12、13日の釣行。
渇水気味だった渓が先週末の雨で潤いを取り戻し、春の陽射しをあびての絶好の釣行を期待したのだが、前日の11日にこれは予想外の雨が降ってしまった。
水位モニターでは30cm以上の増水となった上に気温の低下もあり、なんてことだと天気の神様を恨みながら家を出た。
川に着くと一晩でピークよりはかなり水位も下がったのか、見た目にはちょうどいいくらいの水量だった。
9時半の気温は7℃弱、水温もほぼ同じくらいで、よくはないがまったくよくないというわけでもない微妙なところ。晴れて陽射しは暖かいがすこし風がある。スタートはニンフにしようかとも迷ったが、9時も過ぎているからといつもの#16のメイフライイマージャーを結んだ。
ロッドはBlue Heron Superfine #2-3 にDT#3ライン リーダー 5X 12ft に6Xのティペットを3ft 足して全長15ft のシステム。やっとロッド2本分くらいのリーダーシステムならコントロールできるようになってきた。だが、釣っているうちにティペットはだんだん短くなってくるからほんとうはあと1ft はティペットを長くしたいのだが、たった1ftの違いでとたんにコントロールが難しくなる。私のロングリーダーの修行はまだまだ続くということだ。
車を止めた場所から50メートルばかり下って入渓したが、反応はないまま車を止めた橋の袂までもどってきた。左岸側のコンクリートにぶつかるところが深くえぐられていかにもいそうなポイント。ていねいにフライを打っていく。
コンクリートの際で最初のヤマメ、小さいがとりあえずほっとする1匹目。
コンクリート左のかけ上がり、自分が立っているもうすぐ足元に近い場所でしぶきが上がった。あれ、今のライズ?いや頭上の枝から落ちてきた雫だろう。念のため立ち位置をうしろにずらしてしぶきの上がった流れにフライを落とす。今度はもっと奥でまたしぶき、けっこうな勢いで水がはねた。これは雫じゃない魚影は見えなかったがライズに間違いない。
タイミングを計りながらキャストを繰り返す。フライが奥の暗がりまで流れたところでヤマメが身を乗り出した。
1匹目よりも少しサイズアップだが、背中が曲がっている。ちょうど曲がっている部分に傷が残っていて、鳥にでもくわえられたような傷だった。
がんばって生きてくれ、と流れに戻す。
まだいそうだ、と上流側をさぐる。上の写真には写っていない左の奥でフライがすっと吸い込まれた。
3匹目は20cm弱とだんだんサイズアップ、パーマークがやや薄いがプロポーションのいいヤマメだった。
1ヶ所で連続して3匹のヤマメに出会えた。これは間違いなくいい感じだ。と思ったものの、そんな私の期待をあざ笑うかのようにだんだんと風が強くなって来た。それにともなって反応がなくなる。気温は少し上がってきていて一度はジャケットを脱いだのだが、風が体温を奪っていく。仕方なく脱いだジャケットをまたザックから取り出して羽織る。
最初の3匹から1時間ほどたっての4匹目。
サイズはまたもどってしまったが、今度はパーマークのくっきりとしたきれいなヤマメだった。
このヤマメが釣れたところでランチタイムにした。このところ川でもよく食べるパスタ。
今は3分でゆであがるパスタなんてものがあって便利だ。3分でゆであがるというのは時間ももちろんだが燃料も節約できる。アウトドア用のガスカートリッジはけっこう高価なものだから燃料が節約できるのはとてもありがたい。
パスタは半分に折ってチャック付きビニール袋に入れて持参、味付けはレトルトのパスタソースを使う。今回はうにクリームソースだったが、なかなかにうまかった。まだ寒いこの時期、あたたかいものを食べられるのがうれしい。
そして食後のコーヒーを楽しむ。
川の上には無数のユスリカが舞い、大型のメイフライも姿を現した。川面でバタバタとやっているのはストーンフライだろう。そんな虫たちの舞う姿を眺めながらのコーヒーはまた格別で、その日の釣のでき不出来も忘れられる至福のひと時だ。
これだけ虫が飛んでいれば釣れるのがあたりまえだが、とも思うが現実はいつも甘くない。
ランチのあと、また1時間ほどして絶好の長い瀬に出会う。瀬尻で一度フライを見切られ、上流の流芯脇でドルフィンライズ。
まったく気持のいい出方でフライにアタックしたヤマメは20cmを越えて、この日のMAX。
しかし、風はさらに強くなり私の放つへなちょこなフライは目標ポイントを見失って右往左往するばかり。4時までねばって釣りあがってみたが、釣果を伸ばすことはできず、この日は5匹のヤマメで終了。
今回も車中泊なので、川からあがったあとは温泉をめざして林道を下った。
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