禁漁直前、三人旅

wind knot

2023年09月20日 14:17






 今シーズンもあっという間に禁漁直前となった先週末、釣り仲間のKCさん、FWさんと連れ立って2泊3日の遠征に行ってきた。KCさんとの釣行は久しぶりで、三人での釣行は初めてかもしれない。

 まあ、この猛暑は全国どこに行っても共通のものだし、季節は禁漁直前の厳しい時期だからウハウハ釣れるようなことはまずありえないのは承知の上、高望みはしないができれば秋色に染まった渓魚に会いたいと思っていた。

 しかし、数日前に一気に1Mも水位が上がるような雨が降ったようで、ライブカメラで見る現地の状況は濁りもあって芳しくなかった。それでも水位はだいぶ落ちてきているようだからなんとかなるでしょうと、KCさんが運転する車中では三人ともまだまだ楽観していた。


 長いドライブが終わり、現地についてみると川はうっすらと濁って水もまだ高そうだった。うーん、と半分うなりながらもここまで来たんだし、釣りができないというほどのことはないのだから、なんとかなるでしょうと今度は無理にでも楽観することにした。KCさんは所用があってFWさんと私の二人が先行して釣り始める。
 




 護岸に下ろされた梯子を伝って降りてみると上から見た以上に流れは押しが強かった。最近はお気に入りの対象のことを”押し”というらしいが川の流れの”押し”はあんまり強くないほうがいい。





 護岸際の少しでも流速が落ちるようなところしかねらえない感じだったが、読み通りにピチャっと来たのは健気なオイカワサイズだった。

 今回はKCさんが用意してくれた小型のトランシーバーをそれぞれが装着していた。所用を終えてKCさんが戻ったというのでいったん川から上がる。するとなんとKCさん、ウェーダー一式を持ってくるのを忘れたとのこと、そりゃあ大変だと驚いたが、車にオイカワ釣り用のヒップウェーダーが積んであったので、万全ではないが釣りはできるというので一安心。








 入りなおしたえん堤下で最初よりは少しマシなヤマメをキャッチしたが、お目当てには程遠い。





 KCさんのヒップウェーダーはオイカワ用のラジアル底で渓流では滑りやすいし、ちょっとした深場や流れの強いところも歩けないということで苦戦のようだったがそれでもまずまずのヤマメをヒットしたようだった。







 私にも小さな段差の下の開きでやっと23cmほどのきれいなヤマメがきてくれた。





 FWさんは残念ながら釣果に結びつかなかったが、初日の釣りは実質3時間ちょっとのもので、まあ小手調べだから、と早めに宿に向かうことになった。





 今回の宿は最寄りのJR駅近くのビジネスホテル。シャワーで汗を流したらさっそく反省会へ、事前にgoogle map で調べておいた地元の居酒屋が大当たりで酒も肴も絶品、すっかりいい気持になって酒についてはほどほどの二人とは1軒目で別れ、さらに2軒の飲み屋をはしごしてしまった。


 翌日、さいしょに向かった沢は水が少ないうえに木がかぶさった小渓流で三人で入るにはちょっと、ということになり初日の本流下流部に戻ってきたがまったく釣れそうな気配なし。ひょっとしたら本流育ちの尺も出ちゃうんじゃないの?なんて甘い期待は木端微塵に打ち砕かれた。





 場所を替え一発ねらいで大きなえん堤下にやってきた。だだっ広いが変化にとんだ流れはポイントも絞りやすく今度は釣れそうな気がする。





 釣れそうな予感が当たって早々にヒットはしたがもちろん尺には程遠い。





 太い流れをはさんだポイントをロングキャストでねらっていると何度か反応があった。





 思いっきりロングキャストしてみたが、けっきょく出たのはこのサイズ、でもきれいなヤマメだった。

 いったん川を離れて、道の駅でランチタイム。メニューの写真に釣られてKCさんと私はホタテ稲庭うどんの大盛、FWさんはホタテ天丼の大盛を注文。これが大盛じゃなくて十分だったねというボリュームで、いささか腹にこたえた。FWさんはこのあと軽い熱中症気味になったらしく、釣りのほうも絶不調に。





 ランチの後に入った上流部はいい渓相でヤマメよりもイワナが大好きなFWさんも息を吹き返したかに見えたがやはり体調不良には勝てなかったようだ。





 私もこんなのばかり3匹ほど釣っただけ。最後にKCさんがいいイワナをヒット。





 私は2日間まだイワナの顔を見ていないのでうらやましくて仕方がない。未練がましくキャストしたフライに25㎝はありそうなイワナが見事なドルフィンライズで飛び出した。しかしフライは口に入っていなかった。グアァ~‼という年甲斐もない悲鳴だけが谷に響いた。


 最終日は川を替えてみたがここも一度ふえた水がまだ落ち切っていなくてヒップウェーダーのKCさんは入れるポイントが少ない。しばらく様子を見てみたが、めぼしい反応もないのでまた移動。帰りの時間を考えると、最後の入渓になるので、三人ともなんとかラストチャンスをものにしようと川に立った。前日は絶不調だったFWさんの体調もだいぶ回復してきたようだった。





 対岸のバブルレーンを集中して流す。メンディングした際にフライがかすかに動いたところで反応があった。フライ先行でドリフトは完璧だと思うのだがなかなか反応しないので、ときおりちょこっとフライを動かしたりしてみる。ティペットを逆さL字型に水面においてロッドティップをピッと振りフライを上流側にわずかに引っ張る。流れに定位している魚から見ると流れてきたフライがいっしゅん静止したように見えるはずだ。そのとき、たまらずに誘われてしまう魚がいるのだ。

 そしてその瞬間、下流側からすっと寄ってきたヤマメが鼻先を出してフライをくわえるのがよく見えた。





 22㎝ほどの体高もあっていいヤマメだ。作戦、ロッド操作ともにねらいどおり、気持ちのいいヒットだった。





 FWさんから釣れないし、フライをロストしたのでもう上がろうと連絡してきたので、最後にあと20Mやらせてとロッドを振った。対岸のメインチャネルわきの緩流帯、なんどめかのキャストに早い流れとの境い目からヤマメが斜めにフライを追った。





 先ほどのヤマメよりも一回り小型だったが、最後の最後によく出てrきてくれた。あと20Mとわがままをいってロッドを振り続けたのがよかった。ふつうはやっぱりだめだった、で終わるのだが、こんなこともあるんだというまさにラストチャンスだった。





 激戦地帯で禁漁直前の入渓、やはり厳しい釣りだった。ウェーダーを忘れて思うポイントに入れなかったKCさん、体調不良でこんなはずじゃなかったFWさんはそうとうにくやしがっていたが、私は何匹かのきれいなヤマメに会えてまずまずだった。おかげで腰の激痛がまだ収まらず、立ち上がるたびにうめき声をあげている。












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