今週は水・木と上野村でキャンプをしてきた。
天気予報は晴れ/曇りと秋晴れの下でのキャンプになるかどうか微妙だったが、雨は降りそうもなかった。久しぶりに肉を焼いて、焚き火を楽しもうというねらい。もっとも場所が上野村と来ては釣りのほうも・・・どっちが主目的かは言うだけ野暮な話。
とはいえ、上野村に到着してすることといえば、まずは釣りのほう。今年もオフシーズンニジマス釣り場か開設されてもうおなじみとなったハコスチをねらう。
到着が少し遅れて駐車スペースはすでにほぼ満車の状態だった。オープンしたてということもあるだろうが、年を追うごとにハコスチの人気が高まっているのは間違いないようだ。空は快晴といってよく、色づき始めた山のグラデーションがきれいだった。
水はやや少なめといったところか。心なしか見える魚の数が少ないようにも思えた。まずはドライフライをキャストしてみるが当然のごとくに反応はないのですぐにマーカーを付けてフライを沈める。数投め、ちょっとよそ見をしていた目線をマーカーに戻すとスーッと動いている。
あれ、もうかかったの?という1匹はしかしあっけないくらい楽々と寄ってきてしまった。後ろで見ていたフライマンに「ずいぶん素直に寄ってきましたね。」と声をかけられた。「あはは、こりゃふつうのニジマスですね。」と答えた。
最初の1匹があまりにもかんたんに釣れてしまったが、お察しのとおりで後が続かない。苦戦を続けてやっとかけたハコスチらしきヤツにグイと頭を振られると5Xのティペットがプッツンと切れた。
駐車場前のプールをあきらめて釣りあがっていくとマーカーが勢いよく引き込まれた。よしっとロッドをあおると頭上をすっ飛んできて後ろの川原に着地。
ねらってるのがハコスチだし、やけに勢いよくマーカーが引かれたからつい腕に力が入りすぎてしまうのに苦笑い。パーマークがヤマメの稚魚かと思わせたがニジマスのチビだった。大人たちに紛れて養魚場から抜け出したのだろう。広い世界に逃げてきたのはいいが、外の世界には意地悪なおじさんたちがたくさんいるからな、もう釣られるなよ。
ごく短いランの肩に2匹のグッドサイズが肩を並べているのを見つけてしつこくフライを流していると1匹が頭を振りながら口を開いた。すかさず合わせて見ごとにヒットしたのはいいが、小さなランの中を暴れまわる。今度はハコスチのようだ。ここはあわてずひとつ下の流れに落としたほうがいいかと、はじめはまだ余裕でいたのだがここからが大変だった。最初の大暴れをなんとかいなしてそろそろいいかと寄せにかかるとまだまだパワー全開で下流に向かって走る。ああ、もうそっちに行かないで!と胸の中で悲鳴をあげるがそんなことにはお構いなしでまた下に落ちてしまった。茶色の底石が大いにすべるのをなんとかへっぴり腰でこらえつつ後をついていくと今度はティペットが流木に引っかかってしまった。
ああ、もうだめかと必死でティペットを流木からはずすとまだグイグイと引いている。よかった外れていなかった。と思ったのもつかの間、またもや下流に向かってダッシュ、あっという間に落ち込みの向こうへ消えてしまった。もういい加減にカンベンしてくれとやっと肩を乗り越える。そしてさらにもう一度肩を突破。この向こうには釣人がいるからなんとしてもここで食い止めたい。足場のいいところで突進をこらえた。さしものハコスチもやっと力尽きたか岸よりの岩陰に潜り込もうとするのを引きずり出してネットイン。
最後はこっちも肩で息をする有様だった。49cmのハコスチにがっぷり飲みこまれたフライは上あごの奥にかかっていた。ティペットは5Xだったから無理はできなかったがかれこれ10分近くかかったと思われるファイト中に歯で切られなくてよかった。
ランディングしたところからヒットした場所を眺める。ヒットしたのは釣人がいる先の大岩の向こうだったから30mばかりは引きずられてきたようだ。
けっきょく1日目はこの魚がラストフィッシュだった。釣りのほうは早めに切り上げてキャンプ場へ向かう。管理棟で料金を払うと「今日はほかにだれもいないからサイトはどこでも好きなように使ってください。」といわれた。もちろんそれをねらってきたのだが。
今回もスクリーンテントにコットの組み合わせで過ごす。テンと設営後はヴィラせせらぎまで温泉に浸かりに行った。温泉で暖まったあとはキャンプ場にもどってビールで乾杯、クーっ、最高!そして肉を焼いて食う。
今回はちょっといい肉を奮発、キャンプのときはいつもわさび醤油であっさりといただく。スクリーンテントの中は炭火とランタンの熱でほどよく暖まりビールが進む。
そして食事のあとはウイスキーの水割りをすすりながらゆっくりと焚き火を眺めて過ごす。
夕方から雲に覆われた空がちょっと心配だったが幸い雨が落ちてくることもなく熾き火になるまでのんびり焚き火を楽しむことができた。ちなみに今回のBGMは昭和の歌謡ポップス、せっかくの静かなキャンプにそんなもの流すなんて、と言われそうだがだれもいないキャンプ場だからできるぜいたく。
翌朝はさっさとテントを撤収、7時45分にふれあい館に到着、8時半の受付スタートを待った。
めでたく一番乗りはいいが、だからといってすぐに釣れるわけでもない。それでも最初の魚はそれほど待たずにフライをくわえてくれた。
ふつうのニジマスかハコスチか微妙なファイトだった。
今回も後ろで見ていたフライマンが声をかけてくれた。親切にも記念写真といってシャッターを押してくれるおまけまで、ありがとうございました。
この日も秋晴れの空に恵まれた。
釣人も多い。
その後2匹のノーマルを釣った。12時まで釣ってランチをとって帰ろうかと思ったが、そのあと1時間ほどまたロッドを振った。結果はまるで相手にしてもらえなかったが。
2日間天候に恵まれてのんびりとキャンプ&フィッシングを楽しむことができた。思えばシーズン中だとこれほどゆっくりした気持で釣りもキャンプもできないような気がする。余裕をもった楽しみ方ができるのもオフシーズンならではと言うことかもしれない。
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