初イワナ(ちび)、さよならCRV
緊急事態宣言が出たというのに川は3密とは無縁とイワナの渓へと行ってきた。月曜の雨から1日おいた水曜日、水はちょうどよくなっているかと期待したが着いてみるとやや少なめ、このあたりはそれほど降らなかったらしい。
この渓も今シーズン初めてでそもそも林道に入れるのかと不安だったが問題なく終点まで来られた。車を置いてしばらく林道を歩きいつもの入渓点よりも手前のえん堤上から川に下りた。開始そうそうに反応があったが口には入っていないようだった。それからは行けども行けども反応のかけらもなし、いつの間にかいつもの入渓ポイントも通り過ぎていた。
昨年10月の大雨の爪痕は大きく川を倒木が折り重なるようにふさいでいてここぞというポイントにラインを通せない。もう少し水があればなんとかなりそうな気もしたがとにかく渓相が様変わりしたようで昼前には心が折れた。
林道にはいのぼり谷を眺めると荒れ果てた渓の惨状が心に痛かった。
いつもの入渓ポイントにさしかかった。上の写真は数年前の初夏の景色、まずはここでコーヒーを入れて渓の美しさを満喫させてもらうのが常だった。
巨岩を積み重ねて落ち込みと反転流が連なるイワナたちのすみかはまっすぐな平瀬に変わっていた。これでは気付かずに通り過ぎてしまうわけだ。改めて自然の猛威に身がすくむような思いがした。
いくつかのえん堤を通り越した下流部でやっと18㎝ほどのやせたイワナを釣った。今シーズンの初物だが素直に喜ぶことができなかった。えん堤とえん堤の間の短い区間でもう1匹ちびイワナを釣った。この川が元のような魅力のある姿を取りもどすのにどれだけの時間がかかるのだろう。
このあとヤマメの渓にむかった。川の畔にテントを張ってから少しだけロッドを振った。
荒れた印象はない流れの美しさにほっとした。
かわいいヤマメをいくつか釣ってテントにもどりビールを飲み始めた。陽の落ちた谷はすぐに寒くなりスクリーンテントにこもって杯を重ねていった。
テントの中でふだん家では聞かない古い日本のフォークソングを聞いた。フォークル、高石ともや、岡林、涙がとまらなくなってきた。荒れ果てた川の風景やコロナのことなど、それを思って飲んでいたわけではないが、悲しみというのはいつの間にか心に溜まっていくものなんだろう。歳をとると涙腺もしまりが悪くなってこまる。
翌朝はゆっくりテントをかたづけて川に立った。
相変わらずサイズは伸びないが数はそこそこに出てくれた。ランディングできるかどうかは別にしてドライフライで魚と遊ぶことの楽しさは満喫できた。
この川にはいないと思っていたイワナがかかった。昨日つったのよりもさらに小さいちびイワナだが、これがいるということはどこかにもっといいのが潜んでいるはずだと思うと次はイワナのポイントにねらいを変えてみようかと思ったりした。
山を下りて電波の届くところに来たのでいちおうスマホをチェックするとカミさんからLINEが入っていた。月末かと思っていた納車が日曜に早まったとのことだった。
ということで16年半にわたって連れ添ってきてくれたCRVとの釣行も今回で最後になった。メカには全く弱い私のもとで長年にわたって故障することもなくよく頑張ってくれた。ありがとう、さよならCRV。
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