南会津釣行 その2

wind knot

2023年08月29日 19:03






 南会津の3日目は桧枝岐村に移動、まずはこの日の宿になるキャンプ場に立ち寄って挨拶をする。テントを張るのはめんどうだったので、バンガローを予約していた。バンガローに泊まるのは私ひとりだけで、貸し切りでのんびりできますよ、といわれた。

 キャンプ場を離れ、実川支流の上流部に入ろうと林道を進む。この日は幸いなことに釣り人の車もほとんどなく、予定していた入渓ポイントにすんなりたどり着くことができた。




 えん堤上の開けた流れからスタートする。晴れ渡った空とジンクリアな流れになんとなく今日はいけるんじゃないかという気がしてくる。

 とはいえ、浅いチャラ瀬の区間は小物たちのピチャッという反応はあるもののフッキングにはいたらない。しばらく進んで石も大きくなり川床に変化が出てきたところで最初の出会いが訪れた。





 木の根の陰に付いていたイワナがフライを追って出てきたように感じた。かすかな飛沫が上がって立てたロッドにぐんと手ごたえがあった。





 1匹目としては上出来の25㎝ほどのイワナだった。





 続く2匹目は打って変わって流心ど真ん中、一瞬ヤマメか?というようなヒット!





 これも25㎝ほど、明るい茶系の体色のイワナはこの川で釣りたかった1匹。よし、やっぱり今日はいけそうだ、と一気にテンションアップ。

 爆釣とはいかないがこれまでの二日間に比べると反応は良好だった。





 また流心の開き始め、こういうところから出るということはあまりプレッシャーがかかっていないということだろうか?いやいや、そんなに甘くはないはずだが。





 ま、とにかくフライをくわえてくれたのだから文句はないのだ。小ぶりだがきれいなイワナ。





 この日はじめての明確なすっぽ抜け。ここまでは天を仰ぐほどのやらかしはなかったのだが、今のはよかった、というのをまんまとばらした。見るからに美しい流れで、この1匹は獲りたかった。





 その後はノックしてもお留守続きで、えん堤を高巻きしてやり過ごし、ランチ休憩をとった。再開して間もなく、ちょっとしたロングキャストで瀬の開きをねらった。





 24~25㎝がアベレージなのかいい引きを楽しませてくれるイワナがぽつぽつと釣れる。背中の虫食い模様~白斑が美しく、北関東のイワナとは一味違うのがうれしい。


 ところで、今回はやっぱり夏なんだからとテレストリアルっぽいフライも使ったのだが、最終的にはいつものフライに落ち着いてしまう。





 ボディはラビットファーでこいつは濡れると黒っぽく見えるから、テレストリアル=黒の方程式に近い答えが得られるのだろうとは思うのだが、サイズが違うだけで解禁当初を除けば春から秋までほとんど同じパターンしか使っていないというのも、少しばかりなんだかなあ、とは思う。まあ、釣れるんだからいいのだが。





 15㎝ばかりのちびイワナを釣ったあと、河原側の緩流部でフライが吸い込まれた。





 大きくはないが体高があってヤマメのようなプロポーションをしたイワナだ。





 二つ目のえん堤で15㎝ほどのイワナをかけてから、左岸の巻き道をたどった。一つ目のえん堤は藪こぎが面倒だったが今度は楽に越えることができた。





 えん堤の上に出て、しばし汗が引くのを待ちキャストを再開する。穏やかな緩い流れで水深もないので気づかれないよう、腰を下ろしてロッドを振った。

 バシャッという水音が聞こえた。私は15年以上前に突発性難聴を発病して以来、右耳がほぼ聞こえないので音を聞いても音源の方向がわからない。今みている上流側では水しぶきのようなものは起こらなかったから後ろだろうと、下流側をみると瀬の真ん中あたりにしぶきの名残の水紋が広がっている。

 対岸の近くなら落石かもしれないが、こんな真ん中となればこりゃあライズに違いない、良型だ、尺ものかもしれない。





 這うように場所を移動してライズがあったと思しきポイントにフライを落とすが反応はない。もっと上か、バックにフライを取られないよう慎重にキャストする。

 派手なしぶきをあげてイワナが飛び出した。強い引きだ、でかいぞ!フライはしっかり口に入り込んでいる、バレる心配はなさそうだ。ゆっくりファイトを楽しもう。






 尺あるかと期待したがそこまではない、28㎝、だが十分だ。尾びれの状態からすると放流ものらしい、この先に橋があるからそこから放したのだろう。ごく浅いなんでもないような流れで見過ごしたのだ、まさかこんな良型が潜んでいようとは思わなかった。ライズは見たわけではない、音で主を仕留めたっていうのはたぶん初めてのことだ。





 すっかりいい気持になって、最初にねらっていたポイントへキャストを再開した。





 なんと連続ヒットだ、しかもまたでかい、いや、さっきのよりでかいかもしれない!

 これもフライはしっかり飲み込まれていて外れることはなさそうだった。手前の岩をクリアするときだけヒヤッとしたが無事ネットに収まってくれた。メジャーをあてると30+㎝、南会津では初の尺だった。





 時間は4時になろうかというところ、3つ目のえん堤もよさそうではあったが、せっかくの尺イワナの余韻をのこしたまま上がるべし、と林道に戻ることにした。





 キャンプ場に戻ると、今日はバンガローは貸し切りだから炊事場のわきで焚火をしてもかまわないといわれたので、小雨の降る中、焚火と会津の地酒を楽しませてもらった。





 
 翌日はまた支流に入ろうかとも思ったが、さすがに4日目ともなると疲れてきた。気持ちは渓に向かっていたが、腰のほうがもういいかげんにしてくれ、と言い始めたので本流のC&Rでお茶を濁すことにした。







 午前中いっぱい、3時間ほど釣りをしたが、まあ、そこそこ楽しめた。





 午後はいちど寄ってみたいと思っていた前沢の曲家集落を見学した。受付で時間があったら登ってみて、といわれた展望台は結構きつかったが、たしかに集落がまるでミニチュアのように一望できる絶景だった。






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