チェストパック

wind knot

2017年04月06日 20:36







愛用してきたベストが寿命というわけではないがだいぶ痛んできた。





購入したのが2008年の6月だからほぼ9シーズン使ってきたことになる。釣行日数で言えば300日弱くらいになるだろうか。





こうしてみるとそうでもないが、近づいてみるとそうとうに汚い。








あちこち泥だか汗だかのシミだらけで着ている当人はなにも感じないが、他人が見たらぜったい触りたくない、と思うかもしれない。





背中のポケットのファスナーは今にも壊れそうだし





衿のニットは擦り切れてボロボロ。

あー、しょうがない新しいのを買おうか、とも思ったがなにぶん先立つものがまったく心元ない。

せめて年金がもらえるようになる来シーズンまで新調はおあずけにして今年はバックパック+チェストパックのシステムで通すことにしようかと思う。


いま使っているバックパックはFish Pond の製品でチェストパックもセットされている。フライフィッシングでの使用に特化したものなので、使い勝手はまずまずだ。だが、チェストパックについては私としてはサイズがかなり小さくて使いづらさを感じていた。





デザインや上品な色使いはフライフィッシャー好みですごく気に入っている。





メインのポケットにはC&Fの大型フライボックスがすっぽり収まる。外側のポケットにはもともとフライを刺しておくフォームが取り付けてあったのだが、これは使い物にならなくて取り外してしまった。ここには小型のボックスが収納できる。
だが、このボックス二つを入れてしまうとそれでもういっぱいになってしまう。外側のポケットにはフライボックスは入れずにティペットやフロータントなどを収めればいいが、フライフィッシングというものはフロータントひとつとっても1種類ではすまない。通常つかうペーストタイプにCDC用にはリキッドにパウダーを持ち歩かなくてはならない。CDCは私の場合はめったに使わないが、そのめったに、のときにフロータントがなくては話にならない。

さらにストマックポンプやらニンフ用のマーカーとシンカー一式にもうすぐ必要になる虫除けスプレー、メジャーに水温計などなどはやはりすぐに取り出せるところに入れておきたい。いちいち背中のパックを下ろして中身を取り出していては釣りのリズムが狂ってしまう。そもそもベストの場合はC&Fの大型ボックスが2個と中型ボックスが収まった上で、上記のこまごまとしたアイテムがすべて手の届くところに収納できる。
必要最低限のアイテムだけ持っての釣り、もちろんそれはそれでありなのだが、ベストの代わりになるチェストパックとなるともっと収容力がほしい。


話がどうも長くなってしまうが、そこで新しいチェストパックの話。





これは先般ネットで購入したパーゴワークスのパスファインダーというチェストパック(商品名はチェストバッグになっている)で、登山用品として販売されてるアイテムだ。MとLの2サイズ展開でこちらはLのほう。





これは装着した目線から撮った写真だがこんな具合に大型ボックスが縦に2個ぴったり収まる。さらにその内側のポケットには小型のボックスとマーカー&シンカー類のボックスが入って、メジャーや水温計に一番つかうペーストタイプのフロータントまで収まる。





外側のポケットは本来はマップケースとなるのだがここにはティペットやリーダーを入れるのにちょうどいい。
さすがにかさばるパウダーやリキッドのボトルは入らなかったが、これらはバックパックのショルダーに取り付ける小物ケースに入れておくことにした。





ティムコのフライパッチはこれまでラニヤードに付けて首から下げていたが、チェストパックの蓋にピンで留める。自作のラニヤードはチェストパックと干渉してしまうので使えなくなるのが残念だが、フライドライヤーやラインカッターはリトラクターでパックに取り付けることにした。





ランディングネットはバックパックの上部のハンドルにマグネットリリーサーで取り付けている。





外したネットはこんな具合にマグネットを近づけるだけでカチッとホールドしてくれるので、これはベストよりも楽だ。

このパスファインダーというパック、説明書ではバックパックのショルダーベルトの長さを調節するパーツに取り付けることになっている。





写真のパーツだがこれだとチェストパックと言いながら装着位置がウエストの少し上となってしまう。山登りならこの位置で問題ないと思うが、釣りの場合はやはりもっと上、胸の位置に付けたいので、ずっと上のハイドレーションパックのチューブを通すベルトに取り付けている。








パックの背面にはメッシュのスリットがあって説明書だとここにはバックパックのウエストベルトを通して固定するようになっているが、私はチェストベルトを通している。





外したパックは写真のように取り付けベルト同士をつなげておけるので、ちょっと手に持って移動したりするのにも都合がいい、さらにショルダーバッグとして使用できるベルトも付属していて、このあたりは至れりつくせりというところだ。

実はこのパーゴワークスとよく似た商品でマウンテンダックスというブランドのチェストパックを昨年から始めた低山歩きの際に使っている。





パーゴワークスのパックよりも一周りこぶりなパックだ。





幅はほぼ一緒だが高さがないので大型フライボックスは1個しか入らない。





背面にはウエストベルトやチェストベルトを通すスリットはないので、下部に付いているDリングにひもを取り付けてこれにウエストベルトを通して固定している。





外側のポケットは完全にマップケースとしての作りのため厚みのある物は入らない。





山歩き用としてはこれくらいの収容力で十分だがフライフィッシングに使うには物足りない。


前回の釣行で初めてFish Pond +Pathfinder の組み合わせを使ってみた。
釣りはじめは0℃以下しかなかった気温が昼には10℃以上に上がるというこの季節の釣り、ウエアの脱ぎ着による体温調節が不可欠だが、脱いだ防寒着もバックパックなら余裕でしまって置ける。

ベストだと川での食事はおにぎりにペットボトルのお茶くらいしかできない。釣行時のエネルギー補給はそれで十分とも思っていたが、最近は釣りに対する価値観も変わってきて、コーヒーを入れたりパスタをゆでたりなんてこともして余裕のある釣りがしたくなった。ストーブに燃料、コッヘルからミニテーブルまで背負っていけるバックパックの収容力ははベストにはない最大の利点だ。

そんなに荷物を背負って釣りをするとなると重さが気になるが、パックがからだに密着して荷重を分散してくれるので背負ってしまえばそれほどの重さも感じない。ベストはさっと脱ぐことができるがパックシステムの場合はおろす際にいくつかの接続パーツをいちいち外さなければならない手間があるが、こればかりは仕方がない。

フライボックスやティペットなど頻繁に使用するものの出し入れ、これが肝心だが、極めて使いやすいと思った。すべてが体の真ん中、胸の辺りに収まっているのでとてもスムーズに出し入れができる。

いちばん問題なのはフライフィッシング=フィッシングベストというだれもが思い浮かべるいでたちの持つイメージを捨てることにあるような気がする。やっぱりベストじゃなきゃフライやってる気になれない・・・という方も当然いるだろうとは思うが、実用的な快適さの面ではパックシステムに軍配が上がるように感じている。









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