ティムコが主催する渓流ドリフトテクニックスクール(3月19日)に参加してきた。会場はうらたんざわ渓流釣り場、講師は渋谷直人さん。
2月の終わりから続いていた左ふくらはぎの痛みはおさまっていたが、事前の天気予報は18から19日にかけて大荒れの悪天候でおまけに大地震まであって中止もあるかと心配したが天気のほうは当初予報ほどの荒れ方にはならずに済んだ。
うらたんも久しぶりだな、10年ぶりぐらいかなと釣り場に着いてみるとなんだか記憶している風景と違う。たしか川の対岸に渡る橋があって左岸側にも車が止められたはずなのだが橋がない。
釣り場スタッフのかたに尋ねてみるとそれはもう20年前の景色でしょうと言われた。えーっと思って帰ってから写真の記録を見たらたしかに最後に訪れたのは2004年だった。10年前ぐらいの気がしていたのだが年月のたつのは恐ろしいほどに早い。
スクールの開始時刻にはまだ1時間半ほどあった。ティムコのスタッフも参加者もまだだれも来ていなかったので少し釣りをして待つことにした。
未明までの雨で水位は20㎝ほど上昇、水温は下がって魚は沈み気味、ライズも少ないが日が当たってくれば状況はよくなるだろうというのが釣り場スタッフの見立てだった。
ヤマメクラシックⅡの最下流部プール、ライズはしているが食いは渋い。今回のロッド 7'6" #2/3 リーダー 5X 12FT ティペット6Xと7Xを合わせて4FT弱。全体で16FT弱のリーダー+ティペットでふだん使っている標準の長さだ。ロングリーダーのシステムというには少しばかり短いがこれより長くするとトラブルが増えたりコントロール精度が落ちる。今でもそこそこにナチュラルドリフトは稼げるが、できればもう少し長くできればいいんだけど・・・というのが今回のスクール参加理由。
渋いながらも数匹のニジマスとヤマメを釣って開始20分前、管理棟前にもどると渋谷さんと嶋崎了さんが来ていた。嶋崎さんはティムコのスタッフとして受付からスクールの進行まで担当されたのだが事前の情報には嶋崎さんの名前はなかったのでなんだか得した気分になった。
嶋崎さんの司会でスクールがスタートする。最初のステップはリーダーのほどき方、巻きグセの取り方から始まってラインとリーダー、ティペット、フライの接続方法の説明だった。まるでビギナーコースのような展開にちょっととまどったが実は一つ一つのやり方がロングティペットリーダーの最大の敵ともいえるライントラブルを回避するための基礎となる手順になっていた。
配られた15FT 5XのLDLリーダーを前後それぞれ1FTずつカットしてラインに接続しひと尋のティペットをつなぐ。これで全長で18FT強、もともとつけていたものより2FT半ほど長い 。これまであまり深く考えたこともなく身に付いたやり方でやってきたが、提示されたのは極力スムーズにストレスなく釣りをするために考え抜かれた所作であって目からうろこがはがれた気持ちだった。
紺のマスクが渋谷さん
お待ちかねのキャスティングレッスンが始まった、マンツーマンでひとり15分ほどのコーチを受ける。たまたま並んだ順がレッスンの順番となり私は一ばん最後になって少々まちくたびれた。
ティムコのスクールはレベル別に4つのクラス(エントリー→ベーシック→ステップアップ→マスター)に分かれていて、今回のクラスは上位のマスタークラスだから参加者の方々もそれぞれ腕に覚えがあるとみえてみんななかなかのキャスティングをみせてくれた。
やっと回ってきた私の番、まずはキャストしてみて課題と矯正方法を教えてもらうのだが、まあまあしっかりキャスティングできているのであまり矯正することはないでしょう、へんに直そうとするとかえってバラバラになることもあるからいじらないほうがいいといわれた。
ぜんぜん駄目ですねとかいわれるんじゃないかとビクビクものだったが苦手な教科の先生にほめられた中学生のようにちょっとうれしくなった。
渋谷さんのあとに嶋崎さんから補足のレッスンを受ける。嶋崎さんからはしいて言うなら手首がややねじれるので直したほうがいい、と指摘された。ロッドティップが平面上の動きをするように振るのがキャスティングの大原則だがこれが一番むずかしい。自分なりに修正はしてきたつもりだがまだうまくいかないのはわかっていた。バックにいったときにねじれる、当然ティップがぶれる。いわれてみればなんとなく気になっていたことに間違いない。
気になることといえば距離が長くなるとティペットが完全にターンしきれないのをどうにかしたいと聞いてみた(渋谷さんのときには緊張していて思いつかなかった)。
それはロッドを完全に振り切っていないからでリストを使ってロッドを振り切るようにすればいいとのこと。
ロングリーダーの釣りはティペットにスラックを入れることでドラグを回避するためのものだからターンさせることには意味がないとはいえ、渋谷さんからはターンオーバーさせられる距離がラインを出せる距離と最初に言われている。いいかえればターンオーバーさせられる距離が伸びればラインを出せる距離(釣りができる距離)が伸びるわけで実釣の場ではあまりこだわらないロングリーダーのターンオーバーもやっぱり基本として必要なことなのだ。
手首をねじらずにロッドを振り切る、これを意識してやってみるとなるほどこれまでターンできなかった距離のキャストがきまるようになってきた。もちろん100%できるわけでは到底ないし、何日かたてばもとにもどってしまうのもいつものことだ。意識してくり返すことで身につけるしかない、今シーズンの課題は明確になった。
午後の部は実釣編でヤマメクラシックⅡ直下のぶっつけの流れと奥の反転流をねらう。実釣は技術指導というよりも渋谷さんからあそこにやる気のあるやつがいる、今度はあっちでライズした、こっちに浮いてきてるとナビゲートされたポイントにフライを届けメディングをくり返す。ロングリーダーの利点をいかしてできるだけフライをとどめるように腐心するが私の番はなにしろ最後の10番目だからなかなか魚が出てくれない(ことにしておく)。タイムアップでロッドを立てると、ドラグのかかりまくったフライに魚が飛びついてフッキング、なんだよと苦笑いの終了となった。
渋谷さんと嶋崎さんという二人のエキスパートに指導を受けることができた今回のスクール、新たな発見、気づきも得られて有意義な時間を過ごすことができた。
今シーズンの課題 ①トラブルを回避するための準備と釣りの所作を意識すること ②リストのねじれの修正 ③ロッドは最後まで振り切る
楽しみがまた増えた。
訂正
最後にうらたんに来たのは2004年、と書いたが2006年の間違いだった。このブログは2006年3月からスタートしているのだがその年の12月にうらたん釣行の記事がしっかりアップされていた。20年前の景色というのは少しおおげさだったがそれでも15年とちょっと前のこと、それなりに古い記憶には違いないか。このブログも何度かの中断を経ながら17年目を迎えたことになる。あと4年、20周年まではがんばりたくなってきた。
今回は釣りをしにきたわけじゃないので魚の写真はおまけ。
スクールスタート前に釣った魚、けっこう色々食べてはいるが水面にからむのはカワゲラのフローティングニンフかシャックぐらいだろうか。
レッスンの待ち時間に釣った魚、気温も上がってヤマメの活性もよくなっていた。
参加者の方が釣った大ヤマメ、スマホを構えるのは嶋崎さん。
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