エクステンドボディの作り方

wind knot

2018年03月09日 16:14






 メイフライダンをエクステンドボディで巻く。今回は前半のエクステンドボディの作り方を紹介してみたい。エクステンドボディの作り方は色々な方法があって、私もウレタンチューブを使った作り方を紹介したことがある。以前はティムコからエクステンドボディを作るためのツールなども販売されていたが、現在は生産していないようだ。
 今回ご紹介するのは一応オリジナルのパターンのつもりだがすでにどなたかが同じ作り方をしているかもしれない。ツールもマテリアルもごく普通に手に入れられるものだし作り方もかんたんでだれでも思いつきそうな方法だ。 用意するのはボディのマテリアルになるフィルムと裁縫で使う縫い針だけ、あとは普通のタイイングツールがあればいい。





 ボディ材となるフィルムはレーヨン製手芸糸を広げたもの。てっきりポリエステル製だと思ったがレーヨン製。「木材パルプを原料とする再生繊維で、土に戻る環境にやさしい素材」とのこと、そのせいか自然素材に通ずるようなやさしい素材感がある。夏物のかごバッグなどを編むための素材として販売されていたものなので今の時期には店頭にはないかもしれない。似たような素材として梱包用のヒモやスーパーのサッカー台においてあるようなポリ袋などもあるができるだけ薄いものがいい。





 この糸は広げるとこんな感じになる。たてに細かいしわが入っていて見た目にはフライのウィング材によさそうだ。購入時の用途はウィング材としての利用を想定していた。梱包用のヒモも見た目はほぼ同じだがあちらは縦に裂けやすくウィング材としては使いづらい。エクステンドボディの材料として使うなら問題はなさそうだが耐久性には若干不安があるかもしれない。





 フィルムはこれぐらいのサイズにあらかじめカットしておく、ボディに使うのはたったこれだけの量だ。





 ツールとして使う縫い針、これはどんなものでもかまわないのだがあまり細いものは使いにくいと思う。





 針をバイスに固定してまずスレッドを巻きつける。フライの巻きはじめと同じ要領で5回転ほどしておく。





 針に直接タイイングワックスを少量ぬりつけて指でならしておく。





 カットしておいたフィルムを針に巻きつける。しわの付いている方向を針に平行に海苔巻きを巻くように巻きつける。





 慣れないとフィルムがすべっていらいらするが、ワックスをぬることですべりにくくなる。





 きれいに巻けたら右手でフィルムごと針を保持し、左手でスレッドを回してフィルムの左端を固定する。





 リブを作るようにスレッドを巻きながら右端へ移動、端のギリギリまで来たら数回転させてスレッドを固定する。





 好みのテール材を数本、針の右端にスレッドで固定する。ほつれ止めにここで一度ウィップフィニッシュしておいたほうがいいかもしれない。





 今度は左端に向けてスレッドを巻いていく。これでクロスのリブになるが最初に左端にテール材を巻きとめてスレッドで右端まで回転させて右の先端でウイップフィニッシュしてしまってもいい。斜めのリブがきれいに出せるが、往復してスレッドをクロスにしたほうがボディの強度が増すのとテール材が巻きとめやすい。





 左端でウイップフィニッシュしてスレッドとテール材のあまりをカットする。





 油性ペンで好きな色をボディに着色する。この工程はフィルムを針に取り付ける前にやってもいいし、最後にボディのコーティングをしてからでもいい。





 瞬間接着剤やレジンなどでボディ全体をコーティングする。私はLED硬化型のレジンを使っている。コーティング材は写真のようにたっぷりと塗って余りをティッシュで吸い取るとちょうどよくなる。





 コーティングが完全に硬化したらほぼ完成だ。レジンにしろ瞬接にしろ完全に硬化させないとボディから針を抜き取る際にボディが壊れてしまうので注意が必要。何本かまとめて作っておいて、つくっている間に硬化を待つのがいい。





 出来上がったボディを針から抜き取る前に最初に針にスレッドを固定した部分をカッターで切り離しておく。これをやらないと針が抜き取りにくい。





 ボディから針を抜き取って出来上がり。細身でありながら中空構造で浮力も強いエクステンドボディだ。





 今回は針に直接フィルムを巻きつけたが、写真のように針にドライフライ用のダビング材を寄り付けてからフィルムを巻いてもいい。ボディを太めに作ることができるので想定するメイフライのサイズに合わせてダビング材の量を加減してほしい。ダビング材のカラーも虫に合わせるといいだろう。このボディは中空になっていることで浮力を得るのが利点なのでダビングはあまり強く寄り付けずにふわっとするくらいがいいと思う。



 次回はこのボディを使ってメイフライダンをタイイングする。












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