趣味はフライフィッシング

　神流川に行きたかったが梅雨らしいぐずついた天気が続いて川はかなり濁り気味のようだった。それでもこの数日は降ってもしとしと雨といったところで濁りもおさまってきたらしい6月17日の金曜日、川の駅C&R区に行ってみた。

　その前にブログに載せていなかった6月10日の釣行、あまり釣れなかったのでアップする気にならないでいたが記録としてさわりだけ載せておこう。





　この川も水は高めだったが濁りはなかった。だいぶ下流のえん堤上から入渓、しばらくは平たんな瀬が続いた。中でもこの瀬は直線的で長くいかにもな流れだった。








　そしてねらい通りにヤマメもヒット、この瀬だけで小ぶりながらも5匹をキャッチできた。ところがそのあともいい感じの瀬が続くもののやっと1匹を追加したのみ。やがて落差のある流れに入ると思いのほかに水勢が強くてヤマメがフライを追えるような流れが見つけにくい。3時間ほどの遡行だったがなんだか腰が痛くなってきたし、この先は退渓できる場所がなくなるため、まだ11時という時間だったがこの日の釣りは終了とした。


　そして神流川、ライブカメラの画像は水量は落ち着いていたがまだ濁りはとれていないかな、という感じだ。道すがら覗いた南甘漁協管内あたりの川は濁ってはいないが水はけっこう多そうだった。

　7時前に川の駅に着いてそのまま川に下りるとすでに数人の釣り人がいた。テンカラの人が二人とルアーマンが一人でフライロッドを振る人はいないようだった。





　目の前のプールにはヤマメが浮いていてさかんにパクパクやっている。前回の釣行からそのままつなぎっぱなしのロッドは6Xのティペットに♯14のフライが結ばれていて試しに振ってみたが案の定みむきもしてくれない。そりゃそうだよね、とティペットを0.3号にしてフライは♯20までサイズダウンしてみる。





　今度は見にはくるようになったがどのヤマメもフンっとそっぽを向く。みむきもしないから洟もひっかけないに変わったぐらいで相手にしてもらえないのは同じだ。





　それでも見に来るやつがいるんだからそのうち間違ってくわえるのもいるかも、とキャストを続けていると岸よりの駆け上がりでフライを吸い込んでくれたヤマメがあらわれた。





　25㎝ほどだったがきれいなヤマメだった。





　1匹目なのでストマックを取らせてもらうとガガンボ、ユスリカ、ハネアリ、蜂の仲間？、カディスピューパ・・・となにやら色々でてきた。フライは♯20でだいたいマッチしているようだったが♯18でもいけそうだった。

　このまま釣り続けようかと思ったがかなりしつこくキャストを続けてやっと1匹というのは効率が悪い。アップクロスでロングキャストしたフライにたまたま出てくれたがヤマメからしてみれば交通事故にあったようなものだろう。ここまでの観察だとどうも0.3でもティペットをいやがっているようでアップクロスよりもクロスかダウンでティペットをなるべく見せないような流し方のほうが反応がよさそうだった。





　ティペットの先端2FTほどを0.15号に替えてフライもノーハックルのスペントパターンにしてみた。ユスリカアダルトのつもりだが小型のハネアリ、ブユなど万能タイプのミッジだ。

　フライを替えてからは反応もよくなってフライ先行のドリフトが決まれば口を使ってくれるヤマメも増えてきた。ただしティペットは0.15号、合わせ切れも多発してしまった。それにすっぽ抜けも多い。フライ先行で定位しているヤマメの口元に小さなフライを送り込むと反転せずに静かに吸い込むように食ってくるため合わせてもフッキングしないでそのまま抜けてしまうケースが多いのだ。逆に勢いよく反転すればしたで合わせ切れでどうも合わせのタイミングと力加減を見極めるのに苦労させられた。





　そんなこんなの悪戦苦闘をくり返しながらも何匹かのヤマメをキャッチして対岸ぎりぎりのバブルレーンをねらっていた。いつもながら大物はこの対岸ぎりぎりのヨレの中にいる。流れの筋が何本も通っていてそれが刻々と姿を変えながら流れているのでナチュラルドリフトさせられない。下手をすれば枝に引っ掛けてフライロスト、しかしいいのがいるんだよなー。

　ほんとうに何投かに1回、キャストと流れのタイミングと風が奇跡的にかみ合ってフライがうまく流れる、さらに魚のやる気が重なったときにのみヒットの瞬間が訪れる。





　やった、尺かと思ったが惜しくも29㎝の泣き尺だった。だがこのサイズにしてはひれもきれいないいヤマメだ。このヤマメを釣った後もすぐに良型が浮いてくる。相当数の大物がストックされているのは間違いない。





　解禁から3月半以上がたって放流されたヤマメたちもすっかり回復してきたのか釣れるのはきれいな魚が多かった。パッと見には放流魚なのか年越しの魚なのかわからない、釣り人にとってはとてもうれしいことだ。





　お昼をすぎて少し上流に移動してみた。このあたり流心は流れが強くて出てくれそうにない。思わぬ大物が飛び出してこないかとキャストはしてみるがそううまくいくはずもない。岸際の緩流部を流してみるとかわいいのが連続してかかった。





　こういうのがこのまま育てば来年は解禁当初から美しくてしかも賢い年越しヤマメとして釣り人を楽しませてくれるわけだ。





　いくつかの強い流れがぶつかってできる緩衝地帯、下流の流れだし付近は見た目以上に流れが強くて魚はいそうにない。いるとすればこの緩衝地帯だろうとティペットを0.3にもどしフライも一回り大きい♯18に替えて流してみる。

　1投目から反応があった。こんな白泡の際からよく♯18のフライを見つけるもんだと感心する。だが水面はあれてフライがなかなか落ち着いてくれない。フライが落ち着いてくれるかどうかはタイミングとしかいいようがない。むやみに投げず、適当なインターバルをおいてフライを打つ。








　プールに浮いているヤマメをサイトでねらうミッジングも楽しいが、こんな荒れた水面を割って飛び出してくるヤマメを釣るのはとっても楽しい。





　左から落ちてくる流れと手前からの流れがL字型にぶつかるその際でひときわ大きな魚がフライをねらって反転した。

　うわっ、でかかった。こっちのほうがのけぞるように驚くような迫力だった。見切ったわけじゃない、水面が荒れてるから食いそこなったんだ。まだ出るよ、と独り言ちながら再びキャストする。よしっ、出た！





　エっ、エええー?!　なんだよお前っ、縮みすぎだろー！！

　どうやら2匹が同時にライズしてチビが勝ったようだ。俊敏さと獲物をねらう正確性ではチビのほうに分があったのだろう。

　とにかくまだあいつには触ってないんだから、警戒はしてないんだ、食いたいんだよ、ぜったいまだ出る。





　信念のキャスト？で引きずり出すことに成功、まさにガバッと出た。手前の強い流れをなんとかクリアして一段下に落としてネットイン。尺あるかと期待したがこれも惜しくも29.5㎝。いやー、でも楽しかった。





　プールに戻って何匹か釣った後、そろそろ終了にしようかとプールの一番上にきてみると沈み石の前にでかいのが浮いていた。これはどうみても絶対に尺以上はあるだろう。なんとかこいつをものにして有終の美を飾りたいところだ。

　ティペットはまた0.15号に替えていた。0.3にもどそうかとも思ったが食わせることが先決だろうとそのままキャストする。フライは♯18だ。流心は沈み石の手前がわにあってヤマメはその芯と脇の緩流の境目にいる。流れはそれほど強くはないが流心に引っ張られるまでそんなにロングドリフトはできない。2投目か3投目かのキャストでうまい具合にフライが流れに乗ってヤマメの鼻先に向かった。





　ほとんどためらうこともなくフライを吸い込んだのは今度こそ文句なしの34㎝だった。0.15号のティペットがもつかとヒヤヒヤしたがなんとか無事にネットに収めることができた。





　これで思い残すことはない、と車にもどる途中、ラインをいったん伸ばしてから巻き取ろうとキャストしたフライがヤマメの目の前に落ちてパクっ。ムフフ、タイミングなんだよ、タイミング・・・ということにしておこう。









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