wind knot

2023年11月11日 19:44






 上野村の冬季ハコスチ釣り場がオープンして3週間ほど、そろそろいいかなと今週の木曜日に出かけてみた。ここの釣り場はどうも年を追うごとに大盛況で大変だから、オープン当初の混雑をやりすごしてからの釣行が例年のパターン。


 漁協オープン前の朝8時5分ごろにふれあい館に到着したが、すでに10人以上の釣り人がオープンを待っているようだった。まあ、まだまだ釣り人は多いということだろう。

 そそくさとウェーダーをはいたり支度をしてオープンを待つ列に加わる。わたしと同年代かちょっと上かという世代とまだまだ若い現役世代の人が半々ぐらいだが、ルアーマンらしき若者もやや場違いな表情を浮かべて並んでいた。ルアーから始めた若い人たちが俺らもやってみるか~、とフライに手を染めてくれるといいなと思う。






 受付を済ませて川に下りる。目の前のプールには数匹の魚影が見える。ごちゃっと群れているのではなく、縄張りを主張しているのかさかんに動き回っている魚が多いようだった。





 いつもは小ぶりのニンフを結ぶのだが、今回は久しぶりに大き目のフライを使ってみたかった。この釣行用に巻いてきた♯10のウーリーバガー、マラブーのフライなんて巻くのは何年ぶりだったか。むかし巻いていたのはマラブーのテールにシェニールのボディ、ハックルをパーマ状に巻いただけの当たり前のパターンだったが、それでは能がないかと少し工夫してみた。ラビットファーをツイストしてハックルと交互に巻いたボディはボリューム感があって見た目にはなんとなくかっこいい。カラーはオレンジ、オリーブ、ホワイトと3色、ちょっと小ぶりにした♯12も巻いてきた。





 さあ、久しぶりのウーリーバガーで釣れるか?と投じたフライにすぐに反応があった。32~3㎝とサイズは尺オーバーのニジマスだが、まあとにかく1匹目が釣れてくれてほっとした。釣れるじゃんウーリーバガー、と喜んだのも束の間、いつも通りだが後が続かない。

 あの一発はなんだったの?とぶつぶつ言いながらカラーを変え、サイズを変えて流してみるがかすかなあたりが何度かあっただけ。やっぱりそううまくはいかないんだよな、といつものエボレスに結びかえる。





 何回目かのカラーチェンジでやっと明確な魚信、ン、いいサイズだ、慎重にいこう。





 幸い入っていたのが短いプールで他に釣り人はいない、じっくりやり取りを楽しんでネットイン。赤系ではなかったが48㎝とまずまずのハコスチだった。





 ヒットしたのはオレンジのエボレスだったと思う。いいね!このサイズが来てくれるとファイトも楽しい。続けて来てほしい。

 そのままのフライで後続をねらってキャストを繰り返していると、流していたレーンよりも奥から大きな影がユラリと寄ってきた。インジケーターがスッと沈んでいく。よし、やった、でかいぞ!ウワ、まずいなティペットもたないかもしれない、オーっ、ヤバイヤバイ~そっちじゃなーい!!





 上流へ走ってくれればまだよかったのだが、下流に向かってそのまま落ち込みの穴に吸い込まれてしまって万事休す。ため息とともに岩にはさまったティペットを引き抜くしかなかった。60㎝近くはあったろうか、ひと時の夢、でも楽しい夢だった。






 その後、反応もなくなってしまったのでポイントを探して上流に移動。よさそうな場所には人がいるのでどんどん上に向かって橋の下流にようやく入れるところを見つけた。





 ゆるい流れでかんたんには釣れそうもなかったが、意外にもすぐに食ってきた。





 フライはたしかアフターシャフトニンフだったか、35~6㎝だがぜいたくはいえない。よく太ってサイズ以上によく引いてくれた。





 なかなか同じフライで続きが来ない。フライをラバーボディニンフに替えたところで同じくらいのサイズがヒット。このフライでもう1匹かけたのだが手元まで寄せたところでラインブレイク。サイズもそれほどじゃないしとやや強引に寄せたのがいけなかった。ティペットは7Xだから最後まで慎重にいかないと油断は禁物なのだ。





 せっかくめったにない連続ヒットをしたフライをロストしてしまったので似たようなサイズのラビットファーニンフを結んだ。スリット状の起伏にフライが入って何匹かの魚影が動いたように見えた。インジケーターが沈むのではなく横にフラッと移動する、ヒットだ!

 サイズは50㎝ぐらいだろうがやたらに重い。黒っぽく見える魚体は赤系らしいごついハコスチだ。一気に走ることはなかったが、なかなか寄ってこない。寄せては離されを繰り返しながらの持久戦、やっと寄ってきたかと思ったら白く頭を出した岩の向こう側に回られたところで今度は一気にダッシュ!ラインが岩に引っかかってしまった。

 もうだめかと思ったがなんとか下流側にまわりこんでラインを岩から外すことに成功。引っかかったのがティペット部だったらもちろんひとたまりもなかったろう。そしてふたたび寄せては離れの押し問答の末、今度こそ観念したように口を水面に出したのを腕を伸ばしてネットイン。







 内径50㎝のネットからちょっとだけはみ出す51㎝だったが体高がすごい、計ってみると13㎝あった。腹びれが欠損しているのが残念だがレッドバンドとしゃくれた下あごが見事なヘビー級だった。





 車に戻ってランチタイムの後は朝と同じプールをちょっとやってみるが、風が出てきて落ち葉が流れてくるのでどうにも釣りづらい。魚信もないので一つ下のプールに下りてみる。魚影はそこそこという感じだが、光量も落ちてきているので見た目以上に魚はいるようだ。

 ひとつ、いいところまでいったもののバラシ、皮1枚の口切れか。フッキングしないすっぽ抜けはほとんどない日だったが、ランディング間近のバラシは昼前にも一度あった。





 いよいよあと数投で終わりにしようと遠投してみると着水してすぐにインジケーターが横に引かれていった。





 ラストフィッシュはレギュラーサイズのハコスチだった。くわえているのはGB付きの♯16ヘアズイヤーニンフ。今回のために巻いたウーリーバガーでは1匹しか釣れず、エボレスなどの管釣り系も1匹釣れても後が続かなかった。安定して釣れたとはとても言えないが連続して釣れたのは♯16ぐらいのニンフ。川に慣れてきた魚は渓流タイプのフライに反応するようだが継続して追加放流もされているのでフライの選択は悩ましいところかもしれない。

 午後3時、予定通りに終了することにした。10ヒットで2ブレイク、2バラシ、ランディングできたのは6匹だった。逃げられた4匹もファイトの末の逃走だったから、釣りとしてはとてもおもしろかった。








 上野村の紅葉もいい感じだったが、秩父から志賀坂峠を越えるあたりでは随所に見事な紅葉が見られた。写真の1枚ぐらい撮っておけばよかったと後悔している。






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