キャンプ&フィッシング

wind knot

2018年04月29日 15:41







 GW突入前の25日と26日の2日間、上野村でキャンプ&フィッシング。
 今回は事前に予約をして25日は川の駅特設釣り場、26日は先週に続けて中ノ沢毛ばり釣場で釣りを楽しんだ。25日はまほーばの森キャンプ場で今シーズン初のキャンプ。

 24日に西日本を覆っていた強い雨雲が移動してきて25日の午前中は関東地方に大雨をもたらす予報だったが、上野村では午前9時ごろには雨雲が抜けそうだった。家を出てから現地に着くまで激しい雨に難儀したが、川の駅についてふれあい館が開くのを待つ間、豪雨レーダーを眺めているともうすぐ雨雲は抜けそうだった。あと10分もすれば雨があがるなんてことが手に取るようにわかる。いつもながら便利な世の中だと思う。




 雨雲はちょうどよく抜けてくれたが、川の水量とにごりが気になった。くる途中で覗き込んだ川はそれほどにごってはいないようだったがはたしてふれあい館裏の流れは水量は多いものの泥にごりというわけではなかった。





 今回の川の駅は「ウ区」、冬の間川原の駐車スペースとなっていた場所の広いプールに入った。冬の間はハコスチが溜まっていたところで、季節は変わっても魚は多いはずだと思った。にごりはやはりそれほどではないが、雨はあがってもこれからにごりがきつくなることもある。
 泥にごりではないが魚影は確認しづらく、めぼしいライズもないので手始めはニンフを沈めてみることにした。すぐに来るかと思ったが、反応はなかった。広いプールのあちこちにフライを流したがやはり反応は薄い。そうしているうちにポツポツとライズが始まった。





 水温は11℃弱で悪くはなかった。ニンフに見切りをつけてドライフライに結び替えた。朝のうちはユスリカが定番だがCDCはやはり使いたくない。#20のメイフライイマージャーを選んだ。しかしこのフライにもヤマメたちは興味をしめしてはくれない。パタパタと水面から飛び立っていくのはストーンフライか。





 それならとフライをストーンフライに替えてみるとようやく食ってきた。年越しらしい元気なヤマメだ。





 さっそくストマックを確認すると出てきたのは少量のユスリカシャックとピューパ、1匹だけストーンフライのアダルトが入っていた。





 季節からするとクロカワゲラかと思うがつかまえてみた虫には尻尾が見えなかったしサイズも小型なのでオナシかもしれない。フライのほうがやや大型だが、まあこれでなんとかいけそうだった。



 岸からほんの2、3メートルのかけあがりに魚が浮いていた。ねらってみるが流れていくフライには見向きもしない。たまたま魚影の後ろに落ちてしまったミスキャストのフライをスーッと引っ張ると魚の上を後ろから通過したフライを追って飛びついた。





 しまった、思わず飛びついちまった、という顔で上がってきたのはこのあたりではめずらしいイワナだった。へえ、イワナも放流してるんだと思ったが、フライへの飛びつき方がいかにもしまった、という感じだったのでなんだかおかしかった。









 このフライでヒットを重ねた。





 鼻先のとがった良型のヤマメからは大量の捕食物がとれたが画面の右側はユスリカのシャックが多く左側はストーンフライが固まっている。真ん中には小型のカミキリムシがいる。早朝のユスリカからストーンフライへとハッチの主役が変わってきたのだろう。雨の影響もあってテレストリアルの流下もあるということか。

 



 時刻は1時をまわったが、ライズは続いていたのでそのままもう少し釣ることにした。2時を過ぎたところで腹も減ったのでロッドをたたんで川の駅にもどり、いのぶたカレーを注文、遅い昼食をとってキャンプ場に向かった。


 GW期間中は込み合うだろうキャンプ場もこの日は他の客もなく貸切で静かなキャンプを過ごした。


 翌朝、キャンプを撤収して役場前に向かった。





 水量は多目だがにごりもなくすでにポツポツとライズもしている。川底のかたちはずいぶんと変わってしまって、以前のようにユスリカのハッチにライズをくりかえすポイントはなくなってしまったようだ。






 ライズの主体はカワゲラかもしれなかったがとりあえずのパイロットフライとしてメイフライイマージャーをキャストした。前日は反応の薄かったフライだがこの日はすぐにくわえてくれた。





 7時から8時まで1時間ほどの釣りタイムだったが6匹の良型ヤマメを手にすることができた。前日の特設釣り場よりも反応はいいくらいで驚いた。漁協のFBに最近は一般区C&Rエリアに釣人が少ない、と出ていたが少なくとも役場前は絶好調のように感じた。






 役場前を後にして漁協で受付をすませ中ノ沢に着いた。朝からの快晴だがやや風が強い。





 駐車場から覗くと良型が浮いているのが見えた。しかし今回の予約は上流のB区だ、ザックを背負って上流に向かった。





 B区の入渓路を下るとカエルの卵が迎えてくれた。私はカエルが苦手だ、卵を踏まないように気をつけて歩く。





 水温は10.6℃、先週は9℃台の前半だったから1℃以上高かった。前日の雨による増水も落ち着いて状況は良さそうだった。





 釣りはじめてすぐにきれいなヤマメが出た。先週はこのサイズのヤマメが続いたのだが、今回はもう少しいいサイズがポンポンと来ないかなと期待する。





 このあたりで良型ヤマメが、と浮かべたフライがすっと吸い込まれた。





 ちょっと意外なところから出てきたが最初の良型は尺イワナだった。





 そのあと中ノ沢生まれと思える中型のヤマメを数匹釣って、いかにもイワナの気配が濃厚な泡の浮かぶ反転流に出あった。一度フライの下に魚影が浮いてきたがタイミングが合わなかったか、また潜ってしまった。触ってはいないのでしつこく攻める。
 今度は魚影は見えなかったがフライがふっと消えた。





 尺とはいかなかったが頭のでかい9寸越えのイワナだった。





 B区終点の堰堤が近づいてきたが時間はまだ11時半だ。区間フリーとなる午後1時まではだいぶ時間があるのでここでゆっくりランチをとることにした。





 ランチを終えてやってきた堰堤下のプール、以前は左岸の川原から右岸の岩盤にかけてかけ上がりになるいいポイントだったが今は全般に浅いプールになってしまっている。魚たちはこちらの気配を感じても動じることもないがフライにもまったく動じることなく無視してくれる。先週のD区の終点もこんなプールだったがこういう場所はむずかしい。ティペットを8X以下に替えて極小のミッジを投げるかニンフを流すかすれば反応を得られるかもしれないがそれもめんどうだ。

 なげやりにダウンクロスでキャストしたフライを開きにかかるところでスイングさせたらチビヤマメがすごい勢いで追いかけてきてフライをくわえた。こういうのに反応するのか、ともう一度やってみるとまた同じようにフライを追う魚がいた。





 今度はまあまあのイワナだった。だがこういうリアクションをさそうような釣りは長続きしない。その後はぱったりだった。


1時を過ぎたので一度道路に上がって上のA区に入ってみた。すると午前中に入ったひとがよほど腕の立つ人と見えてまるで魚からの反応がない。竿抜けになりそうなところがないかと細かい流れもサーチしてみるが沈黙したままだった。





 小さな落ち込み脇のたるみでフライを吸い込んだのは真っ黒なイワナ。どうもこれ以上やっても好転は望めそうにないのでここで川を上がることにした。
 3時には帰路に着くことにしていたが、あと1時間ばかり釣りができる。管理棟にもどって朝みた良型をねらってみようと思った。





 管理棟について下を覗くと良型が数匹ういていた。よし、もう一振り、と思ったら間の悪いことに下流から釣人が上がってきた。あー、今日はこれで終了かと残念だったがその釣人のキャストをしばらくながめていた。ちょうど光の反射もなく流れるフライも魚も浮いてくればよく見えたのでなかなかおもしろかった。 下の釣人は私が見ているのに気づいていたからやりにくかったかもしれないが、見事ヒットすればギャラリーがいるということは悪くはない。

 上の写真を見ると手前から3本の落ち込みがあるのが分かると思う、フライマンは左の大岩の影からちょうど真ん中の落ち込みから流れる流芯とその脇を攻めていた。フライの種類はわからないが上からみていると白っぽい大き目のフライに見えた。はじめはあれ、マーカーかな?と思ったがドライフライだ。リーダーが短いのでマーカーの先にさらにニンフが結ばれているようにも思えたのだ。

真ん中の落ち込みの流れはかなり強いのだが流芯との境目あたりで2度ほどバイトがあったが乗らなかった。

 上から見ていると中心部にも魚はいるのだが本命は右岸の大岩際の流れで、白っぽい大ガエルのような形をした岩の脇あたりに大物が少なくとも2匹は着いているのがわかる。だが下にいるフライマンはそれをねらおうとしない。よっぽど声をかけたくなったがそれもやぼなのでだまって見ていた。3度ばかり右岸のほうへもキャストはしたがいずれもすぐにドラッグがかかってしまうのであきらめているのかもしれなかった。

 ひとしきりキャストを繰り返したあと彼はラインをリールに巻き取って上流に向かっていった。大岩のこちら側に来たときにそこからもう一度ねらってみればいいのにと思ったがそのまま行ってしまった。私がずっと見ていたのがうっとおしかったのかもしれない。そうだとしたら悪いことをしたが、こちらとしてはなんだか最後の最後にチャンスがめぐってきたようなものなので私なりにこのポイントを攻めてみることにした。





 川へ降りてみると上から見ていたのとは少し印象が異なる。 真ん中の強い流れと右岸側の落ち込みからの流れが合わさってY字となりさらに開いていくあたりが本命ポイントに見えて右岸側がそうおいしそうには見えないのだ。ただ大ガエル岩の上下流に大物が浮いているのはここからでも確認できた。

 実際にフライを流してみると右岸側の緩流部にフライを置こうとしても真ん中の流れが強いのですぐに引っ張られてしまう。さっきのフライマンが去っていく際に見た感じではリーダー長はせいぜい9ftほどに見えた。その長さのリーダーではなるほどすぐにドラッグがかかってしまうだろう。あまり向こう側を攻められなかったのもわかるような気がした。

 わたしのほうは7'6" #3のロッドとラインに4X 12ft のリーダー、5x と 6X のティペットを合わせて 4ft ほどつないで全長 16ft 弱のリーダーシステムだ。これだけの長さがあると真ん中の強い流れに引かれてもある程度はフライをナチュラルに流すことができる。対岸脇の緩流部に集中してフライをキャストした。さっきまで別のフライマンが立っていた場所だ、出るなら一発か、と思ったがそうは行かなかった。それでもここが最後だからとあきらめずにキャストを繰り返した。

 さすがにやはりだめかと思ったそのとき、大ガエルの脇から浮き上がった魚がフライを飲み込んだ。








 ネットに収まったのは文句なしの尺ヤマメだった。ヤマメとしては2日間の釣行で最大サイズとなった。





 さらに大岩の上流側にポジションを移して大ガエル岩の下流にいた泣き尺を追加することができた。前のフライマンが去った直後、まさかこんなにうまく釣れるとは自分でも思っていなかった。
 すべてのポイントでそうだとはいえないが、このポイントではロングリーダーの実力をまさに実感することができた。ロングリーダーのフライフィッシングに本格的に取り組み始めて2年がたってやっとなんとか手についてきたような気がする。
 ちょうど還暦を迎える直前からの2年、この歳になってもまだ成長できることがあるんだと思うと少しばかりうれしさも増すような釣行となった。






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