一年ぶりの邂逅

wind knot

2018年04月05日 13:25







 昨日(4月4日)の釣行。平野部では夏日だったようだが、川でも暑いくらいだった。

 ブログの釣行記録では先週のイワナ釣り以来だが、実はイワナ釣りの翌々日、ヤマメを求めて川に行った。しかし出かけるのが遅くなって川に着いたのは昼過ぎ、実釣は2時間と少しの釣りだった。初めての川だが放流もされている里川なのでまあ1匹ぐらいはなんとかなるだろうと思ったが、甘かった。チビヤマメらしき影が一度かすっただけで見事なボウズをくらった。川からあがって帰り支度をしているところに地元?のフライマンの車が止まって声をかけられた。





 どうでした?の問いに、まったくダメ、と答えると、「水量はだいぶ落ちてきたが水色がすこし白っぽくてあまりいい感じじゃない。」とのことだった。前の週にまとまった雨が降って山の支流はともかく本流筋となるとまだその影響が抜け切れていないようだった。今シーズン早くも3日目のボウズだった。


 そして今週、ほんとうはキャンプをして2日間の釣りを楽しむ予定だったが、ちょっと風邪をひいて体が本調子ではないため昨日1日だけの釣行にした。暑かったり寒かったり、暑くても朝晩と昼の温度差が大きかったりで、歳のせいか体がついて行けないようだ。





 やってきたのは先月の13と14日に訪れている川、今シーズン3日目になる。朝7時で気温はすでに12℃ほど、昼ごろには暑いくらいになりそうだった。





 水量は少し減水気味かなというくらいで、瀬尻の魚には走られそうだが流心の魚をねらうにはちょうどよさそうに思えた。
遡行しながら長い瀬に出会っていかにも瀬尻に魚が付いていそうなときはいったん河畔に逃げてからクロスでねらうのがいいと思うのだが、いつもはやる気持を抑えきれずそのままアップでキャストして、瀬尻の魚を追い散らしてしまう。気をつけているつもりなのだが、今回もさんざんやらかしてしまった。

 川に降りてすぐ目の前の瀬尻で大きくはないが数匹のヤマメがライズを繰り返していた。なんとも幸先のいい出会いだ。川から距離をとってライズを眺めながらロッドをつないだ。このワクワク感、フライマンでなければわからないだろう。何を食っているのかわからないし、魚も小さそうなのでとりあえず#20のフライを結んだ。
 
 出るけど乗らない。3度目のキャストでフックオン。





 お見立てどおりの可愛いヤマメだった。それでも川に降りたその場でのヒットはやはり気持がいい。ここでもう1匹をキャッチできた。





 瀬尻といってもこういうふうにある程度水深があるところなら魚を散らせてしまうことも少ない。





 また可愛いのをキャッチ、先月とあまり状況は変わらないのか、ひと月近くたっているので、もう少しいいのが出てきてもよさそうなのだが。そうは問屋が卸さないか。





 ここですっぽ抜けたのはちょっといいサイズだったので残念だった。フライは最初の#20から#18に上げていたが虫も飛び始めて、ヤマメの活性もよくなって来ているようなので、#16に結びかえる。





 この直線的な瀬、こういうところで下から瀬尻の魚を追い散らすのだ。慎重に回り込んでクロスでキャストする。しかし、すでに瀬尻のヤマメには走られてしまったようだ。





 それでも上の流芯でヒットしたヤマメはここまでで一番のサイズだった。走られて終わり、ということが多いのだが落ち込み下の芯にいるやつは影響を受けない、ということか。








 その後はまた可愛いヤマメにもどってしまった。なかなかすんなりサイズアップというわけにはいかせてくれない。釣りあがって先回はユスリカのスーパーハッチにライズの嵐だった堰堤に着いた。今回は時間も早いせいか散発的なライズがあるだけだ。すでに散々攻められているためだろう、フライを浮かべると猛烈なスピードでアタックしてきたがくわえてはいない。しかも1ヶ所で反応するのは一度だけだった。3回ほどアタックがあったが最後に反応したのは8寸越えと思えるグッドサイズだった。もちろん2度とそのヤマメが姿を見せることはなかった。






 堰堤に見切りをつけて上に上がってきた。いよいよハッチがピークを迎えたのかあちこちでサイズの異なるメイフライが蚊柱を作っている。





 ワンワンと飛んでいるのを1匹つかまえてみた。オオクマのスピナーだ。





 オオクマをつかまえて写真を撮ろうと岸に向かっている最中にウエーダーに虫がくっついているのに気がついた。これはすでに死骸だったがオオクマよりだいぶ大きい。マエグロかなとも思うがはっきりしない、このサイズのメイフライもオオクマほどではないが蚊柱を立てていた。





 生きているオオクマのほうがさかんに動き回るのでピントが合わないが2種のメイフライのサイズの違いがわかるだろうか。とにかくこれだけ虫がとんでいるとなるとヤマメの活性も絶好調となってきた。





 ついにこの瀬の頭で飛び出したのは8寸を越える良型だった。




 
 流れがほぼ直角に向きを変える一級のポイントで良型のヤマメが躍り出るまさに至福の瞬間だった。





 このヤマメのストマックから出てきたのは大量のオオクマスピナーだった。体色を見るとさきほどつかまえたのと同じように見える。だがオオクマのフライというとふつうはダンとして巻かれることがほとんだと思う。水面で羽化したばかりのダンがヤマメの捕食対象となることが多いというわけでスピナーがこんなに大量に食われているのはめずらしいのかもしれない。よく見ると出てきたのは♀ばかりのようだから産卵のためのスピナーフォールが起きているのかもしれなかった。もちろん私の見立てが間違っていてこれはオオクマのダンなのかもしれないが。





 このヤマメを釣った少し上でぶっつけの下の流れ、こちらは先ほどの流れよりも水深があって流れはゆるい。明らかに8寸は越えていそうな良型が定位しているのが見えた。

 定位しているヤマメのひと尋上にフライを置いた。ねらったヤマメが動く前に、上流からこれも良型のヤマメがフライを追って飛びついてきた。





 ねらったヤマメよりも少し小型かと思えたが体高のある魚だった。そして尾びれのつけねあたりが曲がっている姿に見覚えがあった。





 昨年の4月12日の釣行、この流れで鳥についばまれたというような傷のあるところで背骨が曲がってしまった18cmほどのヤマメを釣った。間違いなくそのヤマメだった。1年経って体長は23cmほどに成長していた。よく抜かれずに生きていてくれたものだ。C&Rの効用はもう常識といえるのだと思うが、こうして1年ぶりに同じヤマメに出会うことができるとなると感慨もひとしおだった。





 1年ぶりの再会を果たしたヤマメと別れたあと、もう1匹のヤマメを釣った。お前も大きくなってまた来年、俺と遊んでくれよな、とつぶやいて川に魚を放した。





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