またまたブログもほったらかしだった。先週は雨で釣りはお休みにしたが、それどころか西日本を襲った豪雨の目をうたがうような災害に驚いた。今週ものんきに釣りなどする気にはなかなかなれなかった。梅雨の名残のようなゲリラ豪雨が各地で発生しているのもちょっと怖かった。安全なところで本格的な渓流のフライフィッシングが楽しめる、となるとそう、あそこしかないかと上野村へ。
天気は良さそうだったので2日間の予定で中ノ沢と本谷を連チャンで楽しむことにした。泊まりは今回もまほーばの森オートキャンプ場だ。今回はお手軽にスクリーンテントも積まずにテントもケシュアのワンタッチテントを選んだ。これが大失敗だったのだが、それはまあ少し先の話になる。
今回はのんびりと6時半に家を出て、給油をしたりコンビニに寄ったりしながら9時に川の駅に到着。予約制というのは先行者を気にしなくていいのがなにより楽でいい。1日目は中ノ沢、予約の電話をしたのは前日の火曜日だったが、本谷はすでにいっぱいだった。火曜日は定休日なのでプレッシャーがリセットされる水曜日は人気が高いらしい。
中ノ沢も空いているのはBかGといわれ、最下流部のG区を選んだ。ここは6月14日にも来ているからほぼ1ヶ月ぶりの来訪だった。この区間はえん堤の上からの釣りになる。えん堤上の流れは砂礫の平瀬で一見するとポイントにならないように見える。先月はパスしてしまった流れだが今回はここからスタートしてみた。
左岸側の砂礫がえぐられてちょっとした深みがあった。ひょっとするととフライを投げた。
2投目であっけなくヒット、9寸のヤマメ。フィッシングプレッシャーは昨日の定休日でリセットされているのか、平凡な流れで見落とされているのかまったく警戒心を感じさせない出方だった。
2匹目はイワナ。え、こんななんでもないようなところにもいるんだ、と拍子抜けするような出会い。
川への降り口からえん堤上までは少し下って平坦な流れが続くのだが、左岸の深みを探ってヒットが続いた。
放流はまんべんなくされているのだろうが、入渓ポイントが放流ポイントであることも間違いない。加えてえん堤の上というと大体はチャラ瀬が続いてポイントに乏しいのだが、ここは水深のある流れが左岸にあって落ちてきた魚が溜まっているのかもしれなかった。
入渓点にもどるまでのほんの数10メートルの間に7匹のヒット。時間にして1時間ほどの間だった。
ヤマメの活性はすこぶる高い。だが、初っ端がよすぎると好調はそうは続かないのが常だ。でもこれだけ釣れればもう十分かもしれない。
ここまではこのフライ1本の釣果だった。夏の定番、テレストリアル。とにかくよく浮く、1匹つっても吸水シートで水気を取るだけのメンテナンスフリー。こいつで釣れることが夏の釣りを実感できる。
入渓ポイントにもどってここからが本格的な渓相となり釣りの本番だ。魚の着き場を見極めてピンポイントにフライを打ち込み、ドラグフリーで流す。百戦錬磨の渓魚たちは流れてくるフライに興味はしめしても少しでも違和感を感じればそっぽを向いてしまう。
石裏の小さなポイント、ふつうはイワナだがここではこんなところにでかいヤマメが潜んでいたりする。
ここには定石どおり、イワナが隠れていた。大きくはなかったがこうしたピンポイントでフライに飛びつく魚の姿を見ることができるのはフライフィッシングでなければ味わえないエキサイティングな瞬間だ。
流芯の左側にできた大きな反転流、、まずはやや下側にフライをキャスト、着水と同時に良型がドルフィンライズでフライに襲いかかった。
水面を大きく割って飛び出した姿は尺を越えるように見えたが、尺にはあと1センチ、というヤマメだった。それでもあのドルフィンにはしびれまくった。
スタートの爆釣のようにはいかなかったが、反応はよかった。
年越しのかわいいヤマメもかかったが、アベレージは9寸前後だ、こうした渓流で9寸のヤマメになんてそうそう会えるものではない。
G区の終点の大岩はいったん道路に巻いてふたたび川に下りF区に入ってみた。ロッドを振ろうとしてふと上流をみるとフライマンがいた。ありゃ、やっちまったかと思ったがまた道路に上がるのもめんどうだった。先行者とは数10メートルは離れていたのでそのまま後を追って釣ってみることにした。
竿抜けになりそうな小さなポイントを集中してねらうといいヤマメがヒット。
お腹のまっきいろなイワナも釣れた。今回は大物のイワナには出会えなかったが、こんな色のイワナがかかればそれもまたうれしい。
かなり荒れた水面だが何度目かのキャストでフライが消えた。
今度は白点の多いきれいなイワナだった。その先で落ち込みの続く流れが終わりプールに出た。見落とされそうなポイントもないのでここで川から上がることにした。
しおじの湯に寄ってキャンプ場に向かった。食事の準備をしながらビールを飲み始めたところでポツポツと落ちてきた雨があっという間に激しい降りになった。今回はスクリーンテントもタープも持ってこなかったので、たまらず車の中に避難。まさにゲリラ豪雨という滝のような雨だった。この雨雲は30分ほどで抜けてしまったが、このあと深夜にまた豪雨に見舞われてしまった。
夜中の1時過ぎに雨音に起こされた。夕方ほどには激しくはないようだがけっこうな雨音がずっと続いていた。スマホをみると雨は3時間ほどは止みそうにない。明日の釣りが心配になったがしょうがない。雨音がじゃまをしてなかなか眠れなかったが、いつのまにか眠っていたようだ。
翌朝は6時過ぎにテントから抜け出した。雨はあがっていたがあたりは濃い霧に覆われていた。テントはもちろん出しっぱなしにしていたテーブルやイスは泥だらけに汚れていた。たいした荷物ではないが泥汚れの片付けは気が重かった。
2日目の釣りは本谷だ。この日の本谷は私のほかは予約が入っていない。貸切といっても歩ける距離は限られている。昨日の夕方と未明の雨がちょっと心配だったが、川は平水を保っていてにごりもないようだった。
プールの多い上流よりも流れに起伏のある下流部の6区に入った。 前日ほどではないが魚の反応はよかった。しかしフライを見切る魚も多い。昨日は満員だったというからプレッシャーが残っているのだろう。雨の影響で多少はリセットされているのかもしれないがここの魚はやはり一筋縄にはいかない。
画面の右側に写っている黄色っぽい頭を覗かせた石の前にいた魚がフライを迎えるようにくわえてくれた。
やせているが泣き尺といったイワナだった。
昨日よかったテレストリアルはロストしていたので似たようなフライを結んでいた。見切られることも多かったので半沈みのイワイイワナもどきやアントなどサイズも変えてキャストをくりかえした。こいつで決まり、という当たりフライは出なかったもののあれこれ考えながらフライを結ぶのもこの釣りの楽しみのひとつだ。
前日のスタートは久しぶりに竹竿などを振ってみた。スタート地点は平瀬が多くピンポイントをねらう必要もなかったが、中盤からの落ち込みの複雑な流れをねらうには竹竿は少々やっかいだった。それにロッドが重く感じるようになってすぐにグラファイトのロッドに替えてしまった。2日目は最初からグラファイトロッドを手にしていた。
反転流からは大イワナが出るかと思ったらヤマメだった。
いかにも大物がいそうな気配が濃かったのでちょっと期待はずれだった。
大岩の下流、石が沈んでいる陰にいたヤマメがゆっくりと浮き上がってフライを飲み込んだ。こんなところに、と思うくらいいいサイズだったがあっという間に大岩の向こうにもぐりこんでしまった。何かに引っかかってしまたらしくびくとも動かない。仕方なく岩のすき間に腕を突っ込んでティペットを外そうとするとグイグイと生命反応がある。まだ外れていなかった。何とか出てきてくれと念じながら腕を動かすと魚がすき間から出てきた。奇跡的にネットインできたのは尺ちょうどのヤマメだった。
水路のような細い分流から
パーマークのきれいなヤマメ
こういうプールの魚はすれまくっていてフライを徹底して無視してくれる。たぶん誰もがここに居座ってあの手この手で攻めまくっているのだろう。
なんとか1匹だけ相手をしてくれた。
6区の終点間近でヤマメをかけたあと
なぜか5区に入ってから連続してイワナが釣れた。5区に入ったばかりでまだまだ釣れそうだったが、連チャンの釣りでいささか疲れた。5区のスタート地点は管理棟なのでここから車に戻ることにした。
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