桃源郷とはいかなかったが

wind knot

2018年04月14日 07:27







 木曜日、4月12日の釣行。イワナを釣りたくて川へと向かった。結果はなかなかの苦戦を強いられた。





 川へ向かう道々には桜を始め春の花々が咲き乱れていやがおうにも気分を盛り上げてくれた。めざす川にたどりついて見上げると山桜が満開の眺めはなにやら桃源郷を思わせるほどに美しかった。これはいい1日になりそうだとなんだかもう釣れること間違いなしという気持になったがいつもながら現実はそう甘くない。





 最初のコンタクトがあった泡の浮く巻きの流れ、一瞬水面近くに姿を見せたイワナがフライを吸い込んだ。よし、と合わせたロッドはかすかにプツ、という感触を残して獲物の重みを得ることはなかった。





 2度目のコンタクトも落ち込み脇のたるみ。最初のコンタクト同様、ふっと現れたイワナがフライを吸い込みはするもののフッキングには至らない。この後も何度か反応は得られるもののことごとくすっぽ抜けが続いた。イワナたちは瀬尻にも開きにも出ていない。すべて落ち込み脇の巻きかたるみに潜んでいる。
 前回のイワナ釣りから半月がたっていた。今回は気温は18℃を越え、水温も10℃あった。イワナの活性もあがっているだろうと期待したのだがまだまだのようだ。それともすでに攻められて警戒しているのか。





 あまりに釣れないので早めの休憩にした。今年になって上野村で買った木製のマグカップはせせらぎの背景によく似合う。時間は11時を過ぎたころ、石裏のたるみにはユスリカが群れているが大きい虫はまだ出ていない。よし、これからだとふたたび川をのぼっていく。





 新緑というにはまだ少し早いが陽射しを浴びた若葉の緑がまぶしい。





 釣りを再開してほどなく落ち込み脇にふっと浮いてきたイワナがフライをつついた。フッキングには持ち込めなかったが手ごたえは続いている。フィッシュオンへの期待が高まった。






 ヒットの瞬間は唐突にやってきた。巻きやたるみではなくて流芯脇のゆるい流れ、ここにはいないんだよなと思いながらととりあえずフライを流した。右の大岩の下のえぐれに潜んでいたイワナがフライを迎え撃つように飛び出してきた。





 予期していなかった出会いに合わせをミスしたかと焦ったが今度はしっかりとフライをくわえてくれていた。22、3cmといったところだがうれしい初ヒット、ここまでが長かった。1匹目なのでストマックを取らせてもらう。





 ストマックポンプのチューブいっぱいに茶色い塊が出てきた。巨大なイモムシ、ブドウ虫のでかいヤツみたいだ。ブドウ虫って自然渓流にいるんだろうか。ひょっとして餌釣り師からゲットした獲物だったりしたらおもしろい。
 今シーズンはオオヤマカワゲラのでかいニンフだったり、オオクマのスピナーがごっそり出てきたりとストマックポンプがやたらとおもしろい。





 次の出会いはねらい通りの落ち込み脇だった。フライがふっと吸い込まれるイワナならではの食い方だった。こういう出方のときはしっかりフッキングしていることが多い。





 サイズは1匹目と同じくらいだがオレンジの斑点がはっきりしている。ストーンフライや小型のメイフライも舞うようになってイワナの活性も少しだけ上がってきたようだ。


 釣りあがるうちに退渓のポイントにきてしまった。最後にもうひとつとロッドを振った。瀬尻にいたイワナが走るのを今回はじめて見た。




 
 走ったイワナをみた瀬の少し上、白い石に分けられた流れがふたたびひとつになる典型的なY字帯、躍り上がるようにイワナが飛び出した。





 紫がかった体色にオレンジ色の斑点が濃くて美しいイワナだ。
 桃源郷もかくやという風景に好釣を期待したが、そうはうまくいかなかった。昼メシ前の大苦戦が痛かったが、イワナの活性があがってきたのは昼をまわるころからだった。釣れたイワナはどれも7寸半ほどだったがきれいな魚体に昼前の苦労も癒された。

 次はヤマメ釣りかな。









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